第8回“おおやまみち”まちづくりサミットでの講演
!["おおやまみち”まちづくりサミットの様子 "おおやまみち”まちづくりサミット](https://i0.wp.com/www.city.isehara.kanagawa.jp/photonews/2020021200089/file_contents/20200211_samit03.JPG?resize=320%2C213&ssl=1)
"おおやまみち”まちづくりサミット
2月11日の建国記念日には神奈川県伊勢原市文化会館で「第8回“おおやまみち”まちづくりサミット」が開催されました。
伊勢原市は『江戸庶民の信仰と行楽の地~巨大な木太刀を担いで「大山詣り」~』というストーリーが日本遺産に認定されましたが、この大山詣りの際、多くの参詣者が通った歴史ある街道が「おおやまみち」です。
![おおやまみちサミット](https://i0.wp.com/heiseibasho.com/wp-content/uploads/2020/02/200207ooyamaasmtA-452x640.jpg?resize=212%2C300&ssl=1)
おおやまみちサミット
私は今回、このサミットにおいて基調講演の講師、ならびに「魅力再発見!令和に伝える大山道」のパネルディスカッションにおけるパネラーとして招かれました。
まずは会場の伊勢原市文化会館前で伊勢原市のゆるキャラである「くるりん」と記念撮影です。「くるりん」は大山のコマの帽子をかぶり、ハイキングが大好きでみんなと友達になるのが好きな明るいキャラクターです。
![伊勢原市のゆるキャラ「くるりん」](https://i0.wp.com/heiseibasho.com/wp-content/uploads/2020/02/P2116136.jpg?resize=300%2C225&ssl=1)
伊勢原市のゆるキャラ「くるりん」
基調講演では「大流行した元祖ツーリズム“大山詣り”それぞれの物語」というタイトルでお話ししましたが、私はこの「それぞれの物語」創りこそがこれからの旅の在り方だと思います。
すなわち、文化庁が認定した大山詣りの物語は「鳶などの職人たちが巨大な木太刀を江戸から担いで運び、滝で身を清めてから奉納と山頂を目指す」と言った主として江戸時代の庶民参拝ストーリーですが、私は大山詣りの物語は江戸時代に限る必要はないと考えます。
![大山詣りの「木太刀」](https://i0.wp.com/heiseibasho.com/wp-content/uploads/2020/02/P2116139.jpg?resize=300%2C225&ssl=1)
大山詣りの「木太刀」
例えば755年に奈良東大寺の別当良弁(ろうべん)僧正が聖武天皇の勅許を得て、山腹に雨降山大山寺を、山頂に阿夫利神社を建て、神仏をともに信仰する山岳宗教の聖地とした頃のストーリーでも良いのです。
また、戦国時代に関心のある人であれば、小田原北条氏と大山の僧兵について語るのも大山信仰のストーリーです。
日本遺産の旅とは、地域のストーリーを通じて、訪ねてくれるお客様にそれぞれのイメージに基づく物語を創造していただく旅ではないでしょうか。
![まちづくりサミットでの基調講演](https://i0.wp.com/heiseibasho.com/wp-content/uploads/2020/02/66662ff0b568fa936cba007186653be8.jpg?resize=300%2C200&ssl=1)
まちづくりサミットでの基調講演
私にとって大山阿夫利神社のストーリーは、故郷である名張の宇流冨志禰神社(うるふしねじんじゃ)を連想させてくれるのです。
宇流冨志禰神社の主祭神"宇奈根命"は水、穀物の神であり、名の由来は元々の御神体である赤岩が置かれていた場所が名張川のうねりの側にあることから、うねる→うなね(宇奈根)となったと言われており、大山阿夫利神社の雨降りと同様に水に関係しています。
![大山阿夫利神社「火祭薪能」](https://i0.wp.com/heiseibasho.com/wp-content/uploads/2020/02/takigi016m.jpg?resize=300%2C194&ssl=1)
大山阿夫利神社「火祭薪能」
また、大山阿夫利神社では「火祭薪能」が有名ですが、名張はその「能」を大成した観阿弥創座の地であり、2019年10月には名張市観阿弥顕彰会創立50周年を記念した「名張薪能」が開催されました。
![名張駅前の観阿弥像](https://i0.wp.com/heiseibasho.com/wp-content/uploads/2020/02/P9042140.jpg?resize=300%2C225&ssl=1)
