平成芭蕉の旅物語「旅から人生が変わる」
この「平成芭蕉の旅物語」サイトは、①「平成芭蕉の旅行術」 ②「平成芭蕉の旅語録」 ③「平成芭蕉の世界遺産」 ④「平成芭蕉の日本遺産」 ⑤「平成芭蕉のテーマ旅行」 ⑥「平成芭蕉同行の旅」の六部構成となっていますので、詳細は下記の記事一覧サイトマップを参照して下さい。
平成芭蕉は「検索すればわかる情報」より「五感を揺さぶる情報」を提供します。旅とは日常から離れ、いつもと違う風、光、臭いなど、五感を通じて自分を見つめ直す機会です。そしていつもと違う人と出会い、いつもと違う食事をとることで、考え方や感じ方が変わります。すなわち、いい旅をすると人も変わり、生き方も変わり、人生も変わるのです。時代の変化に対応できるように旅を住処としています。
平成芭蕉メッセージ ~「旅の質」が人生を変える
人生は一度限りなので無限の可能性の中から1回しか生きることができません。よって私は別の土地に生きるもう一人別の自分の物語(ストーリー)を思い描くために旅に出ています。言い換えれば、自分の生きてきた「物語(ストーリー)」と旅先の「物語(ストーリー)」とが織りなす新しい「物語(ストーリー)」の創造です。
「小説が書かれ読まれるのは人生がただ一度であることへの抗議」という言葉がありますが、私にとって旅することは、一度限りの人生を最大限に楽しむための創造活動なのです。そして私は、人生を楽しむために必要な「心のときめき」は、「知恵を伴う旅」を通じて得られると考えています。
そこでこの度、私はその知恵を伴う日本遺産や世界遺産の旅を紹介しつつ、平成芭蕉独自の旅の楽しみ方とテーマ旅行に関する企画アイデアノート、さらに著者が松尾芭蕉の旅から学んだ旅行術について紹介した『平成芭蕉の旅指南 人生が変わるオススメの旅 旅の質が人生を決める』と題した本を出版しました。このブログと合わせてご一読いただければ幸です。
縄文文化のストーリー ~縄文人の「共感力」を見習う
新型コロナウイルス感染拡大の影響で自宅待機が続くと、運動不足だけでなく、人間にとって大切な直観力などの感覚が鈍ってくるような気がしますが、この機会に縄文文化のストーリーに触れてみてはいかがでしょうか?日本遺産には火焔型土器や黒曜石などの縄文文化をテーマとしたストーリーもあるのです。
知恵をしぼって道具を作り、工夫をこらして自然と共存していた縄文人の生活では、日々、旅を友にして感覚は研ぎ澄まされていたと思われます。
2021年には「北海道と北東北の縄文遺跡群」が世界遺産登録されたこともあり、私は、縄文文化をテーマとしたツアーに数多く同行していますが、縄文遺跡はヨーロッパのように石の文化ではなく、木の文化であったため、建物はほとんど土となり、表面上に見えるものは残っていません。
しかし、目を閉じて心を澄ませば、風とともに縄文人からのメッセージが聞こえてくるような気がするのです。新型コロナウイルス感染拡大防止のために、当時は人との接触を避けることが求められていましたが、人は自然や他人との触れ合いがなくなると、生きる上で必要な「共感力」が衰えるので注意が必要です。
文字を持たずに1万年以上も平和を維持した縄文人は、今日の私たちよりも自然や他人に対する「共感力」が秀でていたのではないでしょうか。「共感力」とは一種の直観力で、目に見えない自然の脅威や人の言葉以外のメッセージ(メタメッセージ)を感じ取る能力です。
私は、この新型コロナウイルスは、人類に意識改革と謙虚に生きることを求めているような気がしました。よって、私たちは今こそ歴史を振り返り、自然と共存共生していた縄文文化に学ぶべき時だと思います。
出羽三山「生まれ変わりの旅」で感じたこと
私は2021年9月、御縁年(丑年)における出羽三山「生まれ変わりの旅」を体験し、生まれ変わりには「肉体的な老化」より「感情の老化」に注意すべきであると感じました。「感情の老化」とは耳慣れない言葉ですが、「感情」も使っていないと老化するのです。
そして感情が老化すると、新しいことに挑戦する意欲を失い、無感動となり、それが「記憶力の低下」「体力の衰え」といった本格的な老化現象に繋がります。自然と触れ合う機会が少なくなった現代人は、感情が老化しがちです。
