世界でも珍しい海岸に位置する砂漠、ナミビアの「ナミブ砂漠」
豪華列車ロボス・レイルで美しいナミブ砂漠見学
私はかつて南アフリカが誇る世界最高級の豪華列車ロボス・レイル(Rovos Rail)の「プライド・オブ・アフリカ号(Pride of Africa)」で、ナミビアのスワコプムントから南アフリカのプレトリアまで旅した際、世界自然遺産のナミブ砂漠を訪れました。
ナミビアという国は、アフリカ西洋岸沿いに南アフリカ共和国の国境付近まで1,200km以上にわたって続く、世界でも珍しい海岸に位置する「ナミブ砂漠」で有名です。 なかでも南北約320km、幅約120kmの「ナミブ砂海」と呼ばれる一帯は、高さ100m~300mを超える巨大な砂丘が延々と連なる特異な自然美で知られ、2013年に世界自然遺産に登録されました。
また、ロボス・レイルのPride of Africa号は、Rohan Vos氏が個人で所有する豪華列車で、15両編成からなり、豪華コンパートメントにダイニングカー、ラウンジカーを備え、走る文化遺産と呼ばれています。
急がない贅沢をポリシーにしたクラッシックなロボス列車の旅は、古き時代のこの大陸の時間の流れを取り戻します。典型的な19世紀末の蒸気機関車の内装は、100%マホガニーを使用し、重厚な雰囲気と懐かしい香りに包まれています。
私は南アフリカのヨハネスブルクから空路でナミビアのウォルビスベイ空港に到着し、専用車でナミブ砂漠を走りながらロボス・レイルの乗車地であるスワコプムントに向かいました。
スワコプムントは、大西洋の海と乾燥したナミブ砂漠の間に位置するドイツ植民地時代の歴史ある街で、ナミブ砂漠やスケルトンコースト国立公園の探索拠点となっています。昔からナミビアの海域は、海流による霧が多く発生し、霧によって方向を見失い座礁する船が後を絶たず、通信手段が無かった時代には、座礁した船の乗組員は砂漠を彷徨って死に至るという世界一危険な海岸として、「スケルトンコースト(骸骨海岸)」と呼ばれるようになりました。
そして座礁船をわざわざ砂漠の中から引き上げる人もいないので、スケルトンコーストには朽ちかけの座礁船がそのまま残っており、それが観光スポットになっています。
しかし、ナミビア最大の見どころはやはりナミブ砂海の砂丘にあり、砂漠好きの私が雄大なサハラ砂漠と共に感動した砂漠は、ここナミブ砂漠の奥地の砂丘です。スワコプムント周辺の砂丘だけ見ていても本物のナミブ砂漠を見たことにはならないので、ぜひ奥地の世界最大の砂丘群と言われるソッサスブレイまで足を運びましょう。ソッサスブレイは、360度を砂丘に囲まれており、ナミブ砂漠の真髄と言われている場所です。
世界最古の砂漠と言われるナミブ砂漠では、1億年前から生存する植物「ウェルウィッチア」も見ることができますが、この古代植物はまるで枯れているように見えても、地面深くに根を生やし、ちゃんと水分を吸い上げて生きています。
ソッサスブレイに行く途中、「砂丘デューン45」という世界で一番美しいと言われる、砂丘を見ることもできます。標高が130ⅿほどの砂丘デューン45には比較的簡単に登れるので、早朝ここに登ってあたりの風景を眺めるのがお薦めです。ナミブ砂漠の砂丘のどれもが標高の高い大砂丘群だと実感できます。砂は鉄分を多量に含んでいて、何万年も太陽に焼かれているうちに鉄分が酸化して赤みを帯び、アプリコット色とも呼ばれる美しいパノラマが堪能できます。
特に昇る朝日と沈む夕日を拝むことができれば、オレンジ色の砂丘が赤々と照らされて、その色合いが刻々と変わる姿はなんとも神秘的です。また、砂に刻まれた風紋や砂丘自体も風により絶えず変化しているので、一瞬たりとも同じ景色はありません。
「ナミブ」とはこの地に住むサン族の言葉で「何もない」という意味ですが、何もなければ夜の星空も美しく、満天の星に言葉を失い、静寂の世界にどっぷりと浸ることができます。ナミブ砂海に隣接するナミブランド自然保護区は、アフリカ初の「星空保護区」にも選ばれています。
祝!日本の縄文文化「北海道と北東北の縄文遺跡群」が世界文化遺産登録
「北海道と北東北の縄文遺跡群」が世界文化遺産に登録されたことを記念して、私はみちのくを旅した芭蕉の研究本『松尾芭蕉の旅に学ぶ』と共に『縄文人からのメッセージ』というタイトルで縄文文化を語り、平成芭蕉の『令和の旅指南』シリーズ(Kindle電子本)として出版しました。人生100歳時代を楽しく旅するために縄文人の精神世界に触れていただければ幸いです。
また、日本人の心に灯をつける『日本遺産の教科書』、長生きして人生を楽しむための指南書『人生は旅行が9割』、感情の老化を防ぐ私の旅日記である『生まれ変わりの一人旅』とともにご一読下さい。
★平成芭蕉ブックス
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②『縄文人からのメッセージ 令和の旅指南Ⅱ』: 縄文人の精神世界に触れる 日本遺産と世界遺産の旅
③『松尾芭蕉の旅に学ぶ 令和の旅指南Ⅲ』:芭蕉に学ぶテーマ旅 「奥の深い細道」の旅
④『生まれ変わりの一人旅 令和の旅指南Ⅳ』: 感動を味わう一人旅のススメ
⑤『日本遺産の教科書 令和の旅指南』: 日本人の心に灯をつける 日本遺産ストーリーの旅
★関連記事:平成芭蕉の旅のアドバイス「旅して幸せになる~令和の旅」
私は平成芭蕉、自分の足で自分の五感を使って世界遺産を旅しています
「平成芭蕉の世界遺産」はその世界遺産についての単なる解説ではなく、私が実際に現地に赴いてその土地に生きる人たちと交流した際に感じた感動の記録です。