改元の機会に訪ねるべき「飛騨一宮水無神社奥宮と位山」
日本列島の頂上にあたる飛騨の淡山と福地温泉
すなわち、日本列島の頂上は飛騨の淡山(あわやま)で、今日の乗鞍岳が比肩されていますが、そこにある池を丹生池と呼び、飛騨の伝承「飛騨の口碑」によれば、この地が日本人のルーツとされているのです。
私たちの遥かに遠いご先祖様(飛騨王朝の人々)は淡山を拝み、麓にある生命の源の丹生池を囲んで、池の水に映る太陽・月の輝くところを見つめて心を鎮めたとされ、この習慣を「日抱の御魂鎮(ひだきのみたましずめ)」と呼んでいました。
「飛騨の口碑」と位山伝説
なぜなら、「飛騨の口碑」によると、この飛騨王朝第15代淡上方(あわのうわかた)様が、飛騨の地がしだいに寒冷化してきたため、都を淡山の麓から雪の少ない宮村(現高山市一之宮町付近)に移し、その近くにそびえる位山を祭祀場として、位山の山頂から淡山を遥拝したと言われているからです。
そして偉大なる神通力者であった淡上方様は、宮村で崩御された後、位山の大岩の横に埋葬され、以後、皇統一族は亡くなると位山の巨岩のそばに埋葬されるようになったと言われています。
そのため、皇統命(スメラミコト)が新たに即位するときには、歴代の先祖が眠るこの位山のイチイの木の板(位板)が辞令として謹製されるようになったと飛騨の一宮である水無(みなし)神社にも伝わっています。
位山の「天の岩戸」と笏木が謹製されるイチイの木
入り口には「飛騨一宮水無神社奥宮」と書かれており、明らかに聖域の雰囲気で、禊岩、御門岩、日抱岩、朧岩など巨石にパワーを感じながら、飛騨王朝の祭祀遺跡「天の岩戸」を訪ねました。
この「天の岩戸」の下に歴代の皇統命(スメラミコト)が葬られたと伝わるがゆえに、山本健造氏もこの岩こそ「皇祖岩(スメラオヤイワ)」であると指摘しています。
実際、私はこの地を訪ねると神々しさを感じると同時に日本の中心に立ったような不思議なときめきを覚えました。
来年の新しい天皇即位に登場する笏木がこの地から献上されるイチイの木の板(位板)であると思えば感無量です。
飛騨は温泉も素晴らしいですが、この古代飛騨王朝の歴史ロマンは私に言葉では表せない「ときめき」を与えてくれます。
そしてこの体験こそが、私が提唱する「旅行+知恵=人生のときめき」です。
今年は令和元年という記念すべき年ですが、この機会に是非、飛騨を訪れてはいかがでしょうか。
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