私は平成芭蕉、自分の足で自分の五感を使って世界遺産を旅しています。

平成芭蕉の世界遺産
世界遺産とは地球の成り立ちと人類の歴史によって生み出された全人類が共有すべき宝物で、その内容によって①文化遺産②自然遺産③複合遺産に分類されます。この「平成芭蕉の世界遺産」はその世界遺産についての単なる解説ではなく、私が実際に現地に赴いてその土地に生きる人たちと交流した際に感じた感動の記録です。
シェイクスピアの『ハムレット』の舞台 デンマークのクロンボー城

平成芭蕉の「世界遺産への旅」
シェイクスピアの4大悲劇のなかでも傑作とされる「ハムレット」に登場する舞台は幸福の国デンマークの古城、クロンボー城です。
海を臨んでどっしりとたたずむその姿は「孤高の城」を思わせ、孤独な印象を与えるので「ハムレット」の絶好の舞台だったと思われます。
デンマークの世界遺産『ハムレット』の舞台「クロンボー城」
デンマーク製品のLEGOとヒュッゲの習慣

デンマークのLEGOランド
私は阪神大震災で被災するまでは、毎年、クリスマスにはデンマーク製ロイヤルコペンハーゲンのクリスマスプレートを買っていました。
しかし、震災でこれらのプレートは粉々に割れてしまい、震災以降は高価な陶器類は買わなくなりました。
ロイヤルコペンハーゲンの陶器類は被害を受けましたが、同じデンマークの製品でも子供の頃に遊んでいたLEGOは無事でした。
レゴと言えばデンマーク語の「良く遊べLeg Godt」から社名をLEGOとした、世界的に有名な組み立てブロック玩具のブランドです。
「良く遊べ」というレゴの国には必死で働くという概念がないようで、週37時間労働制のデンマークでは、「人生がつらい」と感じている人はわずかに1%と言われています。
実際、2016年に国連が行った幸福度調査ではデンマークが第1位です。
その理由としては長期休暇、教育費が大学まで無料、税金は高いが保障が充実、医療負担がほとんどない等、いくつかありますが、私はデンマーク特有のヒュッゲHyggeという「居心地の良い空間や時間」を大切にする習慣にこそ幸せの源があるのではないかと考えています。
『ハムレット』の舞台「クロンボー城」とデンマーク神話

『ハムレット』の舞台クロンボー城
そこで今回は幸福の国デンマークを考察する意味で世界遺産クロンボー城をご紹介します。
クロンボー城は15世紀に海峡通行税徴収を目的として造られ、16世紀には要塞機能の強化及び王宮としての機能を追加するべく改修されルネサンス様式に変貌しましたが、その後幾度となく戦争や火災に見舞われ、姿を変えて現在のほぼ四角形の姿になりました。
北東入り口の向かいの壁にはシェイクスピアの胸像レリーフがありますが、この城こそ
「To be or not to be, that is the question」
の台詞で有名なシェイクスピアの戯曲『ハムレット』の舞台として知られた古城であり、城の真ん中にある広場では、毎年夏にシェイクスピアの野外劇が上演されています。
そしてこの城の地下室には、腕組みして眠るデンマーク神話での伝説上の英雄ホルガー・ダンスクHolger Danskeの石像があります。
彼はデンマークの危機には眠りから覚めて祖国を救うと言われていますが、私はこの英雄の剣と楯を持ちつつも何となくまったりとした感じがデンマーク人のヒュッゲのルーツではないかと思います。
なぜならこの英雄の姿は、戦いをしばし忘れて自分の世界に入って居眠りしているようにも見えて、これはデンマーク人の幸福の源「暖炉の前でまったりする習慣」ヒュッゲを連想させるからです。
〔デンマーク特有のヒュッゲHyggeこそ「幸福の秘訣」〕
★zakzak「ライフ」:2017年7月28日夕刊フジ「世界遺産旅行講座」掲載
★印関連記事:デンマーク王国のスヴェイネ駐日大使公邸訪問
by 【平成芭蕉こと黒田尚嗣】
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