江戸料理・文化研究家、車浮代さんの『江戸料理』を語る会
「浅草すし若」で江戸料理について学び、元禄の酒と江戸料理堪能
今日は江戸料理・文化研究家、車浮代さんの『江戸料理』を語る会に招かれ、「浅草すし若」で江戸料理を食べてきました。
そもそも江戸料理とは何かと言えば、濃口醤油を使った四つ足肉を除く「おふくろの味」のことだそうです。
私は関西人なので、かつては薄口醤油と濃口醤油を使い分けていましたが、関東に来てからは薄口醤油はあまり使わなくなりました。
素材の色や味を引き立てる薄口醤油に対して、濃口醤油は関東の鰹だしの濃厚さと合っているのでしょう。
今日の献立は食前酒に「江戸元禄の酒」、
先付・椀替・焼物・温物・食事は
江戸時代に書かれたレシピにあるヘルシーな料理である
・白身魚の昆布締め(煎り酒)
・浅利と分葱のぬた和え
・うつし豆腐
・竹の子つけ焼き 木賊独活(とくさうど)空豆塩ゆで
・風呂吹き大根 柚子味噌かけ 車海老
・江戸前寿司 穴子(大江戸にぎり)、
しらうおおぼろのせ、小肌、煮はまぐり
そして止椀は根深汁でした。
「割烹」料理と日本料理の「切る」調理法
車浮代先生の興味深い話の中でも印象に残ったのは「割烹」の話です。
私は単純に肉を「割(さ)き、烹(に)る」の日本料理調理法かと思っていましたが、もっと深い意味があったのです。
「割烹」とは「割主烹従(かっしゅぼうじゅう)」、すなわち、まずは素材を切って(割)、それから煮る(烹)という日本の伝統的な調理作法から来ているのです。
よって、江戸時代の料理絵図をみると、素材を切る人が一番中心に描かれており、次に煮方、焼き方が描かれています。
「日本刀」を語るにも「切れ味」という料理に関連した言葉を使いますが、確かに包丁も切れ味が悪いと、刺身も美味しく調理できないでしょう。
日本刀の刀匠、藤安将平氏もおっしゃっておられましたが、この「切る」道具に芸術性を持たせているのが日本文化の奥ゆかしいいところです。
日本料理と西洋料理の違い
江戸料理のような純粋な日本料理では
・切ったものを箸を使っていただく
・建築的な盛り付け(斜めから見て楽しむ)
・器が多彩
それに対して、西洋料理では
・フォークとナイフを使って自分で切って食べる
・絵画的な盛り付け(上から見る)
・器が単純な白(装飾物は貴族のみ)
が特徴です。
今日の車先生の話を聞いて「包丁」が料理人の命であることが再認識できました。
また、醤油で代表される日本の調味料は、素材の味を引き出すのに対し、西洋のソースで代表される調味料は素材にない味を付加する役割しかないことも学びました。
凝った器で江戸料理を食べると本当に日本人に生まれてきて良かったと実感した食事会でした。
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