令和の「平成芭蕉」

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平成芭蕉の世界遺産

平成芭蕉の世界遺産~平戸のキリスト教関連世界遺産「春日集落」と棚田

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日本の原風景「棚田」のある潜伏キリシタン関連遺産「春日集落」

平成芭蕉の「世界遺産への旅」

平成芭蕉の「世界遺産への旅」

平戸を護る霊山の安満岳麓に位置する春日集落は表向きは神仏信仰を掲げながらキリシタン信仰をひそかにまもりぬいた棚田のある村落です。

キリスト教が解禁されてからもカトリックに復帰する村民がいなかったため、教会堂はありませんが、夕暮れ時の安満岳断崖に西日があたる棚田の風景は絶景です。

美しい平戸のキリスト教関連世界遺産「春日集落」の棚田

日本独自の宗教文化「かくれキリシタン」と「潜伏キリシタン」

春日集落の案内所「かたりな」

来年はいよいよ10年に1度のオーバーアマガウ「キリスト受難劇」鑑賞の旅に出かける年です。

そこで改元の今年は神武東征だけでなく、日本のキリスト教史も復習すべく、再び九州を訪れました。

日本にキリスト教を伝えたフランシスコ・ザビエルは最初、鹿児島に上陸しましたが、実際に布教を始めた場所は長崎県の平戸です。

平戸ザビエル記念教会

平戸ザビエル記念教会

当時、平戸を治めていた松浦氏は交易の上でもメリットがあると考え、家臣にキリスト教改宗を許したことから、平戸は日本における最初のキリスト教繁栄の地となったのです。

そして平戸市では1550年にキリスト教が伝えられてから、「伝来と繁栄」「禁教と密かな継承」「解禁と復帰」という歴史をたどる過程で「かくれキリシタン」という日本独自の宗教文化が生まれました。

しかし、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が世界遺産登録されてからは、「かくれキリシタン」「潜伏キリシタン」は区別されるようになりました。

平戸城と港

平戸城と港

禁教時代にキリスト教信仰を密に続けた人々を「潜伏キリシタン」、禁教が解かれた後もカトリックに改宗することなく、従来の信仰を継続する人々を「かくれキリシタン」と呼ぶようになったのです。

私は、現在、堂々と旧来の信仰を守っている人々を「かくれ」と呼ぶのは失礼ではないと思っています。

彼らは「かくれキリシタン」と呼ぶよりも「和風キリシタン」と呼んで、この信仰形態を後世に伝えていくべきだと考えます。

世界文化遺産登録された棚田で有名な「春日集落と安満岳」

春日の棚田と「丸尾さま」

実際、今回訪れた世界遺産の「春日集落と安満岳」には教会らしきものはなく、禁教時代も日本古来の精霊を信仰の対象としていました。

美しいい棚田と夕陽で知られる春日集落は、平戸の人々の信仰を集める安満岳を望み、清らかな水にに恵まれ、平戸地区でも最も早い時期に田植が行われる美味しいいお米の里です。

私は、地元の人に案内されて春日の人たちが「丸尾さま」と呼んでいる小さな丘の祠を尋ねました。

この丘は古いキリシタンの墓も埋まっているとされる聖地ですが、この丘から眺める棚田は多くの花びらが散らばるような美しい風景で、記憶に残る映画のワンシーンのようでした。

また、南方の山上には今にも倒れそうな「人の立ち姿」の巨岩が見えますが、この地が「潜伏キリシタン」の里であったとは信じがたい日本の原風景です。

当時の春日集落の中心であった春日バス停近くの「三界万霊碑」は、キリスト教が禁止されていた江戸時代、宗門改めの際に「私たちはこの世のあらゆる精霊を祀って供養しています」という証として建てられたそうです。

当時の潜伏キリシタンの人たちにとっては、この「あらゆる精霊」の中にキリスト教の精霊が含まれていたと考えれば、やはり「かくれキリシタン」と呼ぶよりも誇り高き「和風キリシタン」と名乗るべきかと思うのです。

また、私は山の精霊だけでなく、航海の神様にもご挨拶するべく、海辺の春日神社にも参拝して「ちから石」を持ち上げてみましたが、「丸尾さま」のおかげかとても軽く感じました。

美しい春日集落の棚田風景

祝!日本の縄文文化「北海道と北東北の縄文遺跡群」が世界文化遺産登録

「北海道と北東北の縄文遺跡群」が世界文化遺産に登録されたことを記念して、私はみちのくを旅した芭蕉の研究本『松尾芭蕉の旅に学ぶ』と共に『縄文人からのメッセージ』というタイトルで縄文文化を語り、平成芭蕉の『令和の旅指南』シリーズ(Kindle電子本)として出版しました。人生100歳時代を楽しく旅するために縄文人の精神世界に触れていただければ幸いです。

また、日本人の心に灯をつける『日本遺産の教科書』、長生きして人生を楽しむための指南書『人生は旅行が9割』、感情の老化を防ぐ私の旅日記である『生まれ変わりの一人旅』とともにご一読下さい。

★平成芭蕉ブックス
 ①『人生は旅行が9割 令和の旅指南Ⅰ』: 長生きして人生を楽しむために 旅行の質が人生を決める
 『縄文人からのメッセージ 令和の旅指南Ⅱ』: 縄文人の精神世界に触れる 日本遺産と世界遺産の旅
 『松尾芭蕉の旅に学ぶ 令和の旅指南Ⅲ』:芭蕉に学ぶテーマ旅 「奥の深い細道」の旅
 ④『生まれ変わりの一人旅 令和の旅指南Ⅳ』: 感動を味わう一人旅のススメ
 ⑤『日本遺産の教科書 令和の旅指南』: 日本人の心に灯をつける 日本遺産ストーリーの旅

平成芭蕉「令和の旅指南」シリーズ

参考記事:世界遺産の旅における「へー、そうだったの」

★関連記事:平成芭蕉の旅のアドバイス「旅して幸せになる~令和の旅」

私は平成芭蕉、自分の足で自分の五感を使って世界遺産を旅しています

平成芭蕉の世界遺産

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世界遺産とは地球の成り立ちと人類の歴史によって生み出された全人類が共有すべき宝物で、その内容によって①文化遺産②自然遺産③複合遺産に分類されます。この「平成芭蕉の世界遺産」はその世界遺産についての単なる解説ではなく、私が実際に現地に赴いてその土地に生きる人たちと交流した際に感じた感動の記録です。

「令和の旅」へ挑む平成芭蕉

*「平成芭蕉の旅物語」サイトマップ参照

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