そこで、私はこのたび自分自身が体験した感情の老化を防ぐ『生れ変わりの一人旅 令和の旅指南Ⅳ』をKindle電子本で出版しました。
人生100歳時代を楽しく生きるためには、安心して自分に向き合える一人旅において、自分と対話する自分時間が必要なのではないでしょうか。
お陰様で「令和の旅指南」シリーズも本書で5冊目ですが、2冊目の『縄文人からのメッセージ 令和の旅指南Ⅱ』は全米Amazonランキングでベストセラーになりました。外国の方が縄文土器を始めとする日本の縄文文化に関心をもっていただくことはとても嬉しいことです。
「北海道と北東北の縄文遺跡群」が世界遺産認定されたこともあり、この機会に合わせてご一読いただければ幸です。
俳聖松尾芭蕉の生家の向かいで生まれ、先祖は伊賀流忍者
私は、三重県伊賀市上野にある俳聖松尾芭蕉の生家の向いで生まれ、伊勢街道に面した三重県名張市黒田荘(「黒田の悪党」で有名な東大寺の荘園)という伊賀流忍者の里で育ったことから、芭蕉さん(芭蕉さんの母は伊賀流忍者百地家の娘)に憧れて幼少の頃より「放浪」の旅を続けてきました。
すなわち、私は松尾芭蕉の生き様に感銘を受け、自らを「平成の松尾芭蕉」と称し、芭蕉さん同様に旅を住処としています。また、祖先が伊賀流忍者ということもあり、忍術伝書『萬川集海』から「見利の事」「見分の事」「間見の事」などの情報収集術と人間心理学を学び、目に見えない旅行商品を販売するためのマーケティングを極める努力もしてきました。
『萬川集海』とは「細い川もたくさん集めれば海になる」という意味で、忍術の流儀をまとめた三大忍術伝書の1つです。
私は学生時代にジェットインターナショナル(現在の旅行総研)に所属し、派遣添乗員(当時は派遣ではなく業務委託)として世界各地を巡る機会を与えられたおかげで、個人旅行で訪れた国も含めると、大学卒業時にはすでに96か国(日本が承認している195か国の約半分)を訪ね、地球を3周していました。
しかし、アサインされた既成のツアーに同乗するだけでは満足できず、自ら旅を企画して芭蕉さんと同様、旅に生きるべく旅行会社(近畿日本ツーリスト)に就職を決意、慶応義塾大学経済学部卒業後は一時的に親の仕事を手伝うことがありましたが、基本的には旅一筋で生きてきました。
私が旅行会社の中でも近畿日本ツーリストを選んだのは、出身地が近鉄沿線であった親しみもありますが、近畿日本ツーリストの社史である城山三郎『臨3311に乗れ』を読んだことがきっかけです。
*「臨3311」とは修学旅行専用列車
近畿日本ツーリストの前身、日本ツーリストの創業者である馬場勇さんの旅行にかけた熱い情熱に感銘を受けたからです。旅行業界の野武士と呼ばれた馬場勇さんの言葉の中には「一日にメシは4回食え、3回は食事で1回は読書だ」という教えがあり、私が今日あるのはこの教えによるものです。近畿日本ツーリスト時代は主として海外を担当していましたが、同じ近鉄グループのクラブツーリズムの所属となり、テーマ旅行を担当することになってからは、日本の歴史に関する本も読みあさっています。
そして、改めて出身地の伊勢街道(初瀬街道)や大和街道を歩いたことから、幼少の頃の「放浪」が、目的を持った「旅」へと進化し、現在では東海道を始めとする「旧街道を歩く」という街道商品開発にも携わるようになりました。
*2019年6月7日放送ごごナマ『おいしい金曜日』で「週末行きたくなる!街道歩き旅のススメ」で西川きよし師匠と共に街道歩きの魅力をご紹介しました。
私は東海道を含む五街道を中心に街道を歩いていますが、この旧街道を歩く旅から感じることは、旅は「出会い」の場であると同時に「究極の学び」の場であり、「旅行から人生が変わる」ことが多いということです。そこで、先日、名古屋で開かれた東海道シンポジウムでもお話ししましたが、今日のような人生100歳時代に「充実した人生」を送るには、街道を歩く旅に出て新たな気付きを重ねることをおすすめします。
私の経験上、人が本当に必要としている物なんていくつもありません。しかし、新しいことを知りたいという欲望は潜在意識の中にもあるのです。
私も初めて五島列島を旅した際、ユーミンの『瞳を閉じて』の舞台が長崎県の奈留島だと知って感動しました⇒画像の下の『瞳を閉じて』をクリックすると歌が聴けます!)
