「世界遺産」とは? 登録の意義と楽しみ方
その中で世界文化遺産は「顕著な普遍的価値」という物差しがあるため、対象となるのはキリスト教をはじめとする宗教的なエネルギーが創り出した祈りの場や権力者の象徴となるモニュメントが多くなるのはやむを得ないことかもしれません。
しかし、私はそうした代表的な遺産ではなく、古代の水利灌漑施設やスウェーデンの「スクークスシュルコゴーデン」墓地など、人為の工作物であるということを気付かせない地味な遺産に心が魅かれるのです。
「平成芭蕉の世界遺産」は一般的に語られる世界遺産の紹介ではなく、私が実際に現地に赴いて気付いたことやその土地に生きる人たちと交流した際に感じた感動の記録です。
「人生は出会いの歴史」であり、旅はその出会いを劇的に演出してくれました。
私の旅行人生を振り返ると、人類共通の宝物である世界遺産との出会いも印象的でしたが、それ以上に訪問地で出会った人達との交流が素敵な思い出として心に残っています。
そこで、「平成芭蕉の世界遺産」では現地の人から私が直接聞いた話をもとに、その
「世界遺産が登録されるに至った歴史的背景や真に守るべき大切なものは何か」
についてもご紹介しています。
アーノルド・トインビー博士の名言
私はこれまで世界各地を訪ねて多くの人と交流すると同時に、訪日観光客を迎えるインバウンド事業にも携わってきましたが、私自身、日本人でありながら日本の歴史文化に対する知識が不十分であったり、相手国の文化的背景を知らなかったために、誤解を招くことが多々ありました。
20世紀の偉大な歴史学者アーノルド・ジョセフ・トインビー博士は
「人間とは歴史に学ばない生き物である」
と明言を残していますが、私も誤解や争いの原因の多くは、この歴史を学ばないことだと思います。
そこで「世界遺産」を訪ねる旅では地球と人類の歴史を知ることに主眼を置くべきだと思います。
そして日本という国を正しく理解し、
海外旅行では買い物以外の「心の土産」を持ち帰る
知恵を身につけることによって、
「日本人としてのプライド回復と真の国際人を目指すべきである」
と切に感じています。
すなわち、日本という国を正しく理解した上で世界遺産を通じて人類の歩みとその国の文化を学ぶべきだと考えます。
世界遺産を訪ねる『奥の深い細道』
しかし、現在ではおびただしい人が海外に出て、多くの情報をもとに地球上を闊歩しています。
これらの旅体験は途方もなく巨大な文化的集積ですが、それが地球文明の未来にどのような影響を与えるのかと考えた時、その指針となるのが世界遺産かと思います。
「旅人は、自分の持っている以上のものは持ち帰れない」
と言われており、事前の予備知識もなく、しかるべき観察テーマを持たずに旅に出ても、気付きや発見は少ないのではないでしょうか。
旅を終えてから、訪れた都市の紹介番組などを見ると、無為無策の旅では得るものも少なく、もったいなかったと感じるでしょう。
そこで、世界遺産を訪ねる旅に出かける前には最低限、その訪問国に対する「知恵」を身に付けてから出かけていただきたい思います。
この「平成芭蕉の世界遺産」で紹介する内容は、文化遺産や自然遺産の旅情報というよりも、私が現地を訪問した際の体験に基づく所見です。
すなわち、「世界遺産の旅+知恵=人生のときめき」をコンセプトとした『奥の深い細道』世界遺産巡りの旅です。
旅情報は日々更新され、最近のガイドブックに書かれている内容はほとんど検索すれば、わかる内容です。
しかし、旅情報が少なかった時に、多少は事前勉強をしていた私が、現地の人と触れ合って感じた感動や現地で直に学んだことをお伝えすることは私にとっても意義のあることです。
同じ旅を愛する者として「世界遺産」を学びながら価値観を共有していただければ幸いです。
祝!日本の縄文文化「北海道と北東北の縄文遺跡群」が世界文化遺産登録
「北海道と北東北の縄文遺跡群」が世界文化遺産に登録されたことを記念して、私はみちのくを旅した芭蕉の研究本『松尾芭蕉の旅に学ぶ』と共に『縄文人からのメッセージ』というタイトルで縄文文化を語り、平成芭蕉の『令和の旅指南』シリーズ(Kindle電子本)として出版しました。人生100歳時代を楽しく旅するために縄文人の精神世界に触れていただければ幸いです。
また、日本人の心に灯をつける『日本遺産の教科書』、長生きして人生を楽しむための指南書『人生は旅行が9割』、感情の老化を防ぐ私の旅日記である『生まれ変わりの一人旅』とともにご一読下さい。
★平成芭蕉ブックス
①『人生は旅行が9割 令和の旅指南Ⅰ』: 長生きして人生を楽しむために 旅行の質が人生を決める
②『縄文人からのメッセージ 令和の旅指南Ⅱ』: 縄文人の精神世界に触れる 日本遺産と世界遺産の旅
③『松尾芭蕉の旅に学ぶ 令和の旅指南Ⅲ』:芭蕉に学ぶテーマ旅 「奥の深い細道」の旅
④『生まれ変わりの一人旅 令和の旅指南Ⅳ』: 感動を味わう一人旅のススメ
⑤『日本遺産の教科書 令和の旅指南』: 日本人の心に灯をつける 日本遺産ストーリーの旅
★関連記事:平成芭蕉の旅のアドバイス「旅して幸せになる~令和の旅」
私は平成芭蕉、自分の足で自分の五感を使って世界遺産を旅しています
世界遺産とは地球の成り立ちと人類の歴史によって生み出された全人類が共有すべき宝物で、その内容によって①文化遺産②自然遺産③複合遺産に分類されます。この「平成芭蕉の世界遺産」はその世界遺産についての単なる解説ではなく、私が実際に現地に赴いてその土地に生きる人たちと交流した際に感じた感動の記録です。