令和の「平成芭蕉」

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平成芭蕉の日本遺産

平成芭蕉の日本遺産~「甲信縄文フェスティバル」での縄文世界

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「甲信縄文フェスティバル」シンポジウムの感想

茅野市民会館での日本遺産「星降る中部高地の縄文世界」イベント

3月21日の春分の日は、長野県茅野市民会館で行われた「甲信縄文フェスティバル」にシンポジウムのパネラーとして招かれました。

甲信縄文フェスティバル

甲信縄文フェスティバル

このフェスティバルは茅野市を中心とした甲信地域が「星降る中部高地の縄文世界~数千年を遡る黒曜石鉱山と縄文人に出会う旅」をテーマとする「日本遺産」に認定されたことで、「縄文文化体感エリア」としてのブランド構築とその魅力発信を目的として開催されました。

オープニングでは、土器の文様を音符に置き換え、地中に眠る縄文の歴史に思いを馳せる「JOMON MUSIC of the EARTH」
を「なじょもん縄文親善大使」斎藤孝太郎さんがエレクトリックチェロ演奏で披露されました。

続く基調講演は歴史研究家の河合敦先生による「縄文文化を中心とした日本の古代史について」という興味深い話でした。

平成芭蕉による縄文文化考察

星降る中部高地の黒曜石

先生の講演では「縄文人は蓄えるということをしなかった」という話が、私には興味深く響きました。

なぜなら、すべての争いは「人が所有するもの」を奪い合うことが原因となることが多く、縄文人はその奪うものを所有しなかったので、平和な時代を築けたのではないかはないかと思うのです。

自然界において人間以外の動物は、必要な時に必要最小限の食料しか求めず、また蓄えることもほとんどしません。

百獣の王ライオンですら、生きるためのハンティングはしても無駄な殺生はしていないのです。

その点人類は多くの食料を蓄えては無駄にすることも多く、動物本来の嗅覚や感覚も失いつつある危険を感じます。

すなわち食べ物の賞味期限は自然界の動物同様、食べる人が自己責任で判断し、食料も縄文人を見習ってもっと大切にすべきではないでしょうか。

特に日本人の食文化は「新鮮な切ったものを食べる」ことが主で西洋料理のようにフォークとナイフで「切って食べる」文化ではありません。

そのため、包丁や日本刀においては「切れ味」という表現を使うのす。よってこの日本の食文化も切れ味鋭い黒曜石の石器にルーツがあるのではないでしょうか。

そして、この切れ味鋭い黒曜石による道具と優れた土器利用がこの地の縄文文化を支えたのだと思います。

黒曜石と「人類発祥の地」エチオピア

また、黒曜石の英語名ObsidianエチオピアのオブシウスObsiusで発見されたことが語源と言われていますが、エチオピアは人類の発祥の地でもあります。

世界遺産のアワッシュ川下流域で発見された最古の人骨は女性のアウストラロピテクス・アファレンシスで、この人類の起源とされるアファール猿人は「ルーシー」と名付けられました。

このアワッシュ川流域はその後の調査でさらに40体の人骨と316個の化石が発見され、人類の進化と歴史を知る上で重要な場所ですが、そのエチオピアが黒曜石の産地でもある点が興味深く感じます。

人類の進化の過程で道具の発明は第一段階の革命で、この道具の原料が黒曜石であったこと考えれば、エチオピアの古代文明と日本の縄文文化には共通点があるのではないでしょうか。

実際、黒耀石の原産地とされる長野県鷹山の「星糞峠」や旧中山道の和田峠近くの依田川の谷筋は、エチオピアのアワッシュ川を連想させます。

「甲信縄文フェスティバル」パネルディスカッション

甲信縄文フェスティバルのシンボル

パネルディスカッションでは美術史家の山下裕二氏がコーディネーターを務め、パネリストには河合敦先生と私、平成芭蕉以外に「初めての土偶」著者の誉田亜紀子氏、そして黒曜石体験ミュージアム学芸員の大竹幸恵氏が登壇しました。

大竹さんからは黒曜石発掘調査のこと、誉田さんからは有名な国宝の土偶「仮面の女神」や棚畑遺跡から出土したもう一つの国宝土偶「縄文のビーナス」についての興味深いお話がありました。

