サイトアイコン 【黒田尚嗣】平成芭蕉の旅物語

平成芭蕉の旅語録~飛騨に伝わる口碑と位山の「天の岩戸」伝説

改元の機会に訪ねるべき「飛騨一宮水無神社奥宮と位山」

日本列島の頂上にあたる飛騨の淡山と福地温泉

地質学上、アジア大陸から分離した日本列島が、5億年前頃に隆起して初めて海上に頭を出したところが飛騨大陸で、実際、飛騨のシンボルである乗鞍岳麓の福地温泉からは、日本最古(4億8千年前)の生物化石が発見されて天然記念物に指定されています。

すなわち、日本列島の頂上は飛騨の淡山(あわやま)で、今日の乗鞍岳が比肩されていますが、そこにある池を丹生池と呼び、飛騨の伝承「飛騨の口碑」によれば、この地が日本人のルーツとされているのです。

私たちの遥かに遠いご先祖様(飛騨王朝の人々)は淡山を拝み、麓にある生命の源の丹生池を囲んで、池の水に映る太陽・月の輝くところを見つめて心を鎮めたとされ、この習慣を「日抱の御魂鎮(ひだきのみたましずめ)」と呼んでいました。

「飛騨の口碑」と位山伝説

私は今回、その日本最古の生物化石で有名な福地温泉に宿泊し、丹生池を起源とする丹生川沿いの日抱宮を経由して位山を目指しました。

なぜなら、「飛騨の口碑」によると、この飛騨王朝第15代淡上方(あわのうわかた)様が、飛騨の地がしだいに寒冷化してきたため、都を淡山の麓から雪の少ない宮村(現高山市一之宮町付近)に移し、その近くにそびえる位山を祭祀場として、位山の山頂から淡山を遥拝したと言われているからです。

そして偉大なる神通力者であった淡上方様は、宮村で崩御された後、位山の大岩の横に埋葬され、以後、皇統一族は亡くなると位山の巨岩のそばに埋葬されるようになったと言われています。

そのため、皇統命(スメラミコト)が新たに即位するときには、歴代の先祖が眠るこの位山のイチイの木の板(位板)が辞令として謹製されるようになったと飛騨の一宮である水無(みなし)神社にも伝わっています。

位山の「天の岩戸」と笏木が謹製されるイチイの木

そこで私はまず、位山をご神体とする水無神社に参拝し、位山分水嶺公園からダナ平林道を経て位山の「巨石群登山道」入り口まで車で行き、そこから「思惟の山道」を歩いて飛騨王朝の先祖が眠るという巨石巡りをしてきました。

入り口には「飛騨一宮水無神社奥宮」と書かれており、明らかに聖域の雰囲気で、禊岩、御門岩、日抱岩、朧岩など巨石にパワーを感じながら、飛騨王朝の祭祀遺跡「天の岩戸」を訪ねました。

この「天の岩戸」の下に歴代の皇統命(スメラミコト)が葬られたと伝わるがゆえに、山本健造氏もこの岩こそ「皇祖岩(スメラオヤイワ)」であると指摘しています。

実際、私はこの地を訪ねると神々しさを感じると同時に日本の中心に立ったような不思議なときめきを覚えました。
また、これらの岩は明らかに神様の磐座で、位山のイチイの木も神籬のように思えてきます。

来年の新しい天皇即位に登場する笏木がこの地から献上されるイチイの木の板(位板)であると思えば感無量です。

飛騨は温泉も素晴らしいですが、この古代飛騨王朝の歴史ロマンは私に言葉では表せない「ときめき」を与えてくれます。

そしてこの体験こそが、私が提唱する「旅行+知恵=人生のときめき」です。

今年は令和元年という記念すべき年ですが、この機会に是非、飛騨を訪れてはいかがでしょうか。

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私は平成芭蕉、自分の足で自分の五感を使って日本遺産を旅しています。

平成芭蕉の旅語録

平成芭蕉は「検索すればわかる情報」より「五感を揺さぶる情報」を提供します。旅とは日常から離れ、いつもと違う風、光、臭いなど五感を通じて自分を見つめ直す機会です。そしていつもと違う人に会い、いつもと違う食事をとることで、考え方や感じ方が変わります。すなわち、いい旅をすると人も変わり、生き方も変わり、人生も変わるのです。

「令和の旅」へ挑む平成芭蕉

*「平成芭蕉の旅物語」サイトマップ参照

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