カンボジアを象徴する世界遺産 アンコール遺跡群
アンコール遺跡はカンボジア北西部のシェムリアップの北側に位置するクメール王朝時代の都の遺跡です。
この遺跡に大きく関わった人物は、アンコール・ワットを建設したスールヤヴァルマン2世とアンコール・トムの主要部分を築いたジャヤヴァルマン7世です。
アンコール周辺には、この2つ以外にも数多くの遺跡があり、「東のアンコール」とも呼ばれるベンメリア、「女性の砦」を意味するバンテアイスレイ、そしてジャングルに浸食されているタ・プロムなども人気があります。
カンボジアの世界遺産 クメール建築の最高傑作アンコール・ワット
アジアの三大仏教遺跡の一つ「アンコール遺跡」
既視感(デジャヴュ)という言葉があります。一度も体験したことがないのに、すでにどこかで体験したことのように感じることです。
私はアジアを旅行していると時々このデジャヴュに遭遇します。
静かで不思議な感動を伝える信仰や土着民族の風習、懐かしいと感じる風景など、五感に新鮮な驚きが溢れ、肌ににじんだ汗が地元の空気に馴染む頃、このデジャヴュがやってきます。
とりわけ、インドネシアのボロブドゥール、ミャンマーのバガンと並ぶアジアの三大仏教遺跡の一つ、カンボジアのアンコール遺跡を訪れた際には強く感じました。
この感動は私たち日本人が忘れていたものか、それとも持ったことのないものなのかどうかは分かりませんが、アジアに生きる自分を実感できるのです。
クメール王朝の繁栄を物語るカンボジア人の誇り
カンボジア北西部の「アンコール遺跡群」は、クメール人が興したアンコール朝時代に築かれた都市遺跡で、歴代の王が築いた都城や寺院が残っています。そしでカンボジアを象徴する建造物のアンコール・ワット(寺院都市)は、そのカンボジア王国シェムリアップ州にあるアンコール・トムなどの大小複数の遺跡の一部です。
アンコール・トムはクメール王朝最盛期の12世紀末から13世紀初めにかけてジャヤヴァルマン7世が築いた城郭都市で、その中心は仏教寺院のバイヨンです。
このバイヨン寺院には、王が崇拝した巨大な観世音菩薩の四面仏顔塔が54基も立ち並んでおり、四方八方からこの「クメールの微笑」に囲まれると壮観で、気持ちも安らぎ、信心深い気持ちにさせられます。
まさにクメール王朝の繁栄を今に伝えるカンボジア人の誇りの象徴です。
アンコール・ワットの回廊に施されたヒンドゥー神話のレリーフ
アンコール・ワットはスールヤヴァルマン2世の治下、1113年から約30年かけて建立されたヒンドゥー教寺院で、王はこの寺院に王権の神格とクメール(カンボジア)文化独自の宇宙観を表現しました。
すなわち高さ60mの中央塔の周りに4基の塔を配した祠堂は世界の中心の須弥山(しゅみせん)、周壁は雄大なヒマラヤの霊峰、環濠は深く無限の大洋を象徴しています。
特にアンコール・ワット本殿の回廊には豪華絢爛で精緻なレリーフが施され、特に第2回廊に描かれたヒンドゥー神話の天地創造に関する「乳海攪拌」図は必見です。
アンコール遺跡で朝日と夕陽鑑賞
また、このアンコール・ワットは西を向いて建っているので、朝日鑑賞の際に太陽に照らされ、シルエットとなって浮かび上がる姿も格別です。
しかし、私のお薦めは王都の中心、須弥山を表現したとされるプノン・バケンからの日没風景です。
夕陽に染められていく素晴らしい景色を眺めていると、自然の偉大さを感じると同時にデジャヴュに遭遇し、タイムスリップしてアンコール朝に戻ったような疑似体験が味わえます。
祝!日本の縄文文化「北海道と北東北の縄文遺跡群」が世界文化遺産登録
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私は平成芭蕉、自分の足で自分の五感を使って世界遺産を旅しています
世界遺産とは地球の成り立ちと人類の歴史によって生み出された全人類が共有すべき宝物で、その内容によって①文化遺産②自然遺産③複合遺産に分類されます。この「平成芭蕉の世界遺産」はその世界遺産についての単なる解説ではなく、私が実際に現地に赴いてその土地に生きる人たちと交流した際に感じた感動の記録です。