サイトアイコン 【黒田尚嗣】平成芭蕉の旅物語

平成芭蕉の世界遺産 「世界一の迷宮都市」モロッコのフェズ旧市街

 1200年の歴史をもつモロッコ文化の中心「世界一の迷宮都市」フェズ旧市街

平成芭蕉の「世界遺産への旅」

モロッコ最古のイスラム都市「フェズ旧市街」

サッカーの2022年ワールドカップ(W杯)カタール大会では、強豪のドイツやスペインに逆転勝ちした日本代表も注目されましたが、私はモロッコの快進撃にわくわくしました。アフリカのモロッコはアフリカ勢初の決勝進出への期待を集め、モロッコのサポーターたちも、かつて植民地として支配したフランスを倒すことを願いました。

しかし、連覇を狙う強豪フランスの壁は厚く、決勝進出はなりませんでしたが、私は勝ち負けを越えた何かを感じました。モロッコ代表チームはアフリカ諸国にとって象徴的な勝利と、国際的な注目や感動を私たちにもたらしてくれました。

そこでモロッコの歴史を知るために、モロッコ文化の中心で、1200年の歴史をもつモロッコ最古の街「フェズ(フェス)」を訪ねてみます。フェズの旧市街は、敵の侵入を防ぐために造られた2.2㎞×1.2㎞の高い城壁で囲まれており、複雑な街並みから「世界一の迷宮都市」として、1981年に世界遺産登録されました。

モロッコ最古の迷路都市フェズ

フェズの伝統工芸「タンネリ」

フェズは首都ラバトから東へ約200kmのところに位置する都市で、モロッコでは最古のイスラム都市であり、数世紀にもわたって宗教・文化の中心でしたが、伝統的な生活文化を伝えるものとして「タンネリ」というなめし革工場があります。

フェズのタンネリ

タンネリとはフランス語で「皮なめし」という意味で、ここでは皮をなめし、染料で皮に色付けをするという、昔ながらの手法で皮製品が作られています。フェズのタンネリはモロッコ最大規模を誇り、必見の観光スポットであり、またお土産としてもお勧めです。

ブー・ジュルード門から旧市街の「スーク」散策

旧市街の正門とされる「ブー・ジュルード門」は、幾何学模様が印象的なズッリージュと呼ばれるコバルトのタイルで装飾された馬蹄型アーチ門です。迷宮都市の入り口にふさわしい美しい門で、「いよいよこれから冒険が始まる」とわくわくさせてくれます。

ブー・ジュルード門

旧市街は迷路と呼ばれていますが、ブー・ジュルード門から中心のカラウィーイーン・モスクまで、メインストリートはタラア・ケビーラ通りと多くの土産物屋が並ぶタラア・セギーラ通りの2本だけで、この2本の通りを頭に入れておけば、フェズの旧市街は迷いながらも散策できます。

フェズの旧市街

フェズの旧市街観光のおすすめスポットは、フェズ市民の台所として知られる市場「スーク」です。入り組んだ迷路のような旧市街の中にあるため、観光客泣かせの分かりにくい場所にありますが、イスラム教徒が好んで食べる「デイツ」(ナツメヤシ)を甘くした干菓子や、モロッコ料理に使われる伝統的なスパイスなどが店頭に並べられており、見て回るだけでも楽しいスポットです。

食材の宝庫「スーク」

フェズ旧市街の見どころ

また、フェズはイスラム王朝の王都として、13世紀頃からモスクやマドラサ(イスラム教の高等教育施設)が造られ、芸術や学問の中心として繁栄し、旧市街にはモスクやマドラサの他、ザーウィヤ(霊廟)ハンマーム(公共浴場)フンドゥク(隊商宿)もあります。

旧市街の中心には北アフリカ最大のモスクであるカラウィーン・モスクがありますが、モロッコのイスラム化はここから始まりました。モスク内には世界最古の大学の一つでもあるカラウィーン大学があり、イスラム法学をはじめ、言語学・自然科学・医学などを学ぶためアラブ諸国からの数多くの学生が訪れています。

カラウィーン・モスクの外観

しかし、数あるイスラム国家の中でも、敬虔な信徒が多いモロッコでは、イスラム教のモスクや重要な霊廟に異教徒である外国人観光客が入ることはできません。由緒あるモロッコのイスラム芸術が見られないのは残念ですが、マドラサと呼ばれる神学校の見学は可能で、14世紀のマリーン朝時代に建設され、ミナレット(塔)のあるブー・イナーニーヤ・マドラサの幾何学模様のイスラム装飾は必見です。

ブー・イナーニーヤ・マドラサ

このマドラサ以外に観光客が見学できるのは「フェズの王宮」です。この王宮は、モロッコ国王がフェズを訪問した際にのみ使用されるという豪華絢爛な建物ですが、私たちが見ることができるのは、王宮の正門のみです。しかし、グラナダのアルハンブラ宮殿とよく似た建築様式を採用しており、非常に美しいイスラム建築で、モロッコの赤い国旗が象徴的です。

フェズの王宮とモロッコ国旗

モロッコ代表チームのユニホームカラーも赤ですが、この街ではフェズブルーと呼ばれる青一色で彩色した陶器も生産されており、その色は日本代表チームのカラーに近く、私はとても親近感を覚えました。

フェズ・ブルーの陶器店

祝!日本の縄文文化「北海道と北東北の縄文遺跡群」が世界文化遺産登録

「北海道と北東北の縄文遺跡群」が世界文化遺産に登録されたことを記念して、私はみちのくを旅した芭蕉の研究本『松尾芭蕉の旅に学ぶ』と共に『縄文人からのメッセージ』というタイトルで縄文文化を語り、平成芭蕉の『令和の旅指南』シリーズ(Kindle電子本)として出版しました。人生100歳時代を楽しく旅するために縄文人の精神世界に触れていただければ幸いです。

また、日本人の心に灯をつける『日本遺産の教科書』、長生きして人生を楽しむための指南書『人生は旅行が9割』、感情の老化を防ぐ私の旅日記である『生まれ変わりの一人旅』とともにご一読下さい。

★平成芭蕉ブックス
 ①『人生は旅行が9割 令和の旅指南Ⅰ』: 長生きして人生を楽しむために 旅行の質が人生を決める
 『縄文人からのメッセージ 令和の旅指南Ⅱ』: 縄文人の精神世界に触れる 日本遺産と世界遺産の旅
 『松尾芭蕉の旅に学ぶ 令和の旅指南Ⅲ』:芭蕉に学ぶテーマ旅 「奥の深い細道」の旅
 ④『生まれ変わりの一人旅 令和の旅指南Ⅳ』: 感動を味わう一人旅のススメ
 ⑤『日本遺産の教科書 令和の旅指南』: 日本人の心に灯をつける 日本遺産ストーリーの旅

平成芭蕉「令和の旅指南」シリーズ

参考記事:世界遺産の旅における「へー、そうだったの」

★関連記事:平成芭蕉の旅のアドバイス「旅して幸せになる~令和の旅」

私は平成芭蕉、自分の足で自分の五感を使って世界遺産を旅しています

平成芭蕉の世界遺産

「平成芭蕉の世界遺産」はその世界遺産についての単なる解説ではなく、私が実際に現地に赴いてその土地に生きる人たちと交流した際に感じた感動の記録です。

「令和の旅」へ挑む平成芭蕉

*「平成芭蕉の旅物語」サイトマップ参照

モバイルバージョンを終了