サイトアイコン 【黒田尚嗣】平成芭蕉の旅物語

平成芭蕉の世界遺産 ベトナム~絶景の「ハ・ロン湾」と「チャンアン」

闘鶏岩

ハノイから日帰りで行ける風光明媚な2つの世界遺産

平成芭蕉の「世界遺産への旅」

近年アジアで最も注目されている国のひとつはベトナムかと思います。

ベトナムは1000年以上にわたって中国の支配を受けてきましたが、今日のベトナムの方向を決定づけたのは、フランスの統治です。

そのため、料理も高級レストランでのフランス料理から屋台で食べるフォー(ベトナム風麺料理)まで、バラエティに富んでいます。

しかし、この国の魅力は喧噪と静寂といった相反するものが混然となった独特の雰囲気にあります。そこで、今回は喧噪のハノイから日帰り圏内で静寂の「ハ・ロン湾」「チャンアン」という2か所の世界遺産をご紹介します。

ハ・ロン湾とチャンアンのいずれか1か所を選ぶとすれば、大型客船に乗って自然風景を眺めたいならばハ・ロン湾、手漕ぎボートでゆっくりと散策したいならチャンアンと考えるといいでしょう。

チャンアンの風景

「陸のハロン湾」と呼ばれる世界複合遺産チャンアン

チャンアンは「陸のハ・ロン湾」とも呼ばれ、ハロン湾同様に石灰岩が作り出す特徴的な景観と、仙人が住んでいそうな古いお寺が複合遺産として認められ、その景観関連遺産は大きく分けて「古都ホアルー」「タムコック=ビックドン景勝地」「チャンアン景勝地」の3つのエリアに分けられます。

古都ホアルーは中国から独立したベトナム最初の王朝の都で、せり立つ数々の岩山を自然の要塞とし、豊かな自然に囲まれています。

唐の都の長安にならって設計されており、中国を彷彿させる雰囲気が漂っており、特に初代皇帝ディン・ティエンホアン廟は歴史を感じます。

ベトナム初代王朝の都ホアルー

タムコックは「3つの洞窟」を意味するベトナム語で、ボートツアーでは、その名の通り、3箇所の洞窟をくぐり抜けます。

気の遠くなるほどの昔にできあがったチャンアンの景観はは、息を呑むほど美しく「ハロン湾以上の風景」かと思います。

「海の桂林」と呼ばれる世界自然遺産ハ・ロン湾

一方、世界自然遺産のハ・ロン湾は、翡翠色の水と見事な奇岩が並ぶベトナム随一の景勝地で、水墨画で有名な中国の山水第一の「桂林」に対して「海の桂林」と呼ばれています。

ハ(降りる)ロン(龍)、つまり「龍が降り立つ」という勇ましい名称は、中国が侵攻してきた時、天空から舞い降りた龍の親子が現れて敵を追い払い、口から吐き出した宝石が湾内の奇岩となってずっと湾を守っているという、龍の伝説が由来です。

地質学的には中国の桂林と同じ石灰岩台地の一部で、この石灰岩台地が沈降し、風化浸食作用が進んで今日のような風光明媚な景勝地となったのです。奇形な形をした1,600もの島が点在しており、それらはほとんどが無人島で、フランソワリーフモンキーやファイールルトンなどの数少ない繁殖地となっています。

20万ドン札のディンフォン島

海面から突き出す奇岩群は、龍の伝説さながら湾を守る防壁の様相で、水墨画から抜き出したような穏やかな風景から、青空に岩がそそり立つダイナミックな景観まで、多彩な表情を見せています。

私は、特にベトナムの20万ドン札に描かれている奇岩ディンフォン島「闘鶏岩」と呼ばれる2羽の鶏が愛をささやきあうように見える奇岩が印象に残っています。

しかし、ハ・ロン湾の楽しみは奇岩だけではありません。ティエン・クン鍾乳洞などの洞窟探検や海に浮かぶ漁村で水上生活をする地元の人々との触れ合いも魅力です。

入り江の周囲は切り立った岩になっているため、悪天候でも岩陰に隠れて生活をすることが可能なのですが、水上で生活していても、税金を払っている点は感心します。このハ・ロン湾クルーズは日帰りもありますが、私は船で一泊することをお勧めします。

ジャンク船と呼ばれる昔の木製大型船から、月に照らされる神秘的なハ・ロン湾を眺める静寂のひとときは格別ですが、近年、石炭採掘による水質悪化や観光客の増加による環境破壊も問題となってきました。

ハロン湾の静寂

祝!日本の縄文文化「北海道と北東北の縄文遺跡群」が世界文化遺産登録

「北海道と北東北の縄文遺跡群」が世界文化遺産に登録されたことを記念して、私はみちのくを旅した芭蕉の研究本『松尾芭蕉の旅に学ぶ』と共に『縄文人からのメッセージ』というタイトルで縄文文化を語り、平成芭蕉の『令和の旅指南』シリーズ(Kindle電子本)として出版しました。人生100歳時代を楽しく旅するために縄文人の精神世界に触れていただければ幸いです。

また、日本人の心に灯をつける『日本遺産の教科書』、長生きして人生を楽しむための指南書『人生は旅行が9割』、感情の老化を防ぐ私の旅日記である『生まれ変わりの一人旅』とともにご一読下さい。

★平成芭蕉ブックス
 ①『人生は旅行が9割 令和の旅指南Ⅰ』: 長生きして人生を楽しむために 旅行の質が人生を決める
 『縄文人からのメッセージ 令和の旅指南Ⅱ』: 縄文人の精神世界に触れる 日本遺産と世界遺産の旅
 『松尾芭蕉の旅に学ぶ 令和の旅指南Ⅲ』:芭蕉に学ぶテーマ旅 「奥の深い細道」の旅
 ④『生まれ変わりの一人旅 令和の旅指南Ⅳ』: 感動を味わう一人旅のススメ
 ⑤『日本遺産の教科書 令和の旅指南』: 日本人の心に灯をつける 日本遺産ストーリーの旅

平成芭蕉「令和の旅指南」シリーズ

参考記事:世界遺産の旅における「へー、そうだったの」

★関連記事:平成芭蕉の旅のアドバイス「旅して幸せになる~令和の旅」

私は平成芭蕉、自分の足で自分の五感を使って世界遺産を旅しています

平成芭蕉の世界遺産

「平成芭蕉の世界遺産」はその世界遺産についての単なる解説ではなく、私が実際に現地に赴いてその土地に生きる人たちと交流した際に感じた感動の記録です。

「令和の旅」へ挑む平成芭蕉

*「平成芭蕉の旅物語」サイトマップ参照

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