名張駅前の観阿弥像
よって、私にとって大山詣りは幼い頃に楽しみにしていた宇流冨志禰神社の祭り体験や故郷を思い起こさせてくれるのです。
宇流冨志禰神社参道の初瀬街道はまさしく大山街道に重なり、名張にはケーブルこそありませんが、私にとっては大山と同様の庶民参拝のイメージなのです。
![宇流冨志禰神社参道の初瀬街道](https://i0.wp.com/heiseibasho.com/wp-content/uploads/2020/02/P9032124.jpg?resize=300%2C225&ssl=1)
宇流冨志禰神社参道の初瀬街道
基調講演に続くパネルディスカッションでは、鎌倉国宝館の鈴木良明館長にコーディネーターを務めていただき、私と横浜国立大学の大山宿坊スタンプラリーを考案した井上魁人君、そして大山阿夫利神社の目黒久仁彦権禰宜の3人がパネラーとして登壇しました。
![パネルディスカッション](https://i0.wp.com/heiseibasho.com/wp-content/uploads/2020/02/1d60e5079598ebefc86124876287ba0d.jpg?resize=300%2C200&ssl=1)
パネルディスカッション
テーマは「魅力再発見!令和に伝える大山道」で、目黒権禰宜は「連携が大切である」とおっしゃっておられましたが、私もまったく同感で、各地域が連携し、ストーリーを通じて、訪れた人が忘れていた思い出を呼び起こし、新たなイメージを創っていただく旅こそが、真の日本遺産のストーリー旅だと思います。
![神奈川新聞掲載記事](https://i0.wp.com/heiseibasho.com/wp-content/uploads/2020/02/b91a7d68949399d4a8ac447d984022ff.jpeg?resize=173%2C300&ssl=1)
神奈川新聞掲載記事
日本の縄文文化「北海道と北東北の縄文遺跡群」が世界文化遺産!
「北海道と北東北の縄文遺跡群」が世界文化遺産に登録されることを記念して、私はこのたび『縄文人からのメッセージ』というタイトルで令和の旅を語り、Amazonの電子本として出版しました。人生100歳時代を楽しく旅するために縄文人の精神世界に触れていただければ幸いです。日本人の心に灯をつける『日本遺産の教科書』、長生きして人生を楽しむための指南書『人生は旅行が9割』とともにご一読下さい。
★平成芭蕉ブックス
①『日本遺産の教科書 令和の旅指南』: 日本人の心に灯をつける 日本遺産ストーリーの旅
②『人生は旅行が9割 令和の旅指南Ⅰ』: 長生きして人生を楽しむために 旅行の質が人生を決める
③『縄文人からのメッセージ 令和の旅指南Ⅱ』: 縄文人の精神世界に触れる 日本遺産と世界遺産の旅
![](https://i0.wp.com/heiseibasho.com/wp-content/uploads/2021/06/a0cca0a4356676d5a296432f7590810a.jpg?resize=300%2C225&ssl=1)
平成芭蕉ブックス『令和の旅指南』
★関連記事:平成芭蕉の旅のアドバイス「旅して幸せになる~令和の旅」
私は平成芭蕉、自分の足で自分の五感を使って日本遺産を旅しています。
![平成芭蕉のテーマ旅行](https://i0.wp.com/heiseibasho.com/wp-content/uploads/2019/10/DON_0862-2.jpg?resize=300%2C212&ssl=1)
平成芭蕉の旅語録
平成芭蕉は「検索すればわかる情報」より「五感を揺さぶる情報」を提供します。旅とは日常から離れ、いつもと違う風、光、臭いなど五感を通じて自分を見つめ直す機会です。そしていつもと違う人に会い、いつもと違う食事をとることで、考え方や感じ方が変わります。すなわち、いい旅をすると人も変わり、生き方も変わり、人生も変わるのです。
![](https://i0.wp.com/heiseibasho.com/wp-content/uploads/2019/04/695626bea749f1265e83787734ca2eaa.jpg?resize=212%2C300&ssl=1)
「令和の旅」へ挑む平成芭蕉
*「平成芭蕉の旅物語」サイトマップ参照
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平成芭蕉の旅語録
平成芭蕉の旅語録~「おおやまみち」日本遺産のストーリー旅とは何か?
