サイトアイコン 【黒田尚嗣】平成芭蕉の旅物語

平成芭蕉の世界遺産 イタリア~ピサの斜塔で有名な「ピサのドゥオモ広場」

ピサの斜塔で有名なイタリアの世界遺産「ドゥオモ広場」

平成芭蕉の「世界遺産への旅」

「奇跡の広場」と呼ばれるピサのドゥオモ広場

イタリアの海鮮料理レストランでは、緑・白・赤のイタリア国旗に加えて、イタリア海軍の徽章を配したイタリア海洋旗が飾られていることがあります。この海洋旗の中央にある徽章の盾は4分割され、それぞれかつて制海権を握って繁栄したイタリアの4つの海洋共和国、ヴェネツィア、ジェノヴァ、アマルフィ、ピサを象徴しています。

イタリアの海洋旗

私はピサの海鮮料理レストランでマルゲリータを食べましたが、「古代ナポリ発祥のピザ作り」もユネスコの無形文化遺産に認定されたことを知り、「ピサのピザ」をもっと宣伝しても面白いのではないかと思いました。

紀元前からローマ帝国の軍港だったピサは、11世紀半ばに西地中海の覇権を握り、13世紀末まで海洋都市国家として栄え、その繁栄ぶりは世界遺産「ドゥオモ広場」の建造物から伺い知ることができます。この広場は、青々とした芝生の上に有名なピサの斜塔、白亜の大聖堂(ドゥオモ)洗礼堂(バッティステロ)墓所(カンポサイト)などのロマネスク様式の建築物が、美しい景観を呈していることから「奇跡の広場」とも呼ばれています。

「奇跡の広場」と呼ばれるドゥオモ広場

ドゥオモ広場のロマネスク建築のシンボル「大聖堂(ドゥオモ)」と洗礼堂・墓所

この「奇跡の広場」と呼ばれるドゥオモ広場にある大聖堂(ドゥオモ)は、ロマネスク建築の典型で、太い列柱が半円アーチを描く正面の装飾(ファサード)は、後の教会建築のモデルとなりました。しかし、内部の円柱の多くはイスラム教徒から略奪したもので、内部の装飾にはビザンティン様式のモザイク画やイスラム建築の影響が見られます。

ロマネスク様式の大聖堂

大聖堂の西側に建つ洗礼堂(バッティステロ)も一見すると半円形のアーチが安定感を感じさせるロマネスク様式ですが、よく見ると上層部と下層部で建築様式が異なっており、上層部は柱とアーチの連なりが高さを強調するゴシック様式になっています。

2層構造の洗礼堂(バッティステロ)

広場の北側にある墓所はカンポサント(神聖な土地)と呼ばれ、白大理石の回廊に囲まれた美しい長方形の中庭をもっています。この回廊には多くのフレスコ画が飾られていましたが、第二次世界大戦中の爆撃で損傷を受けたため、その後長い期間修復工事が行われています。しかし、中庭の土は1200年に十字軍に参加したピサの大司教がゴルゴタの丘から持ち帰ったものとされ、貴重な遺産です。

カンポサイトと呼ばれる墓所

「ピサの斜塔」とガリレオ・ガリレイの伝説

そして広場のランドマークタワーでもある「ピサの斜塔」は、隣接する大聖堂の鐘楼として、ピサの町が海洋都市国家として最盛期を迎えていた1173年に真っすぐな塔として着工されましたが、ドゥオーモ広場がアルノ川の土砂で形成されたゆるい地盤であったことが原因で、完成までには199年もの歳月を要しました。

傾いたピサの斜塔

建設が3階部分まで進んだ1185年に塔の傾きが発覚しましたが、傾きは改善されることなく建設は継続され、1372年、塔は当初の予定より低い鐘楼として完成するも、1990~2001年にかけて構造強化の工事が行われています。鐘楼は外径約20mの円柱に囲まれた6層の回廊の上にあり、内部にある螺旋(らせん)階段で屋上まで上がることができます。おすすめは下に傾く南側で、フェンスはありますが、スリルを味わいながら眼下のドゥオーモ広場やピサの町並みの絶景を堪能できます。

ピサの斜塔といえば、1580年代にピサ大学に通っていたガリレオ・ガリレイが、斜塔から物を落として「落下の法則」の実験をしたというエピソードがありますが、美しいロマネスク様式の最高傑作「ドゥオモ」の内部にも、そのガリレオがランプの揺れ動く様子を見て「振り子の法則」を発見したといわれるガリレオのランプがあります。

ガリレオ・ガリレイの異端裁判

これらガリレオの伝説が創作であったとしても、彼が地動説を唱えたことから異端裁判にかけられた話は事実であり、ガリレオの死から350年後の1992年、当時のローマ教皇ヨハネ・パウロ2世が、この異端裁判の誤りを謝罪したことに私は強い感銘を受けました。

祝!日本の縄文文化「北海道と北東北の縄文遺跡群」が世界文化遺産登録

「北海道と北東北の縄文遺跡群」が世界文化遺産に登録されたことを記念して、私はみちのくを旅した芭蕉の研究本『松尾芭蕉の旅に学ぶ』と共に『縄文人からのメッセージ』というタイトルで縄文文化を語り、平成芭蕉の『令和の旅指南』シリーズ(Kindle電子本)として出版しました。人生100歳時代を楽しく旅するために縄文人の精神世界に触れていただければ幸いです。

また、日本人の心に灯をつける『日本遺産の教科書』、長生きして人生を楽しむための指南書『人生は旅行が9割』、感情の老化を防ぐ私の旅日記である『生まれ変わりの一人旅』とともにご一読下さい。

★平成芭蕉ブックス
 ①『人生は旅行が9割 令和の旅指南Ⅰ』: 長生きして人生を楽しむために 旅行の質が人生を決める
 『縄文人からのメッセージ 令和の旅指南Ⅱ』: 縄文人の精神世界に触れる 日本遺産と世界遺産の旅
 『松尾芭蕉の旅に学ぶ 令和の旅指南Ⅲ』:芭蕉に学ぶテーマ旅 「奥の深い細道」の旅
 ④『生まれ変わりの一人旅 令和の旅指南Ⅳ』: 感動を味わう一人旅のススメ
 ⑤『日本遺産の教科書 令和の旅指南』: 日本人の心に灯をつける 日本遺産ストーリーの旅

平成芭蕉「令和の旅指南」シリーズ

参考記事:世界遺産の旅における「へー、そうだったの」

★関連記事:平成芭蕉の旅のアドバイス「旅して幸せになる~令和の旅」

私は平成芭蕉、自分の足で自分の五感を使って世界遺産を旅しています

平成芭蕉の世界遺産

「平成芭蕉の世界遺産」はその世界遺産についての単なる解説ではなく、私が実際に現地に赴いてその土地に生きる人たちと交流した際に感じた感動の記録です。

「令和の旅」へ挑む平成芭蕉

*「平成芭蕉の旅物語」サイトマップ参照

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