日本の世界遺産「古都奈良の文化財と法隆寺」 | 芭蕉さんの旅講座

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日本の世界遺産「古都奈良の文化財と法隆寺」

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神道や仏教など日本文化の原点、飛鳥・奈良世界遺産

「古都奈良の文化財」は神仏習合の世界遺産

私は世界遺産の記事を数多く書いてきましたが、海外の世界遺産を知れば、やはり、日本の代表的な文化遺産である日本の世界遺産についても正しく知る必要があると痛感します。

すなわち、母国の日本を知らずしてグローバルな視点で世界は語れないので、国際交流のためには、まずはお互いの国の文化を知るのが第一歩だと思います。

そこで、今回は日本のこころが生き長らえている奈良と飛鳥の世界遺産をご紹介します。

奈良県の世界遺産には①紀伊山地の霊場と参詣道②法隆寺地域の仏教建造物③古都奈良の文化財の3つがありますが、それぞれのテーマを簡潔に表せば①は神道・修験道②は仏教③は神仏習合と言えます。

奈良に都が置かれたのは710年で、それから1300年以上の時が流れていますが、今日の日本の社会すなわち日本文化の基礎はやはり奈良時代の平城京に起源があると思われます。

すなわち明治政府によって1868年に神仏分離令が出され、一時は廃仏毀釈運動も起こりましたが、現代社会は最終的には神仏習合的な奈良時代の延長線上に戻っています。

平城宮と東大寺の大仏

実際に世界遺産「古都奈良の文化財」は、国宝建造物を有する東大寺・興福寺・薬師寺・唐招提寺・元興寺・春日大社の6つと特別史跡である平城宮跡、そして特別天然記念物に指定されている春日山原始林の8つの資産が個別に評価されたのではなく、全体がひとつの文化遺産として評価されたのです。

平城京はシルクロードの終着点でもあったことから、国際的な都市でした。

しかし、当時、権力を握っていた藤原不比等ゆかりの興福寺が、その天皇家の平城宮を見下ろす位置にあったことを知れば、これら構成遺産のつながりを理解することができます。

すなわち、春日大社は藤原氏の祖である中臣氏の氏神を祀っていたことから神仏習合で藤原氏の氏寺である興福寺と結びつき、この藤原勢力に対抗するために聖武天皇行基率いる優婆塞(朝廷の許可を得ていない僧)と協力して春日山の麓に東大寺を建立したと推定できるのです。

当時の仏教は「大仏建立の詔」にもある通り、国家の鎮護・安寧を願った国策仏教でしたが、疫病が流行ったこともあり、鑑真(唐招提寺を建立)を招聘した長屋王など滅ぼされた人たちの祟りという考えも大いに影響していました。

そこで、これらの祟りを鎮める目的からも称徳天皇(聖武天皇の子)は大寺に行幸し、仏教重視の政策を進める一方で、伊勢神宮や宇佐八幡宮内に神宮寺を建立するなど神仏習合を進めたのだと思います。

法隆寺の五重塔の意義

一方、一般的な寺社参拝ツアーでは本堂のご本尊参拝が目的ですが、仏教を開いた釈尊の遺骨(仏舎利)仏塔に奉安されているので、本来、仏教寺院において最も重要な建物は本堂や金堂ではなくなのです。

日本で最初に世界文化遺産に指定された、イカルという鳥の名が由来の斑鳩に立つ法隆寺は、聖徳太子ゆかりの寺院で現存する世界最古の木造建築ですが、その建造物群の中でも重要なものはやはり、その西院伽藍の中心に位置する五重塔です。

一層目に裳階(もこし)が付随し、二層、三層と上に行くに従い、柱間が狭く、屋根も程よい比率で小さくなっているため、相輪と一体となって全体がきれいな二等辺三角形を成し、美しさと安定感では数ある日本の五重塔の中でも一番です。

なお、この塔の初層の内陣には、仏教の経典に書かれている世界が塑像で表現されており、特に北面の「涅槃像土」は有名です。

この五重塔に隣接する美しい金堂には、法隆寺の本尊、すなわち「中の間」に聖徳太子のための釈迦三尊像、「東の間」に父・用明天皇のための薬師如来坐像、「西の間」には母・穴穂部間人皇后のための阿弥陀如来坐像が安置されています。

また、法隆寺北東の岡本地区に位置する法起寺三重塔も法隆寺とともに日本で最初に世界文化遺産に登録されたわが国最古の三重塔です。

法起寺はかつて「ほっきじ」と呼んでいましたが、世界遺産に登録される際、「法」の読み方を統一する必要から当時の高田良信法隆寺管長が「ほうきじ」を正式名称としました。

この三重塔は法隆寺の五重塔の二層、四層をだるま落としの要領で抜いた形になっているそうです。

日本最初の世界文化遺産だけあって法隆寺は「仏教美術の集大成」ですが、約1300年もの風雪に耐えた五重塔をヒントに現代の高層ビルが建てられていることを思えば、古代人の偉大な叡智には驚かされます。

 


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