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平成芭蕉の旅語録〜八ッ場ダムと注目の砂防ダム「片蓋川第二砂防堰堤」

試験貯水される八ッ場ダム

試験貯水される八ッ場ダム

おすすめのインフラツーリズムは八ッ場ダムと片蓋川第二砂防堰堤

10月1日、群馬県長野原町の八ツ場(やんば)ダムで試験貯水が始まったと聞き、吾妻川流域の下見調査を兼ねて見学してきました。

午前9時にダム本体中央下のゲートが閉じられて吾妻川をせき止め、潜水士が潜ってゲートの密閉具合を確認したそうです。

3~4か月かけて、満水位の標高583mまで水を貯め、ダム本体の強度、基礎地盤や斜面の安全性などを確認し、異常がなければ来春以降にダムとして使用される見込みです。

天候にもよりますが、約1か月で今残っている付近の橋や道路などは水底に沈むそうです。

完成間近い八ッ場ダム

民主党政権の時には、この八ッ場ダム建設計画は中断されましたが、建設目的とか必要性の前に、ダムを造ることに対して地元民から反対意見が出るのは仕方のないことで、誰も無条件に賛成した人はいないと思います。

ただ水不足や洪水に対する対策が必要となった時に、いろいろな角度から検討した結果、この地点にダムを造ることがベストな選択だった、ということでしょう。

今日、八ッ場ダムでは「日本一のインフラツーリズム」を合言葉に地元住民が観光の活性化に取組み、地域観光のガイド役として「やんばコンシェルジュ」を育成、難しいダムツーリズムをわかりやすく案内する仕組みを整えています。

この八ッ場ダムツアーの目玉は、期間限定のホタル観賞や紅葉狩りなどの四季折々の特別なツアーです。

八ッ場ダム展望台

また、ダム愛好家の八ッ場ダムファン倶楽部会員限定の見学会や土木技術者向け、訪日外国人向けなどの目的別に楽しめる多くのプランも用意されています。

ここに住んでいた人、この場所が好きだった人にとってはいろいろな想いがあると思います。

しかし、試験貯水が始まった今は、ここにダムが造られること、なぜ造られるのかということを後世に伝え、完成した暁にはひとりでも多くの人が訪れたくなるように魅力や見どころ、そして実際の八ッ場ダムの活躍を伝えることが大切だと感じました。

防災上、注目すべきは浅間山山麓の片蓋川第二砂防堰堤

一方、八ッ場ダムのような多目的ダムは注目が集まりますが、防災上大切な治山ダムや砂防堰堤については一般には知られていません。

建設中の片蓋川第二砂防堰堤

今回、国土交通省関東地方整備局利根川水系砂防事務所の計らいで特別に浅間山山麓の片蓋川(かたふたがわ)第二砂防堰堤の工事現場を見学させていただきました。

これは嬬恋村鎌原(かんばら)の片蓋川で勧められている浅間山直轄砂防事業の一環で、掘削した発生土は工事材料の砂防ソイルセメントに有効利用されています。

砂防堰堤から眺めるダイヤモンド浅間

この堰堤からは11月初旬、浅間山山頂に沈む太陽(ダイヤモンド浅間)が観察できるため、堰堤上には見学者用に手すりが設置されています。

また、この片蓋川第二砂防堰堤の近くには、溶岩の芸術と呼ばれる「鬼押出し園」がありますが、この溶岩は天明3(1783)年8月5日に起きた浅間山噴火(天明の大噴火)の際、最後に流出した溶岩流が固まったものです。

昨年、草津白根火山の噴火がニュースになりましたが、鎌原観音堂近くにある嬬恋郷土資料館には、当時の浅間山噴火に起因する「土石なだれ」によって埋没した鎌原村からの発掘品や噴火当時の絵図が展示されています。

鎌原の嬬恋郷土資料館

砂防堰堤は、このような「土石なだれ」火砕流を食い止めるべくして建設される大切な防災施設ですが、八ッ場ダムのような建造物は話題になってもこのような砂防堰堤は知る人ぞ知る存在です。

しかし、異常気象で多くの災害が起きている今日では、治水ダムだけでなく、土砂災害や火山噴火による火砕流から私たちの生活を守る砂防ダムにも注目すべきではないでしょうか。

片蓋川第二砂防堰堤工事現場

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私は平成芭蕉、自分の足で自分の五感を使って日本遺産を旅しています。

平成芭蕉の旅語録

平成芭蕉は「検索すればわかる情報」より「五感を揺さぶる情報」を提供します。旅とは日常から離れ、いつもと違う風、光、臭いなど五感を通じて自分を見つめ直す機会です。そしていつもと違う人に会い、いつもと違う食事をとることで、考え方や感じ方が変わります。すなわち、いい旅をすると人も変わり、生き方も変わり、人生も変わるのです。

「令和の旅」へ挑む平成芭蕉

*「平成芭蕉の旅物語」サイトマップ参照

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