サイトアイコン 【黒田尚嗣】平成芭蕉の旅物語

平成芭蕉の世界遺産 日本~潜伏キリシタン映画『沈黙』の舞台 外海と五島

夕陽の美しい映画『沈黙-サイレンス』の舞台

平成芭蕉の「世界遺産への旅」

祝世界文化遺産登録「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」

外海に建つ遠藤周作「沈黙」の碑

2018年7月6日、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の世界文化遺産登録が決定しました。

私は、2012年4月から毎月、夕刊フジに「世界遺産旅行講座」を連載し、また、クラブツーリズムの旅の文化カレッジでも世界遺産や日本遺産の講座を行っています。

長崎の潜伏キリシタン関連遺産については、実際に私が現地を視察して感じたことや、現地をよく知る人から直接聞いた話を世界遺産旅行講座としてまとめ、2021年6月12日には市原市国際交流協会主催の講演会で「学びの旅で人生が変わる 世界遺産の旅」と題して潜伏キリシタン関連遺産」について語りましたので、ここにご紹介します。

市原市国際交流協会主催講演会「長崎長崎・天草地方の潜伏キリシタン関連遺産群の旅」

遠藤周作『沈黙』の舞台「外海」                                           

沈黙の舞台「外海」

この記事は世界遺産登録されて、現地の受け入れ環境がどのように変化するかについても調査すべく、2018年7月13日から長崎の外海と五島列島のキリシタン関連遺産を巡るツアーに同行して書きました。

外海は2017年、公開された遠藤周作の映画『沈黙』の舞台になったところで、この地には信仰が自由になってからも潜伏時代からの信仰を守り続ける「かくれキリシタン」がいます。

外海から長崎市内へは「サンセットロード」という夕陽の美しいドライブコースになっていますが、昔は山越えのため、隔離された場所でした。

いつも、私が現地でお世話になっている外海観光ボランティアガイドの松川隆治会長は、黒崎地区のかくれキリシタンで、外海に伝わる伝説を分かり易く解説してくれます。

200年以上におよぶ禁教時代を通じ、神父のいない状況で数千人との言われるキリシタンが信仰を守り得た力の源の一つは、

「七代あとにはコンヘソーロ(神父)が船でやってくる」

という伝道師バスチャンの予言にあったそうです。

そして、予言から約七代を数える頃、大浦天主堂で信徒発見、外海の出津にもプチジャン神父がやってきたのです。

豊かな自然と信仰が生きるキリシタンの里「五島」

福江島の堂崎天主堂

また、外海から五島に渡ったキリシタンについては、五島列島の五島家第35代五島典昭当主が、当時の大村藩との関係を踏まえて興味深い話を聞かせてくれました。

1797年に五島藩から大村藩に開拓移民の正式要請があり、第1回目の移民として外海から農民108人が五島へわたりましたが、その理由は貧しさから逃れたいという希望的な理由だけではなかったそうです。

当時、大村藩では間引きを強制しており、キリシタンたちはそのような罪を犯したくないという理由もあったと言われています。

「五島へ五島へと 皆行きたがる 五島はやさしや土地までも」

と歌われたほど、当時の外海では五島はあこがれの土地でした。

しかし、現在五島にある教会堂の多くが、かつては舟でしか行けないような不便な場所に多いことからもうかがえるように、信者たちは「五島は極楽、行ってみて地獄」と現実の厳しさを嘆いたのです。

にもかかわらず、移住者たちは希望をもって五島のやせた土地を開拓し、五島の土地を豊かにするのに貢献したのです。

福江島に建つ堂崎天主堂は江戸時代からの禁教令廃止以降、五島列島で最初に建てられた聖堂で、現在はキリシタン資料館となっており、五島における潜伏キリシタンに関する貴重な資料が展示されています。

今回登録された世界遺産情報も方々で発信されていますが、私はやはり自ら現地に赴いて、本物の資料と現地をよく知る人から直接得た情報こそが真に価値あるものだと考えます。

よって、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の記事もこのツアーの記憶が薄れないうちに書き留めた次第です。

*平成芭蕉が同行した潜伏キリシタンのテーマ旅行は下記の番組で紹介されました。

「平成芭蕉同行の旅」 旅スルおつかれ様 ハーフタイムツアーズ

前編動画(テレビ東京 2018年11月26日放映分)  

後編動画(テレビ東京2018年11月27日放映分)

祝!日本の縄文文化「北海道と北東北の縄文遺跡群」が世界文化遺産登録

「北海道と北東北の縄文遺跡群」が世界文化遺産に登録されたことを記念して、私はみちのくを旅した芭蕉の研究本『松尾芭蕉の旅に学ぶ』と共に『縄文人からのメッセージ』というタイトルで縄文文化を語り、平成芭蕉の『令和の旅指南』シリーズ(Kindle電子本)として出版しました。人生100歳時代を楽しく旅するために縄文人の精神世界に触れていただければ幸いです。

また、日本人の心に灯をつける『日本遺産の教科書』、長生きして人生を楽しむための指南書『人生は旅行が9割』、感情の老化を防ぐ私の旅日記である『生まれ変わりの一人旅』とともにご一読下さい。

★平成芭蕉ブックス
 ①『人生は旅行が9割 令和の旅指南Ⅰ』: 長生きして人生を楽しむために 旅行の質が人生を決める
 『縄文人からのメッセージ 令和の旅指南Ⅱ』: 縄文人の精神世界に触れる 日本遺産と世界遺産の旅
 『松尾芭蕉の旅に学ぶ 令和の旅指南Ⅲ』:芭蕉に学ぶテーマ旅 「奥の深い細道」の旅
 ④『生まれ変わりの一人旅 令和の旅指南Ⅳ』: 感動を味わう一人旅のススメ
 ⑤『日本遺産の教科書 令和の旅指南』: 日本人の心に灯をつける 日本遺産ストーリーの旅

平成芭蕉「令和の旅指南」シリーズ

参考記事:世界遺産の旅における「へー、そうだったの」

★関連記事:平成芭蕉の旅のアドバイス「旅して幸せになる~令和の旅」

私は平成芭蕉、自分の足で自分の五感を使って世界遺産を旅しています

平成芭蕉の世界遺産

世界遺産とは地球の成り立ちと人類の歴史によって生み出された全人類が共有すべき宝物で、その内容によって①文化遺産②自然遺産③複合遺産に分類されます。この「平成芭蕉の世界遺産」はその世界遺産についての単なる解説ではなく、私が実際に現地に赴いてその土地に生きる人たちと交流した際に感じた感動の記録です。

「令和の旅」へ挑む平成芭蕉

*「平成芭蕉の旅物語」サイトマップ参照

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