更新日:
第8回“おおやまみち”まちづくりサミットでの講演
"おおやまみち”まちづくりサミット
2月11日の建国記念日には神奈川県伊勢原市文化会館で「第8回“おおやまみち”まちづくりサミット」が開催されました。
伊勢原市は『江戸庶民の信仰と行楽の地~巨大な木太刀を担いで「大山詣り」~』というストーリーが日本遺産に認定されましたが、この大山詣りの際、多くの参詣者が通った歴史ある街道が「おおやまみち」です。
おおやまみちサミット
私は今回、このサミットにおいて基調講演の講師、ならびに「魅力再発見!令和に伝える大山道」のパネルディスカッションにおけるパネラーとして招かれました。
まずは会場の伊勢原市文化会館前で伊勢原市のゆるキャラである「くるりん」と記念撮影です。「くるりん」は大山のコマの帽子をかぶり、ハイキングが大好きでみんなと友達になるのが好きな明るいキャラクターです。
伊勢原市のゆるキャラ「くるりん」
基調講演では「大流行した元祖ツーリズム“大山詣り”それぞれの物語」というタイトルでお話ししましたが、私はこの「それぞれの物語」創りこそがこれからの旅の在り方だと思います。
すなわち、文化庁が認定した大山詣りの物語は「鳶などの職人たちが巨大な木太刀を江戸から担いで運び、滝で身を清めてから奉納と山頂を目指す」と言った主として江戸時代の庶民参拝ストーリーですが、私は大山詣りの物語は江戸時代に限る必要はないと考えます。
大山詣りの「木太刀」
例えば755年に奈良東大寺の別当良弁(ろうべん)僧正が聖武天皇の勅許を得て、山腹に雨降山大山寺を、山頂に阿夫利神社を建て、神仏をともに信仰する山岳宗教の聖地とした頃のストーリーでも良いのです。
また、戦国時代に関心のある人であれば、小田原北条氏と大山の僧兵について語るのも大山信仰のストーリーです。
日本遺産の旅とは、地域のストーリーを通じて、訪ねてくれるお客様にそれぞれのイメージに基づく物語を創造していただく旅ではないでしょうか。
まちづくりサミットでの基調講演
私にとって大山阿夫利神社のストーリーは、故郷である名張の宇流冨志禰神社(うるふしねじんじゃ)を連想させてくれるのです。
宇流冨志禰神社の主祭神"宇奈根命"は水、穀物の神であり、名の由来は元々の御神体である赤岩が置かれていた場所が名張川のうねりの側にあることから、うねる→うなね(宇奈根)となったと言われており、大山阿夫利神社の雨降りと同様に水に関係しています。
大山阿夫利神社「火祭薪能」
また、大山阿夫利神社では「火祭薪能」が有名ですが、名張はその「能」を大成した観阿弥創座の地であり、2019年10月には名張市観阿弥顕彰会創立50周年を記念した「名張薪能」が開催されました。
名張駅前の観阿弥像
よって、私にとって大山詣りは幼い頃に楽しみにしていた宇流冨志禰神社の祭り体験や故郷を思い起こさせてくれるのです。
宇流冨志禰神社参道の初瀬街道はまさしく大山街道に重なり、名張にはケーブルこそありませんが、私にとっては大山と同様の庶民参拝のイメージなのです。
宇流冨志禰神社参道の初瀬街道
基調講演に続くパネルディスカッションでは、鎌倉国宝館の鈴木良明館長にコーディネーターを務めていただき、私と横浜国立大学の大山宿坊スタンプラリーを考案した井上魁人君、そして大山阿夫利神社の目黒久仁彦権禰宜の3人がパネラーとして登壇しました。
パネルディスカッション
テーマは「魅力再発見!令和に伝える大山道」で、目黒権禰宜は「連携が大切である」とおっしゃっておられましたが、私もまったく同感で、各地域が連携し、ストーリーを通じて、訪れた人が忘れていた思い出を呼び起こし、新たなイメージを創っていただく旅こそが、真の日本遺産のストーリー旅だと思います。
神奈川新聞掲載記事
日本の縄文文化「北海道と北東北の縄文遺跡群」が世界文化遺産!
「北海道と北東北の縄文遺跡群」が世界文化遺産に登録されることを記念して、私はこのたび『縄文人からのメッセージ』というタイトルで令和の旅を語り、Amazonの電子本として出版しました。人生100歳時代を楽しく旅するために縄文人の精神世界に触れていただければ幸いです。日本人の心に灯をつける『日本遺産の教科書』、長生きして人生を楽しむための指南書『人生は旅行が9割』とともにご一読下さい。
★平成芭蕉ブックス
①『日本遺産の教科書 令和の旅指南』: 日本人の心に灯をつける 日本遺産ストーリーの旅
②『人生は旅行が9割 令和の旅指南Ⅰ』: 長生きして人生を楽しむために 旅行の質が人生を決める
③『縄文人からのメッセージ 令和の旅指南Ⅱ』: 縄文人の精神世界に触れる 日本遺産と世界遺産の旅
平成芭蕉ブックス『令和の旅指南』
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平成芭蕉の旅語録
平成芭蕉は「検索すればわかる情報」より「五感を揺さぶる情報」を提供します。旅とは日常から離れ、いつもと違う風、光、臭いなど五感を通じて自分を見つめ直す機会です。そしていつもと違う人に会い、いつもと違う食事をとることで、考え方や感じ方が変わります。すなわち、いい旅をすると人も変わり、生き方も変わり、人生も変わるのです。
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*「平成芭蕉の旅物語」サイトマップ参照
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