人は感情で動く動物なので、旅に出ると人生が変わる
「可愛い子には旅をさせよ」という言葉があるように、人生を豊かにするには、出会いを求めて大いに旅に出るべきなのです。しかし、目的のない旅であれば学びも少なく、旅行の満足度も上がりません。
そこで、平成の松尾芭蕉を自称する私こと黒田尚嗣は、「芭蕉さんの旅行術」を研究し、旅の楽しみ方や旅の知恵をお伝えすることにより、「旅行から人生が変わる」体験を共有していただきたいと考え、本サイト「平成芭蕉の旅物語」を開設しました。
なぜ、旅行から人生が変わるのか?それは、旅に出て新しい出会いや気づきがあると、自分の気持ちや感情に変化が生じるからです。そして感情が変われば行動が変わり、行動が変われば習慣が変わり、その結果、人生も変わるのです。
平成芭蕉の「平成」という言葉は、中国の歴史書からの引用で
『内平外成(内平らかに外成る)』
『地平天成(地平らかに天成る)』
という「平穏で周囲と仲良くする」といった想いが込められています。
そこで私は、平成の松尾芭蕉として、旅で出会った人と良い関係を築き、同じ時間を過ごすことによって、「感動」を共有すること、すなわち「共感」をテーマに旅しています。
この「共感」の旅こそが、「旅から人生が変わる」成功の秘訣であり、「充実した人生」を幸せに過ごす手段でもあるのです。
そこで、私は「旅から人生が変わる」経験を多くの方々に味わっていただくことを主目的とし、地域活性化のお手伝いとして2022年2月から島根県安来市を皮切りに旅の文化カレッジ事業として「ローカルナビゲーター養成講座」を始めました。
2022年末には一般社団法人ネイチャーホスピタリティ協会と一般社団法人地域活性化センターとも連携してオンラインでの地域ナビゲーター検定も開催する予定です。
平成芭蕉の海外初添乗物語~旅行業にはまったきっかけ
旅行業は旅行商品ではなく「夢」と「想い出」を売る仕事である
私の初の海外添乗は成田空港が開港した昭和53年の夏で、方面はインドネシアのバリ島でした。出発前に帰国時の航空便予約が確定しておらず、初添乗ということもあって、とても不安な精神状態であったことを記憶しています。実際、成田空港でのお客様への自己紹介と出国手続等の案内時には、内に秘めた心配事と私の若さから、お客様に「この添乗員さんは大丈夫かな?」といった不安を与えてしまいました。
しかし、バリ島のデンパサール空港に到着して、バリ島観光が始まると、徐々にお客様も安心されたようでした。当時のガイドは日本語ではなく、聞き取りづらい英語ガイドでしたので、実際にマイクでの説明は私が行っていました。当時はまだ「地球の歩き方」のようなガイドブックは存在せず、バリ島についての資料も少なかったので、私は添乗前に国会図書館でバリのヒンドゥー教について徹底的に勉強し、そのおかげで現地ガイドに劣らない説明ができたのです。
バリ・ヒンドゥーの総本山ブサキ寺院で、私がバリ・ヒンドゥ教徒のお祈り(スンバヤン)をやってみせるとお客様も現地ガイドもとても驚き、目をまるくしていました。
この時、私はこの添乗という仕事と旅行業の魅力にはまり、1週間後にはアメリカにも添乗していたのです。成田で不安そうにしていたお客様がこの時点では私に対して尊敬のまなざしで見てくれていたからです。
また、当時は「個人情報保護法」もなかったので、添乗員は事前に詳細な顧客情報を得ることができました。そこで、私はバリ島の情報以上に参加者の出身地や出身校、職業も頭に入れていました。
マーケティングの極意はお客様の心(感情)のトリガーを引くこと
今にして思えば、この初の海外添乗を無事に終えることができたのは、現地の旅行情報を勉強していたこともさることながら、この顧客情報からお客様の欲求を正確に私が感じ取ることができたからです。よって、旅行企画は内容を考える前に対象顧客をイメージすべきだと思っています。
