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平成芭蕉のテーマ旅行〜「音」の旅:バリ島のガムランと真備竹林音楽祭

「音」をテーマとした旅のおすすめはバリ島のガムラン鑑賞

旅先で耳にする「音」はじつにさまざまで、人々の集まる市場の雑踏、浜辺に打ち寄せる波の音、生活の香りが漂う路地の音、森の中の木々のそよぎなど、ちょっと注意して耳をすませば、新しい音の世界を発見することができます。

旅の途上で刻まれたこうした「音」は、私たちにその土地の印象を楽しい思い出として記憶させてくれます。

しかし、「音」をテーマとした旅となれば、やはり共同体の祭りでしょう。

祭りは音と音楽のオンパレードで、土地の人々の精神的エネルギーが、音を通じて旅人である私たちにもストレートに伝わってきます。

それらは概して、何度も聴きたくなり、しかも何度聴いても飽きることなく快感を得ることができます。

バリ島のガムラン音楽

私の経験から言えば、そうした強力に快感を導く音楽の代表は、インドネシア・バリ島ガムランです。そこで私はこの「音」をテーマとした旅先としては、バリ島をおすすめしたいと思います。

なぜなら、バリ島では村ごとに2つのヒンドゥー暦に従って頻繁に祭りが行われており、また、祭りには村を出て「道行き」で打楽器を打ち鳴らすウォーキング・ガムランを伴っているので、祭りの音楽に遭遇する確率が高いのです。

このバリ島のガムラン音楽の魅力は、複雑な16ビートのリズムと独特の響きにあり、甘美な繊細さと共に重厚で野生的なパワーもあって、私は一瞬にして魂が奪われるほどの感動を味わいました。

ガムランは、インドネシア一帯に伝わる打楽器アンサンブルの総称で、さまざまな種類がありますが、特にバリ島のガムラン・ゴン・クビャールという形式は、大規模で複雑な楽器構成と独特な演奏技法をもち、高度な旋律と和音を実現する打楽器として世界に類をみないものです。

このガムラン・ゴン・クビャールでは、鍵盤楽器は基本的に同じものが2台1組になっていますが、それらはわざと微妙にチューニングがずらされており、このわずかな差によって唸りが生じるのです。

そして、この唸りが快適なサウンドとなり、豊かな空間的ひろがりをもたらしてくれます。

私はこうした仕組みをもつ音楽を自らの感性と叡智によって築き上げてきたバリ島の人々に脱帽します。

日本でのおすすめは岡山県倉敷市の「竹林音楽祭inまび」

一方、日本において記憶に残る音は、「竹林音楽祭inまび」で聞いた竹を材料とした楽器の音色です。

竹は音を反響させ、耳の鼓膜を心地よく刺激するので、かえってあたりの竹林の「静けさ」がきわだち、快感を覚えるのです。

この音楽祭は岡山県の日本遺産「桃太郎の生まれたまち」の構成文化財でもある、倉敷市真備町の箭田(やた)大塚古墳わきの竹林で行われ、音楽と共に美しい竹林鑑賞を目的としたライトアップ、竹キャンドルそして竹のオブジェによる演出が行われます。

美しい竹林から溢れる竹のパワーと音楽をコラボレートさせた「竹のまち真備」の町おこしイベントで、2019年も10月13日(日)17時から開催されました。

しっかり手入れされた美しい竹林が広がる箭田の竹林での「音の旅」は、ゆるやかに時間が流れるリラクゼーションのひとときです。

竹林音楽祭inまび

人間が音楽を感受する時は、聴覚だけが働くのではなく、視覚や嗅覚、触覚などのすべての感覚も一緒に働きます。

つまり、私たちの脳の快感を発生させる神経回路には、それらすべての感覚が統合されているので、それらの一つでも不快なものが入ると、快感は半減してしまいます。

しかし、この竹林音楽祭では、これら人間のすべての感覚に対する快感誘導の仕組みが取り入れられているため、通常のコンサートホールで聴く以上の心地よさを感じるのです。

そこで、音楽はやはり、自然環境の中で聴覚を含む五感で味わう「音の旅」が一番の贅沢かと思います。 

<具体的な旅先>

インドネシア・バリ島…バリ島のガムランは、高度な旋律と和音を実現する打楽器アンサンブルで、初めて聞く人も即座に惹きつけてしまう快感を導く音楽です。

倉敷市真備町箭田大塚古墳…真備地域の資源である竹林のある古墳で、音楽祭を開催し、もって竹林の美しさを発信する目的で開かれるイベント会場になっています。

*平成芭蕉のテーマ旅行「廃墟の旅」は旅行読売2019年10月号に掲載されました

旅行読売 こんな旅がしたい「音の旅」

 

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私は平成芭蕉、自分の足で自分の五感を使って令和時代を旅しています。

平成芭蕉のテーマ旅行

見るべきものは見て、聞くべき話は聞いた。では旅に飽きたかと問われれば、いえいえ、視点が変わればまた新たな旅が始まるのです。平成芭蕉はまだまだ「こんな旅があった」と目からウロコのテーマ旅行にご案内します。すなわち、「ときめき」を感じる旅から人は変わり、生き方も変わり、人生も変わるのです。

「令和の旅」へ挑む平成芭蕉

*「平成芭蕉の旅物語」サイトマップ参照

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