縄文のビーナス

私もこの「仮面の女神」「縄文のビーナス」の土偶を観察すれば、縄文時代はやはり女性が生命の原点であり、感謝の対象として崇敬されていた感じます。

すなわち、縄文時代は男性の狩猟採取の活動も認識しつつも、あくまで女性の勤勉さと充足・安定を尊ぶ文化であったと考えられます。

それが弥生時代となり、稲作文化による階級社会が生まれ、安土桃山時代の南蛮文化や明治以降の近代ヨーロッパ文化によって日本は近代化し、縄文文化に刺激を与え、活性化させてきたのです。

しかし、西洋の価値観による社会が淘汰されつつある現在、日本人の本質的な文明である縄文回帰が起きているように感じます。

すなわち、日本人は本来、すべてのものに神の存在を認める平和的な民族なので、縄文文明こそが日本文明といってもよいのではないでしょうか。

私は愛らしい縄文時代の土偶を眺め、今回の「甲信縄文フェスティバル」に参加し、改めて「縄文文化こそが日本人の内なるフロンティア精神」だと確信しました。

また、この「黒曜石鉱石と縄文人に出会う旅」のハーフタイムツアーズ放送番組映像(前編・後編)は下記となります。

日本の縄文文化「北海道と北東北の縄文遺跡群」が世界文化遺産!

「北海道と北東北の縄文遺跡群」が世界文化遺産に登録されることを記念して、私はこのたび『縄文人からのメッセージ』というタイトルで令和の旅を語り、Amazonの電子本として出版しました。人生100歳時代を楽しく旅するために縄文人の精神世界に触れていただければ幸いです。日本人の心に灯をつける『日本遺産の教科書』、長生きして人生を楽しむための指南書『人生は旅行が9割』とともにご一読下さい。

★平成芭蕉ブックス
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 ②『人生は旅行が9割 令和の旅指南Ⅰ』: 長生きして人生を楽しむために 旅行の質が人生を決める
 『縄文人からのメッセージ 令和の旅指南Ⅱ』: 縄文人の精神世界に触れる 日本遺産と世界遺産の旅 

平成芭蕉ブックス『令和の旅指南』

★関連記事:平成芭蕉の旅のアドバイス「旅して幸せになる~令和の旅」

一般社団法人日本遺産普及協会と日本遺産検定

私は2023年、「日本遺産ストーリー」を通じて地域の魅力を国内外に発信する目的で、有志とともに一般社団法人日本遺産普及協会を立ち上げました。そして、協会では日本遺産ブランドの普及と日本各地の文化や伝統の普及・活用に資する目的で日本遺産検定を実施しています。
本検定は3級・2級・1級に分かれ、まずは3級(ベーシック)が開始されていますので、「日本遺産」をはじめ「日本文化」「日本史」「地域振興」に関心のある方は、下記の『日本遺産検定3級公式テキスト』(黒田尚嗣編著・一般社団法人日本遺産普及協会監修)を参考に受験していただければ幸です。お問合せ先・お申し込み先:一般社団法人日本遺産普及協会

平成芭蕉メッセージ ~「旅の質」が人生を変える

「小説が書かれ読まれるのは人生がただ一度であることへの抗議」という言葉がありますが、私にとって旅することは、一度限りの人生を最大限に楽しむための創造活動なのです。そして私は、人生を楽しむために必要な「心のときめき」は、「知恵を伴う旅」を通じて得られると考えています。

そこでこの度、私はその知恵を伴う日本遺産や世界遺産の旅を紹介しつつ、平成芭蕉独自の旅の楽しみ方とテーマ旅行に関する企画アイデアノート、さらに著者が松尾芭蕉の旅から学んだ旅行術について紹介した『平成芭蕉の旅指南 人生が変わるオススメの旅 旅の質が人生を決める』と題した本を出版しました。このブログと合わせてご一読いただければ幸です。

私は平成芭蕉、自分の足で自分の五感を使って日本遺産を旅しています。

平成芭蕉の日本遺産

平成芭蕉の日本遺産

この「平成芭蕉の日本遺産」は、単なる日本遺産登録地の紹介や旅情報の提供ではなく、「平成芭蕉」を自称する私が、実際に現地を訪れて、地元の人と交流し、私が感じたことや認定されたストーリー対する私自身の所見を述べた記録です。

「令和の旅」へ挑む平成芭蕉

*「平成芭蕉の旅物語」サイトマップ参照

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