私は、この海外の初添乗の経験から、旅行業は「旅行」を売ることではなく、お客様が思い描く「夢」と記憶に残る良き「想い出」を売る仕事であると知ったのです。そして、ツアーに同行する添乗員も今で言う旅程管理だけでなく、お客様の関心事について語ると同時に自身の体験など、驚きを与えることが大切であると学びました。
コミュニケーションのコツは、人に対して「誠実な関心」を寄せることなのです。そして「お客様の心の中に強い欲求を起こさせること」ができれば、支持を得ることができます。〔平成芭蕉の「愛され添乗員の法則」〕
そして「誠実な関心」を寄せるにはどうすればよいかと言えば、まずは相手をよく見て「きき上手」になることです。私はツアーに同行して数多くの名所旧跡を案内してきましたが、最近では、私が一方的に解説するよりもお客様の質問にお答えする機会が増えており、私が心掛けている平成芭蕉の心得五原則は次の5つの「みる」と5つの「きく」です。
・みる【見る、観る、視る、診る、看る)
・きく【聞く、聴く、訊く(質問)、利く(役に立つ)、効く(影響を与える)】
この「きき上手」になるために、私は旅行に関する勉強だけでなく、いわゆる集客マーケティングや人間心理学、そして最近では脳科学についても研究しているのです。すなわち、旅行業に限らず、すべてのビジネスのマーケティング極意は、お客様の心(感情)のトリガーを引くことが大切です。いかに優れた旅行商品でも、魚のいないところに釣り糸をおろすようでは、存在価値はないのです。すなわち、「商品への情熱よりも市場の求めるものに焦点を合わせる」のです。〔平成芭蕉のマーケティング哲学〕
福沢諭吉先生も商売のコツは、「適切なメッセージを、ふさわしい顧客に、適切な手段と方法で伝えること」と言っています。
平成芭蕉のメッセージ:「平成芭蕉の旅物語」は充実した人生を送る提案です
脳科学を活用した旅の健康法
そこでこの「平成芭蕉の旅物語」は、私の旅行業における経験と、旅に対する私の知恵に基づいた
*感動ある旅がしたい⇒気持ちが豊かになります
*想い出に残る旅がしたい⇒充実した人生が味わえます
*旅で元気を回復したい⇒免疫力がついて医療費の節約になります
*旅からいろいろと学びたい⇒周りから一目置かれる人になります
など、令和の時代に旅を楽しみ、旅で学びたいあなたへの平成芭蕉からのメッセージです。
私は還暦を迎えた今日も、旅行のプロとして日本全国、世界各地を巡っていますが、60歳を過ぎてからは「旅」に対する考え方を改めました。これからの旅は、充実した人生を送る「豊かさ」の追求です。
そして私の求める「豊かさ」とは、旅を通じて
「多くのことを学び、価値のある目標を達成し、人を愛し、人に愛され、健康で楽しい日々を送りつつ、自分自身と周りの人を幸せにすることです」〔平成芭蕉の理念〕
そこで、還暦の60歳を過ぎて体力や気力の衰えを感じた私は、心身の健康を保つ上で重要な働きをする「脳の偏桃体」について研究し、その秘密を知ったのです。すなわち、旅行業にはマーケティングや人間心理学も必要ですが、充実した人生には、脳科学の知恵を取り入れ、心身の健康を第一とし、さらに精神的・情緒的にも満たされる必要があるのです。
「旅行から人生が変わる」キーワードは「共感」
今の高齢化社会では
「恋に溺れるのが18歳、風呂に溺れるのが81歳」
「心がもろいのが18歳、骨がもろいのが81歳」
「自分探しをしている18歳、皆が自分を探している81歳」
「まだ何も知らない18歳、もう何も覚えていない81歳」
といった流行語がありますが、私は認知症予防のためにも脳科学を勉強したのです。私たちの体は、調子が良いときには、そのときの五感情報が脳の海馬から偏桃体に送られ、「快楽」と判断されて記憶されます。
