マヤ文明最大の都市遺跡「ティカル遺跡」
ティカル遺跡は文化遺産と自然遺産を併せ持つ複合遺産
岡山の備前市日生にあるBIZEN中南米美術館で、森下館長より中南米の講義を受けて以来、マヤ文明にはまっています。
2012年12月21日でマヤ暦が終わるというのは計算違いであり、本当は2020年3月20日に終わるのが正しいとする説も登場していますが、これはインドのスーリヤ寺院に残されたインド暦の終わりとも一致しているそうです。
そこで、今回は中米グアテマラ北部ペテン地方のジャングルに埋もれたマヤ文明最大の都市遺跡として有名なティカル遺跡をご紹介します。
ティカル遺跡は1979年に世界遺産の複合遺産として登録され、高くそびえる神殿群の文化遺産のみならず、取り囲む自然の生態系も自然遺産であり、マヤの偉大さや神秘性をいやがおうにも感じさせる環境にあります。
マヤの都市を従える大祭祀センター
ティカルはペテン一帯のマヤの都市を従える大祭祀センターとして栄え、500年頃にはメキシコのテオティワカンの影響を受けました。
ティカル中心部は増改築が繰り返され、アクロポリスやピラミッド神殿群など、高い石造技術を誇る建造物に加え、周囲にはマヤ文字やレリーフが刻まれた石碑や祭壇も配されています。中央のアクロポリスでは4つの神殿が確認されており、1号神殿では、ア・カカウ王の墓や埋葬品が発見されています。ティカルはメキシコのテオティワカンが衰退した8世紀に最も輝かしい時期を迎え、「失われた世界」のピラミッドや有名な「大ジャガーの神殿」をはじめとする神殿群はすべてこの時期に造られました。
最盛期にはグラン・プラサと呼ばれる広場を中心としたピラミッド群の周囲に約6万人もの人々が、焼畑農業でトウモロコシを生産して生活していました。
川が近くにないため、ティカルの人々にとっては雨期に降った雨水を確保することが重要でした。
しかし、ティカルの大地は石灰岩で出来ており、雨水はすぐに浸み込むので、人々は建造物や大地に至るまで町全てを漆喰で塗り固めていました。
水を通さない漆喰で覆われた貯水池に水を蓄え、徹底した水の確保により、大河なき密林にありながら、都市は維持されました。
ティカル伝説とマヤ文明消滅の謎
しかし、漆喰を作るためには石灰岩を燃やす必要があり、その燃料を確保するために、周囲の密林からどんどん木々を伐採していきました。
やがてティカルの森は消え、そのため、土壌が流れ出して作物が育たなくなり、10世紀はじめの大干ばつが原因でこのティカルは滅び、マヤ文明も消滅したと言われています。
このマヤのティカル伝説から、我々人類は自然の恵みで生きていることを自覚し、森林破壊は文明を滅ぼすという教訓を再認識する必要があります。
20年に一度の式年遷宮が行われる伊勢の神宮も125社の自然を司る神々の集合体と言われますが、2020年に人類が滅ばないためにも我々は自然の神々を敬い、地球環境を大切にしたいものです。
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私は平成芭蕉、自分の足で自分の五感を使って世界遺産を旅しています
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