北欧のヴェルサイユ「ドロットニングホルム王宮」
スウェーデンの首都ストックホルム近郊にある「ドロットニングホルムの王領地」は「北欧のヴェルサイユ宮殿」の勇名を馳せ、1982年以降はスウェーデン王家の居城となっていますが、宮殿の一部が一般公開されており、毎年、夏には観光客向けに演劇やオペラも上演されています。
白鳥が遊ぶメーラレン湖のローベン島にあり、広大な庭園に抱かれたクリーム色の優美な姿は必見の価値があります。
北欧のヴェルサイユ宮殿 ドロットニングホルムの王宮
ノーベル賞授賞式が行われるストックホルム
2014年の嬉しいビッグニュースとして、赤崎勇、天野浩、中村修二の3氏にノーベル物理学賞が贈られことが記憶に残っています。
ノーベル賞はダイナマイトを発明し、爆薬や兵器をもとに巨万の富を築いたスウェーデンの発明家アルフレッド・ノーベルの遺言に従って1901年から始まった世界的に権威のある賞です。
スウェーデンの国土はスカンディナビア半島の堅い岩盤からなり、ノーベルが登場する19世紀ま での家々は、その堅い傾斜する岩盤に張り付くように建っていました。
それがダイナマイトで堅い岩を砕き、土地を平坦にすることができるようになって、建築業界にとっても画期的な発明でした。まさしく必要は発明の母で、かの頑丈なボルボ車もスウェーデンの国土と環境が産み出した工業製品と言えるでしょう。
王妃の小島「北欧のヴェルサイユ宮殿」ドロットニングホルム
ノーベル賞授賞式はスウェーデンの首都ストックホルムのスタッドフーセット(市庁舎)で行われますが、今回はその近郊メーラレン湖に浮かぶローヴェン島に建つ世界遺産ドロットニングホルム王領地をご紹介します。
「ドロットニングホルム」はスウェーデン語で「王妃の小島」を意味しますが、その名の通り、この地の建造物や庭園は、16~18世紀に生きた3人の王妃と深い関係があります。
すなわち、16世紀に国王ヨハン3世が王妃カタリーナ・ヤーゲロニカのために建てた夏の離宮に始まり、17世紀末、カール10世の王妃ヘドヴィーグ・エレオノーラがスウェーデンの名建築家ニコデムス・テッシン父子に設計を依頼して完成させた壮麗な宮殿と庭園です。およそ20年の歳月をかけたこの再建工事によって、離宮はヴェルサイユ宮殿に匹敵するフランス・バロック様式の宮殿へと生まれ変わったのです。
さらにロヴィーサ・ウルリカ王妃が主となった18世紀後半には、内装はロココ様式に統一され、芸術や文化にも造詣が深かった彼女が庭園に宮廷劇場も建造した結果、スウェーデンの新しい文化の潮流が生まれました。そして王妃自慢の「広東のアトリエ」で作られた陶磁器の間や図書室なども増設され、シノワズリ様式の中国風小宮殿も加わり、現在の姿となりました。
啓蒙君主グスタフ3世とオペラ「仮面舞踏会」
宮殿はその後、ロヴィーサ王妃の息子であるグスタフ3世に引き継がれましたが、息子のグスタフ3世もまたこの宮殿をこよなく愛し、毎夜のように晩餐会や舞踏会を催して劇場ではオペラも上演されていました。しかし、彼は貴族よりも市民や農民を支持したことから、1792年、仮面舞踏会の最中に恨みを持つ貴族によって殺されました。
ヴェルディのオペラ「仮面舞踏会」は、この啓蒙君主グスタフ3世の暗殺事件を題材としており、国民に支持されるスウェーデン王室のルーツを今日に伝えているようです。
スウェーデン音楽の父ルーマンの名曲「ドロットニングホルムの音楽」をこの宮廷劇場で聞けば、王宮文化が栄華を極めたグスタフ3世時代に思いを馳せることができます。
祝!日本の縄文文化「北海道と北東北の縄文遺跡群」が世界文化遺産登録
「北海道と北東北の縄文遺跡群」が世界文化遺産に登録されたことを記念して、私はみちのくを旅した芭蕉の研究本『松尾芭蕉の旅に学ぶ』と共に『縄文人からのメッセージ』というタイトルで縄文文化を語り、平成芭蕉の『令和の旅指南』シリーズ(Kindle電子本)として出版しました。人生100歳時代を楽しく旅するために縄文人の精神世界に触れていただければ幸いです。
また、日本人の心に灯をつける『日本遺産の教科書』、長生きして人生を楽しむための指南書『人生は旅行が9割』、感情の老化を防ぐ私の旅日記である『生まれ変わりの一人旅』とともにご一読下さい。
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★関連記事:平成芭蕉の旅のアドバイス「旅して幸せになる~令和の旅」
私は平成芭蕉、自分の足で自分の五感を使って世界遺産を旅しています
世界遺産とは地球の成り立ちと人類の歴史によって生み出された全人類が共有すべき宝物で、その内容によって①文化遺産②自然遺産③複合遺産に分類されます。この「平成芭蕉の世界遺産」はその世界遺産についての単なる解説ではなく、私が実際に現地に赴いてその土地に生きる人たちと交流した際に感じた感動の記録です。
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