そしてその五感情報の中でも「共感」という情動反応が、偏桃体をして血行を良くし、心身の健康を保つ上で不可欠な快適睡眠の指令を出していることを体感したのです。この快適睡眠こそが顕在意識と潜在意識の願望を一致させ、精神的・情緒的な満足感も呼び起こしてくれるのです。この潜在意識こそは願望達成を後押ししてくれる眠れる巨人であり、海面下の王国です。
すなわち、「旅行から人生が変わる」キーワードは「共感」だったのです。
100年前の日本を旅したイザベラ・バードに学ぶ「旅こそ元気の秘訣」
そこで私は、忙しい旅からゆとりがあって「ときめき」を感じることのできる「共感」の旅へと転換し、人生100歳時代を楽しく、健康的に生きたいと考えたのです。
理想的な健康法はイギリスの女性探検家イザベラ・バード(『日本奥地紀行』の著者)のように「旅行+知恵=人生のときめき」をテーマとし、「心のときめき」を感じる積極的休養の旅をすることです。
*イザベラ・バードの積極的休養の旅「カナディアン・ロッキー」 参照
これまでさまざまな旅を経験してきた私ですが、旅は知恵を身に付け、本物に出会うことによってその意義や重要性を理解することができ、深い感動が生まれるのです。
平成芭蕉のマインドセットとハートセットを6つのカテゴリーでご紹介
そこで「平成芭蕉の旅物語」では、私の信念である”マインドセット”だけでなく、私の心の中を正直に”ハートセット”した自らのストーリーを、次の6つのカテゴリーに分類してご紹介します。
1.平成芭蕉の旅行術
2.平成芭蕉の旅語録
6.平成芭蕉同行の旅
これらは私が実践している「共感」をテーマとした旅の知恵であり、元禄時代の松尾芭蕉を研究した私、平成芭蕉が提唱する令和時代に適した旅を楽しむノウハウです。令和の時代は「共感」するテーマ性のある旅がおすすめです。
そこで、新しい令和の時代は、私と一緒に「ときめき」と「感動」を得る「共感」の旅を通じ、人生100歳時代を楽しく、元気よく生きて「充実した人生」にしようではありませんか。
1.平成芭蕉の旅行術
私は芭蕉さんから何を学んだか?
私は芭蕉さんの俳句にも感銘を受けましたが、一番、関心を持ったのは「芭蕉さんの旅行術」です。旅をするにはそれなりのお金がかかり、それは今も昔も変わりません。そして曽良のようなお供を連れて旅をするには、お金だけではなく、それなりの「心遣い」も必要であったことは間違いありません。
では、芭蕉さんはそのお金をどのように工面していたのでしょうか?
芭蕉さんは旅先では句会を開き、門人と交流し、彼らの「俳句を教わりたい」という欲求を満足させていたのです。そして、その対価として接待を受けたり、相応の謝礼金(又は奉仕)を受け取っていました。
そこで、私はこの芭蕉さんの旅行術を活かして旅をしてきたのです。すなわち、お客様に喜ばれる解説とサービスを提供することによって、お客様からお金をいただきながら、旅をすることができたのです。
この旅行術は芭蕉さんと同様に相応の心遣いが必要ですが、人に喜んでもらって、お金をもらうという商売の教えでもあります。
「自分の欲を満たそうとすると、お金は出ていく。逆に、他人の欲を満たそうとすると、お金は入ってくる。お金は、自分が誰かのために“貢献した対価”として与えられる」という教えです。私は芭蕉さんから“お役に立つ”という意識をもって、旅することを学んだのです。
そこで、私は「まず、お客様の役に立ちそうな情報を集める」ことから旅の準備を始めますが、この「平成芭蕉の旅行術」では、私が「旅を住処」とした俳聖松尾芭蕉から学んだ旅に対する心構えもご紹介しています。
なぜ芭蕉さんは大垣を「奥の細道むすびの地」としたのか?
