令和の「平成芭蕉」

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平成芭蕉の世界遺産

平成芭蕉の世界遺産 山田長政が活躍した「平和の都」タイのアユタヤ

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交易によって栄華を誇ったタイのアユタヤ王朝

平成芭蕉の「世界遺産への旅」

平成芭蕉の「世界遺産への旅」

 日本人 山田長政が活躍した「平和の都」アユタヤ

アユタヤは、バンコクから車で約2時間、およそ80km北に位置する古都で、現在は、当時の遺跡が歴史公園として保存され、世界遺産にも登録されています。バンコクから気軽に訪ねることができ、日中は象に乗って遺跡を見学できるほか、夜には遺跡が美しくライトアップされるので観光客に人気のスポットです。

アユタヤ遺跡のライトアップ

アユタヤ遺跡群は、チャオプラヤー川とその支流であるパーサック川、ロップリー川に囲まれた中州に集中しており、これは、敵からの防御を考えて中心部の回りに運河を掘ったことによるものと考えられています。

アユタヤ王朝は、灼熱の太陽が降り注ぐ豊かな大地に、チャオプラヤー川の水上交易で栄え、1351年から1767年までの約400年間、タイの中心として存在し、17世紀には「日本人町」などの外国人居留区も形成されていました。当時の外国人は、貿易商人であると同時に王朝の戦闘部隊でもあったので、戦術に長けた日本人は特に重用され、なかでも「日本人町」の頭領、山田長政は外国人としては異例の官位を与えられていました。

アユタヤ日本人町の山田長政像

サンスクリット語で「平和の都」を意味するアユタヤは、貿易で国際商業都市として繁栄し、この貿易に適した地で、王はその独占貿易で莫大な利益を収めました。また、同時に上座部仏教を信仰していた王は、この莫大な利益をもとに多くの荘厳な寺院や黄金に輝く仏塔、優美な王宮が建設しましたが、ビルマ(現ミャンマー)に度々侵略を受けて衰退しました。

特に1549年、チャクラパット王が即位した直後の戦いは壮絶で、勇敢な王に続き、男装した王妃スリーヨータイも出陣、敵軍が王に襲いかかった際、身を挺して夫を守りましたが、王妃はその時の傷が元で亡くなったのです。アユタヤ王朝の存続のため、男装して戦った王妃の死を悼んで建てられた仏塔は、「平和の都」の精神を今に伝えています。

アユタヤ遺跡の見どころ

古都アユタヤの有名寺院としては、初代ウートン王が、セイロン(現スリランカ)の修行から帰った僧侶らの瞑想のために建てた「ワット・ヤイ・チャイ・モンコン」があります。遠くからでも見える高さ72mの巨大なチェディ(仏塔)がシンボルで、敷地内には一体ずつ表情が異なる坐仏像や、ゆったりと落ち着いた表情の涅槃仏があります。

遺跡群のほとんどが破壊されてしまったアユタヤ遺跡ですが、3本の仏塔が特徴的な「ワット・プラ・シー・サンペット」は、王室儀礼が行われていた王宮寺院で、アユタヤ王朝時代から破壊されずに残っているために保存状態もよく、アユタヤ時代の建築をそのまま見ることができる貴重な遺跡です。

ワット・プラ・シー・サンペット

しかし、私にとって一番印象的な遺跡は「ワット・マハータート」で、破壊されて頭部のない仏像や、崩れ落ちたレンガの壁が残る仏教寺院の廃墟です。この寺院には木の根に取り込まれた仏頭があり、異様な雰囲気を漂わせていますが、今も人々の信仰を集めています。

「ワット・マハータート」の仏頭

タイの人にとって寺院や仏像はすべて信仰の対象で、この仏頭の写真を撮る際にも、立ったまま上から見下ろすように撮影するのはマナー違反で、仏様に敬意を払い、仏頭より下から撮影するようにします。

また、「ワット・ローカヤ・スター」の微笑を浮べてのびのびと横たわる寝釈迦像も見ごたえがあります。この寺院には、ビルマ軍の侵攻で他の仏教施設は破壊されましたが、80歳で入滅した仏陀の姿を現した、全長37メートル、高さ8mの涅槃仏(ねはんぶつ)のみ残っているのです。

ワット・ローカヤ・スターの寝釈迦像

アユタヤ史跡公園は、このようにビルマ軍に破壊された廃墟の遺跡ですが、「平和の都」の魂が残っており、この魂が西欧列強の植民地になることなく、東南アジアで唯一独立を保った、タイ国民の力に繋がっているような気がします。

そこで、ビルマに制圧されアユタヤ王朝が崩壊した後、廃墟となってしまった跡地に、19世紀になってからラーマ4世がアユタヤ滞在中の離宮として建てた「チャンタラカセーム国立博物館」の見学をお勧めします。

チャンタラカセーム国立博物館

建物を見学するだけでも興味深い博物館ですが、建物自体が、元々アユタヤの王、ナレースワン王と弟のエカタット王が即位以前に生活をしていた宮殿で、アユタヤ時代の美しい仏像をはじめ王の遺品など興味深い展示品を見学することができます。

平成芭蕉メッセージ ~「旅の質」が人生を変える

「小説が書かれ読まれるのは人生がただ一度であることへの抗議」という言葉がありますが、私にとって旅することは、一度限りの人生を最大限に楽しむための創造活動なのです。そして私は、人生を楽しむために必要な「心のときめき」は、「知恵を伴う旅」を通じて得られると考えています。

そこでこの度、私はその知恵を伴う日本遺産や世界遺産の旅を紹介しつつ、平成芭蕉独自の旅の楽しみ方とテーマ旅行に関する企画アイデアノート、さらに著者が松尾芭蕉の旅から学んだ旅行術について紹介した『平成芭蕉の旅指南 人生が変わるオススメの旅 旅の質が人生を決める』と題した本を出版しました。このブログと合わせてご一読いただければ幸です。

参考記事:世界遺産の旅における「へー、そうだったの」

★関連記事:平成芭蕉の旅のアドバイス「旅して幸せになる~令和の旅」

私は平成芭蕉、自分の足で自分の五感を使って世界遺産を旅しています

平成芭蕉の世界遺産

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「平成芭蕉の世界遺産」はその世界遺産についての単なる解説ではなく、私が実際に現地に赴いてその土地に生きる人たちと交流した際に感じた感動の記録です。

「令和の旅」へ挑む平成芭蕉

*「平成芭蕉の旅物語」サイトマップ参照

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