サイトアイコン 【黒田尚嗣】平成芭蕉の旅物語

平成芭蕉の世界遺産 タイ~スコータイの歴史上の町と釈迦遊行仏

タイの世界遺産 タイ族最初の統一王国 スコータイ王朝

平成芭蕉の「世界遺産への旅」

古代都市スコータイは豊かな水と緑に恵まれたタイ王国発祥の地であり、タイ国民の心のふるさとです。

タイは「微笑みの国」と言われていますが、仏教に寄り添う穏やかな国民性もあって、タイの仏像は顔も体もやさしさが感じられ、表情は優美で女性的です。

この癒しの仏像とそれを求めるタイの人たちと触れ合うことがこの国の魅力です。

タイの世界遺産 タイ族最初の統一国家スコータイ王朝と周辺の古都

「幸福の夜明け」を意味するスコータイ王朝の遊行仏

壬申の乱における大海人皇子の足跡を訪ね、宇治に立ち寄った際、「宇治橋の守り寺」と呼ばれる放生院(橋寺)でご本尊の「地蔵菩薩立像」を拝観する機会を得ました。

つややかな顔と所々に残る鮮やかな緑に彩色された衣が美しく、親しみ易さもあってとても感動を覚えました。しかしこの仏像をよくよく観察すれば、これは立像ではなく、前傾姿勢で右足を少し前に出した歩く姿の仏像でした。

歩く姿の仏像と言えば、やはりスコータイ美術の代表とされる遊行仏(プラ・リラー)が連想されます。そこで今回は「幸福の夜明け」を意味するタイ族による最初の統一国家スコータイの遺跡をご紹介します。

スコータイ王朝の対芸術文化

スコータイ王朝(13~15世紀)は第3代ラムカムヘン大王の時代に最盛期を迎え、クメール文字を改良してタイ独自の文字をつくり、陶芸を奨励し、南方上座部仏教を取り入れて今日のタイ芸術文化の礎を築きました。

遺跡の中心は東西1800m、南北1600mの城壁に囲まれた都城で、中には巨大なチェディ(仏塔)をもつ王室寺院ワット・マハータートなど多くの仏教寺院があり、スコータイ美術を代表する各種の仏像が残っています。

また、その東側に隣接する宮殿跡からは玉座や最古のタイ文字が記された石碑なども見つかっています。

4つの態勢(アリヤーボット)と釈迦遊行仏(プラ・リラー)

スコータイの釈迦遊行仏プラリラー

タイでは生活の基本となる4つの体勢をアリヤーボット・シーと言いますが、これは人が生まれて最初の横になる体勢、第2に座る体勢、第3に立つ体勢、そして第4の歩く体勢を指し、この4つの体勢(アリヤーボット)がタイの仏陀像に反映されているのです。

プラ・ノーン(横になった仏陀像)、プラ・ナン(座った仏陀像)、プラ・ユーン(立った仏陀像)、プラ・リラー(優雅に歩く仏陀像)という4大ポーズはスコータイ王朝時代に成立し、仏像はこの4大ポーズをベースに発展してきたのです。

しかし、数ある仏像の中でもやはり歩く姿の仏像が一番美しいとされ、スコータイ遺跡のワット・サスィー境内にある青銅製の釈迦遊行仏(プラ・リラー)こそがスコータイ文化のシンボルなのです。

私はタイで少年僧の托鉢行に出会った際、その歩く姿からプラ・リラーを連想しましたが、同時にタイの未来への躍動を感じました。

やはり美しい「歩く姿」は前進、向上、発展を示唆するのでしょう。

橋寺の「歩く地蔵菩薩像」を拝観し、改めて立ち止まることなく挑戦を続けたいと思いました。

祝!日本の縄文文化「北海道と北東北の縄文遺跡群」が世界文化遺産登録

「北海道と北東北の縄文遺跡群」が世界文化遺産に登録されたことを記念して、私はみちのくを旅した芭蕉の研究本『松尾芭蕉の旅に学ぶ』と共に『縄文人からのメッセージ』というタイトルで縄文文化を語り、平成芭蕉の『令和の旅指南』シリーズ(Kindle電子本)として出版しました。人生100歳時代を楽しく旅するために縄文人の精神世界に触れていただければ幸いです。

また、日本人の心に灯をつける『日本遺産の教科書』、長生きして人生を楽しむための指南書『人生は旅行が9割』、感情の老化を防ぐ私の旅日記である『生まれ変わりの一人旅』とともにご一読下さい。

★平成芭蕉ブックス
 ①『人生は旅行が9割 令和の旅指南Ⅰ』: 長生きして人生を楽しむために 旅行の質が人生を決める
 『縄文人からのメッセージ 令和の旅指南Ⅱ』: 縄文人の精神世界に触れる 日本遺産と世界遺産の旅
 『松尾芭蕉の旅に学ぶ 令和の旅指南Ⅲ』:芭蕉に学ぶテーマ旅 「奥の深い細道」の旅
 ④『生まれ変わりの一人旅 令和の旅指南Ⅳ』: 感動を味わう一人旅のススメ
 ⑤『日本遺産の教科書 令和の旅指南』: 日本人の心に灯をつける 日本遺産ストーリーの旅

平成芭蕉「令和の旅指南」シリーズ

参考記事:世界遺産の旅における「へー、そうだったの」

★関連記事:平成芭蕉の旅のアドバイス「旅して幸せになる~令和の旅」

私は平成芭蕉、自分の足で自分の五感を使って世界遺産を旅しています

平成芭蕉の世界遺産

世界遺産とは地球の成り立ちと人類の歴史によって生み出された全人類が共有すべき宝物で、その内容によって①文化遺産②自然遺産③複合遺産に分類されます。この「平成芭蕉の世界遺産」はその世界遺産についての単なる解説ではなく、私が実際に現地に赴いてその土地に生きる人たちと交流した際に感じた感動の記録です。

「令和の旅」へ挑む平成芭蕉

*「平成芭蕉の旅物語」サイトマップ参照

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