芭蕉さんは「奥の細道」の旅を漂泊の旅と表現しているので、各地を彷徨い歩いたように思われますが、実際には、春に江戸を出発し、秋に大垣で旅を終えるべく、計画的に旅しています。
これは貞享元年の「野ざらし紀行」も同様で、芭蕉さんは、貞享元年(1684年)8月、江戸を「野ざらしを心に風のしむ身哉」と詠んで出発し、大垣へ到着して、旧友谷木因と再会すると、「大垣に泊りける夜は、木因が家をあるじとす」と安堵の思いを表しています。
すなわち、「野ざらし」という、行き倒れを覚悟した旅であっても、当初から大垣で旅を区切る予定だったのです。
芭蕉さんとかかわりの深い大垣は、私が生まれた昭和31年(1956年)に正覚寺の芭蕉木因遺跡と船町湊跡、昭和32年(1957年)に「奥の細道むすびの地」を市指定史跡としました。大垣には芭蕉さんの門人・知友が多くおり、谷木因や近藤如行ら大垣の知人たちは、蕉風を理解し共鳴する人々でした。
なかでも大垣藩士は江戸詰の際、深川の芭蕉庵で直接芭蕉の指導を受けていたので、藩士たちは芭蕉さんの来垣を待ち望んでいて、蕉門の藩士が芭蕉さんを大垣へ引き寄せたとも言えます。
平成芭蕉を自称する私も大垣市制100周年を記念した「奥の細道」日本遺産登録推進シンポジウムにパネラーとして招かれ、大垣市の小川市長をはじめ、奥の細道にゆかりのある富山県高岡市や宮城県松島町の首長らと「奥の細道」魅力について議論させていただきました。そして微力ながら「奥の細道」が文化庁の日本遺産に認定されるように努力しています。
2.平成芭蕉の旅語録
「平成芭蕉の旅語録」では、平成芭蕉が各地で行った講演や旅の体験談等を語っていますので参考にして下さい。
①泉佐野日本遺産シンポジウム 中世荘園「日根荘遺跡」を活かした観光都市
③旅先で出会った人との交流「日本を代表する現代の刀匠、藤安将平氏」
④旅先での案内人「第35代五島家当主の案内で訪ねた福江城と五島氏庭園」
⑤世界遺産見聞録「遠藤周作『沈黙』の舞台、外海の潜伏キリシタン教会群」
⑦世界一幸福な国デンマークに学ぶ「デンマーク王国のスヴェイネ駐日大使にご挨拶」
⑧星降る中部高地の縄文世界「甲信縄文フェスティバル」シンポジウムに登壇
〔2019年3月21日長野県・山梨県「甲信縄文フェスティバル」シンポジウム〕
3.平成芭蕉の世界遺産
「平成芭蕉の世界遺産」では、特別非営利活動法人世界遺産アカデミーのオフィシャルブログにも投稿している平成芭蕉が印象に残った世界遺産について、独自の視点から所見を述べています。
*遺産復興応援ブログ:『セレンゲティ国立公園(タンザニア)』と『北海道・北東北の縄文遺跡群(日本)』から学ぶべきもの
なお、私の夕刊フジ連載の『世界遺産旅行講座』の記事は下記よりバックナンバーをご覧いただけます。
*Zakzakライフ記事一覧『【黒田尚嗣】世界遺産旅行講座』
①松尾芭蕉も讃えた平泉の中尊寺金色堂と浄土庭園「世界遺産を訪れる『奥の深い細道』」
②セイシェル~インド洋の真珠「生きた博物館」と松田聖子さんの歌で知られる美しい夕陽
③日本人に人気のクロアチアのドゥブロヴニクとプリトヴィッツェ湖
④モーツァルトの故郷であり名指揮者カラヤンの故郷「ザルツブルク」
*ホットニュース:2020年4月28日発行旅行読売6月号より新しく『世界遺産のミカタ』という平成芭蕉の連載が始まりました。新型コロナウイルス感染拡大の影響で2021年7月号からは『日本遺産のミカタ』の連載となりました。
4.平成芭蕉の日本遺産
旅先にどのようなストーリーがあるのかを示してくれるのが文化庁が認定する104の「日本遺産」です。
「日本遺産」とは地域の歴史的魅力や特色を通じて、日本の文化・伝統をストーリーで語るものであり、このストーリーを学び、自分自身の心の中に文化遺産を構築することができれば、旅の質は向上し、人生観も変わります。
