雲仙・島原のキリシタンの歴史と宗教を越えた人のぬくもり
原城跡に秘められたキリシタンの真実
日本のキリスト教史の謎に迫るために原城から雲仙・島原を巡ってきました。
原城は16歳の天草四郎を総大将とする1637年の島原の乱(天草・島原一揆)において、天草・島原の住民が幕府軍と籠城戦を戦った城跡です。
この一揆は島原藩主の松倉重政・勝家父子による過酷な年貢取り立てとキリシタン弾圧が原因とされています。
キリスト教徒が弾圧に耐えかねて反乱を起こしたように語られていますが、実際は見栄っ張りの藩主による苛政と飢饉により、住民が生きるために正当なる抗議をしたのが真実かと思われます。
私は地元市議会議員の先生にご同行いただき、有馬キリシタン遺産記念館の学芸員の方からも詳しい説明を受け、歴史の真実に触れたような気がしました。
やはり、地元に伝わる伝承は活字になった歴史より興味深く感じます。
特に一揆の後、地元の願心寺の住職や村人が敵味方なく遺骨を集めて「ほねかみ地蔵」を建立した話は、日本の宗教を越えた「祀らう」という精神からだと思います。
ちなみに「ほねかみ」とは、「骨をかみしめる」から転じて「人々を助ける」という意味です。
雲仙温泉の由来と島原の文旦堂「ざぼんカステラ」
宿泊は雲仙温泉の湯元ホテルにお世話になりましたが、このホテルは近代日本を代表する俳人の高浜虚子や歌人の吉井勇ゆかりの老舗旅館で、かつては雲仙で客死した英国人の墓守をされていた加藤元昭さんが経営されていた由緒あるホテルです。
雲仙は遠藤周作の映画『沈黙』にも登場するキリシタン殉教の雲仙地獄でも有名です。
そもそも雲仙とは温泉(うんせん)から命名された地名で、1934年に雲仙国立公園として瀬戸内海国立公園、霧島国立公園と並んで日本で最初の国立公園に指定された名泉です。
しかし、夕食はホテルではなく、島原の「長崎かすてら」で有名な窯元文旦堂の佐々木会長および社長夫妻とご一緒させていただきました。
遅い時間であったため、島原の乱で籠城した際の郷土料理「具雑煮」の店は閉店していましたが、地元の名産をご馳走になりました。
私はここの文旦堂の「ざぼんカステラ」が大好きで、是非ともこの美味しいカステラを造っている「人」にお会いしたかったのです。
「芭蕉さんの旅行術」は出会いの無形資産構築
私は常々感じることですが、旅先で出会いがあることほど恵まれた旅はありません。
自分自身の中にお金には替えられない資産が築かれていく感じがするのです。
そもそも資産には不動産などの有形資産と形のない無形資産がありますが、私はこの無形資産をさらに
①技術・知恵の習得や人脈などの金銭的な所得を生み出す「生産的資産」
②家族や友人との仲間意識、健康や幸福感などの元気の源となる「活力資産」
③勇気や柔軟性、自己分析力などの変化に対応するたもの「変身資産」
の3つに分類しています。
そして、「旅」は私にこの3つの無形資産をバランスよく与えてくれるのです。
この出会いによる無形資産構築こそが私のブログ「芭蕉さんの旅講座」でも提案させていただいている「芭蕉さんの旅行術」なのです。
日本の縄文文化「北海道と北東北の縄文遺跡群」が世界文化遺産!
「北海道と北東北の縄文遺跡群」が世界文化遺産に登録されることを記念して、私はこのたび『縄文人からのメッセージ』というタイトルで令和の旅を語り、Amazonの電子本として出版しました。人生100歳時代を楽しく旅するために縄文人の精神世界に触れていただければ幸いです。日本人の心に灯をつける『日本遺産の教科書』、長生きして人生を楽しむための指南書『人生は旅行が9割』とともにご一読下さい。
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★関連記事:平成芭蕉の旅のアドバイス「旅して幸せになる~令和の旅」
私は平成芭蕉、自分の足で自分の五感を使って日本遺産を旅しています。
平成芭蕉は「検索すればわかる情報」より「五感を揺さぶる情報」を提供します。旅とは日常から離れ、いつもと違う風、光、臭いなど五感を通じて自分を見つめ直す機会です。そしていつもと違う人に会い、いつもと違う食事をとることで、考え方や感じ方が変わります。すなわち、いい旅をすると人も変わり、生き方も変わり、人生も変わるのです。