文化庁および日本遺産連盟は、2月13日を「にほん(2)いさん(13)の日」とし、これまで日本遺産を知らなかった方にも楽しんでもらえるシンポジウムや日本遺産のPRイベントを開催しています。
2023年2月13日に大手町三井ホールで開催された「日本遺産の日記念シンポジウム」のトークセッションでは、私も『ストーリーで地域を魅せる日本遺産』について語っていますので、是非ご覧ください。
「平成芭蕉の日本遺産」では、文化庁が認定する日本遺産について、平成芭蕉が独自のストーリーを語っています。
平成芭蕉も選定に加わった『NIKKEIプラス1』何でもランキング「歴史の物語に触れる日本遺産10選」も参照して下さい。
一般社団法人日本遺産普及協会と日本遺産検定
私は2023年、「日本遺産ストーリー」を通じて地域の魅力を国内外に発信する目的で、有志とともに一般社団法人日本遺産普及協会を立ち上げました。そして、協会では日本遺産ブランドの普及と日本各地の文化や伝統の普及・活用に資する目的で日本遺産検定を実施しています。
本検定は3級・2級・1級に分かれ、まずは3級(ベーシック)が開始されていますので、「日本遺産」をはじめ「日本文化」「日本史」「地域振興」に関心のある方は、下記の『日本遺産検定3級公式テキスト』(黒田尚嗣編著・一般社団法人日本遺産普及協会監修)を参考に受験していただければ幸です。お問合せ先・お申し込み先:一般社団法人日本遺産普及協会
①日本遺産とは?「ストーリー」重視のテーマ旅 外国人の誘客に繋げる〔日本遺産国際フオーラム〕
②地域型日本遺産 和歌山県広川町「百世の安堵~『稲むらの火』の物語」
③シリアル型日本遺産「栃木県那須野が原 明治貴族が描いた未来~開拓浪漫譚」
④甲州市勝沼中学校での日本遺産講座「日本ワイン140年史~国産ブドウで醸造する和文化の結晶~」」
⑤祝!宮崎県内発の日本遺産おひろめかい「南国宮崎の古墳景観~西都原古墳群他」
〔2019年2月23日宮崎県「わが町レポート」平成芭蕉の「日本遺産とは何か」講演会〕
5.平成芭蕉のテーマ旅行
「平成芭蕉のテーマ旅行」では、平成芭蕉がこれまでにないユニークなテーマで旅した所見を述べています。
①平成芭蕉の旅の原点は巡拝と巡礼です「巡礼をテーマとした旅」
③城達也「ジェットストリーム」で思い出す「空をテーマとした旅」
④お・も・て・な・し「もてなしの旅」~信長公のおもてなしと琉球文化
*平成芭蕉のテーマ旅行「もてなしの旅」は旅行読売2019年12月号に掲載されました
令和特集〔万葉集をテーマとした旅〕
1. 祝!新元号「令和」~出典『万葉集』の筑紫歌壇及び防人の歌
2. 令和の時代に訪ねる 万葉故地の世界遺産「古都奈良と法隆寺」
3. 「万葉集」をテーマとした旅①~額田王「熟田津」と防人の太宰府
目指す旅が見つかれば生き甲斐となり、その旅が実現すれば共感と共に元気回復、健康増進にも繋がります。
「長生きするものは多くを知る。旅をしたものはそれ以上を知る」
6.平成芭蕉同行の旅
「平成芭蕉同行の旅」では、平成芭蕉が自ら企画し実際にお客様とご一緒したツアーの詳細な日程と所見を述べていますので、具体的な旅行計画の参考になる貴重な記録です。
①「万葉集」をテーマとした旅~瀬戸内海の万葉故地を訪ねる3日間
③一度は行きたいウユニ塩湖 アンデスのチリ・ボリビア11日間
④英国の女性探検家イザベラ・バード『日本奥地紀行』の旅3日間
⑥縄文王国山梨・長野へ 黒曜石鉱山と縄文人に出会う旅2日間 ワクワクさん同行記テレビ東京 旅スルおつかれ様 ハーフタイムツアーズ
前編動画(テレビ東京 2021年5月21日8:00~放映分)
後編動画(テレビ東京2021年5月25日8:00~放映分)
平成芭蕉の旅の理念「旅行+知恵=人生のときめき」
旅は出会いの歴史であり、「再訪の旅」を目指す
私は「人生100歳時代」を生きる上で「共感」と共に「心のときめき」が大切であると考えていますが、旅行は知恵を伴ってこそ「心のときめき」を与えてくれます。この「旅行+知恵=人生のときめき」というコンセプトは、旅行中はもちろん、旅する前や旅した後にも意識していただきたいと思います。
世に格安旅行を求める人は多いのですが、旅先での学びや気づきを増やす方法を知り、想い出に残る旅をすれば、それが究極の格安旅行になるのです。すなわち、旅行を価値あるものにするには、知恵を身につけ、積極的な出会いから心のときめきを増やすことです。
人種が異なっても人との出会いは、心の触れ合いと「ときめき」を与えてくれ、旅行後には良き想い出として残ります。また、旅先で会うべき人がいれば、旅立ち前にも心がときめき、わくわくするのです。
つまり、将来における再会を目的とした「再訪の旅」こそが究極の旅なのです。この「平成芭蕉の旅物語」を参考に「旅行+知恵=人生のときめき」という学びと共感の旅を実践し、旅行から人生が変わる体験を味わっていただければ幸いです。
4月11日付朝刊『NIKKEIプラス1』の何でもランキング「読めば家でも旅気分 旅情が味わえる紀行文学」では、平成芭蕉も旅の専門家として紀行文学ベスト10を選ばせていただきました。外出自粛のこの機会に、紀行文学での「心の旅」はいかがでしょうか。
『NIKKEIプラス1』何でもランキング「読めば家でも旅気分 旅情が味わえる紀行文学
私の敬愛する宮本常一先生の『忘れられた日本人』も第3位にランクされていますが、この本を読めば、私たちが忘れつつある古きよき日本の心を思い起こしてくれます。
平成芭蕉の「令和の旅指南」シリーズ第5弾『生まれ変わりの一人旅』
出羽三山の「生まれ変わりの旅」で、私は月山の月読命という月に願い込めましたが、今の私の課題は「月を見上げて、日々の腕立て伏せが出来るか?」ということです。『月』を自らの目標や夢と捉え、『腕立て伏せ』を日々の行動や取り組みと考え、どれだけ、自分自身の目標を見続けながら、日々行動しているのかという問いかけです。
どんなに月に祈りを込めて夢を語っても行動していなければ手にすることはできません。しかし、行動していたとしても目標や夢を見続けていなければ、目の前に現れる出来事をこなしていくだけの味気ない作業になってしまいます。
これからの将来、自分自身が目指すところ、求められることに向かっていくためには、まず「今、何をすべきか」を考えつつ、今の行動は目標にどう紐付けられるのかを自分自身に問いかける必要があります。
立ち止まっては悩み、不安になることも沢山ありますが、そんな時に私は「生まれ変わりの一人旅」で出会った人の言葉や笑顔を思い出し、その方々に恥じぬ行動をしていくことで進むべき方向へと軌道修正されていくように感じています。
どれだけ、私たちは決めた目標を見続けているのか、そして、そこに辿り着く道のりを歩めているのか。こうした疑問を抱いた時には、やはり目標を見失わず、感情を老化させないためにも「生まれ変わりの一人旅」に出て、一歩を侮ることなく、一歩を信頼して進みましょう。令和の旅指南シリーズ5冊目の『生まれ変わりの一人旅 令和の旅指南Ⅳ』では、感情の老化を防ぐ私の体験をご紹介しています。
★平成芭蕉ブックス
①『人生は旅行が9割 令和の旅指南Ⅰ』: 長生きして人生を楽しむために 旅行の質が人生を決める
②『縄文人からのメッセージ 令和の旅指南Ⅱ』: 縄文人の精神世界に触れる 日本遺産と世界遺産の旅
③『松尾芭蕉の旅に学ぶ 令和の旅指南Ⅲ』:芭蕉に学ぶテーマ旅 「奥の深い細道」の旅
④『生まれ変わりの一人旅 令和の旅指南Ⅳ』: 感動を味わう一人旅のススメ
⑤『日本遺産の教科書 令和の旅指南』: 日本人の心に灯をつける 日本遺産ストーリーの旅