令和の「平成芭蕉」

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平成芭蕉の世界遺産

平成芭蕉の世界遺産 ドイツ~世界最大のゴシック建造物「ケルン大聖堂」

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世界で最大のゴシック建造物「ケルン大聖堂」

平成芭蕉の「世界遺産への旅」

平成芭蕉の「世界遺産への旅」

日本ではクリスマスシーズンになると街のいたる所にクルスマスツリーが飾られますが、ヨーロッパ特にイタリアでは、ツリーではなくプレゼピオと呼ばれる「馬小屋飾り」を飾ってクリスマスを祝います。
プレゼピオはキリスト誕生の場面を表した模型で、馬小屋にて聖家族、東方三博士、羊飼いが救世主誕生を祝福している場面が表現されています。

このキリスト降誕祭と共に登場する「東方三博士(賢王)」は、星の導きで幼子イエスを拝み、乳香、没薬、黄金を贈り物として献げたとされ、彼らの聖遺物がドイツのケルン大聖堂に祀られています。
そこで今回はクリスマス・マーケットで賑わうドイツ・ケルン市のシンボルであり、キリスト教建築としては最大規模のゴシック様式の傑作、ケルン大聖堂をご紹介します。

このライン河畔に建つ世界最大のゴシック様式教会の正式名称は「ザンクト・ペーター・ウント・マリア大聖堂(Dom St.Peter und Maria)」で、ドイツ西部のトリーア市にあるトリーア大聖堂、ドイツ中西部のマインツ市にある、マインツ大聖堂とあわせてドイツ三大大聖堂と呼ばれています。

世界最大のゴシック建築ケルン大聖堂

世界最大のゴシック建築ケルン大聖堂

東方三博士の聖遺物を納めた黄金の棺で有名

奥行約144m、最大幅は約86mで、塔を含めた高さが約157メートルもあり、米国のワシントン記念塔が完成するまでは世界一高い建造物でした。

中央祭壇の奥には黄金で飾られた聖棺があり、この中には1164年、ミラノから持ち帰られた東方三博士の聖遺物が入っているため、古来より多くの人がこの地を巡礼で訪れるようになったのです。中央祭壇の右上の柱には「ミラノのマドンナ」と呼ばれる聖マリアの彫像がありますが、これも東方三博士の聖遺物と共にミラノからこの聖堂に運ばれてきた価値あるものです。

また、聖堂内には「旅の守護神」聖クリストフォロスの彫像があります。人を肩に乗せて渡る仕事をしていた聖クリストフォロスが幼いキリストを運ぶこととなり、力自慢だった聖クリストフォロスが途中でその子を重く感じ、杖でやっと渡り切ったという逸話が残る彫像です。

ケルン大聖堂

ケルン大聖堂

現存の大聖堂は3代目で、1248年に建築家ゲルハルトがフランスのアミアン大聖堂を手本として着工しましたが、資金不足のために1560年、内陣だけ完成した状態で工事は中断されてしまいました。その後、1814年にダルムシュタットで西側正面のオリジナル図面が見つかり、1842年になって建築再開され、当初の計画通り純粋なゴシック様式で全てが完成したのは1880年でした。

その大さには圧倒されますが、聖堂内部は内陣と周廊、祭室群で構成されており、内陣に続く身廊の天井を支えるリブ・ヴォールト、周廊のステンドグラスなどは天井の高さと光を追求するゴシック様式の典型です。すなわち、単に大きいだけでなく、美しいステンドグラスが飾られており、細部の彫刻もきわめて精密繊細で、人目にふれない箇所にも素晴らしい装飾が施されています。

中でもバイエルン王ルードヴィヒ1世から寄贈された「バイエルンの窓」と呼ばれる5枚のステンドグラスは必見です。アダムとイブ、受胎告知、4人の預言者、東方三博士の礼拝など、聖書を理解していなくても、美しさや見事さに見とれます。

美しいステンドグラス「バイエルンの窓」

1996年に世界文化遺産に登録されましたが、周辺の高層建築計画による景観破壊から2004年には危機遺産に指定されました。しかし、大聖堂の周囲に高さ規制を設けるなどケルン市当局の懸命な努力により、2006年には解除されるに至りました。

南塔の509段の階段を上れば市街を一望できる展望台があり、クリスマスシーズンには大聖堂の裏でクリスマス・マーケットが開催され、上からは多くの赤いテントと大きなクリスマスツリーを見ることができます。

ケルンのクリスマス・マーケット

ケルンのクリスマス・マーケット

クリスマス・マーケットの風物詩ホットワインを飲みながらイルミネーション輝くケルン大聖堂を眺めれば、この大聖堂も偉大ですが、この世界遺産を守ろうと努力したケルン市民の気持ちこそが後世に伝えるべき尊い遺産だと思います。

祝!日本の縄文文化「北海道と北東北の縄文遺跡群」が世界文化遺産登録

「北海道と北東北の縄文遺跡群」が世界文化遺産に登録されたことを記念して、私はみちのくを旅した芭蕉の研究本『松尾芭蕉の旅に学ぶ』と共に『縄文人からのメッセージ』というタイトルで縄文文化を語り、平成芭蕉の『令和の旅指南』シリーズ(Kindle電子本)として出版しました。人生100歳時代を楽しく旅するために縄文人の精神世界に触れていただければ幸いです。

また、日本人の心に灯をつける『日本遺産の教科書』、長生きして人生を楽しむための指南書『人生は旅行が9割』、感情の老化を防ぐ私の旅日記である『生まれ変わりの一人旅』とともにご一読下さい。

★平成芭蕉ブックス
 ①『人生は旅行が9割 令和の旅指南Ⅰ』: 長生きして人生を楽しむために 旅行の質が人生を決める
 『縄文人からのメッセージ 令和の旅指南Ⅱ』: 縄文人の精神世界に触れる 日本遺産と世界遺産の旅
 『松尾芭蕉の旅に学ぶ 令和の旅指南Ⅲ』:芭蕉に学ぶテーマ旅 「奥の深い細道」の旅
 ④『生まれ変わりの一人旅 令和の旅指南Ⅳ』: 感動を味わう一人旅のススメ
 ⑤『日本遺産の教科書 令和の旅指南』: 日本人の心に灯をつける 日本遺産ストーリーの旅

平成芭蕉「令和の旅指南」シリーズ

参考記事:世界遺産の旅における「へー、そうだったの」

★関連記事:平成芭蕉の旅のアドバイス「旅して幸せになる~令和の旅」

私は平成芭蕉、自分の足で自分の五感を使って世界遺産を旅しています

平成芭蕉の世界遺産

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「平成芭蕉の世界遺産」はその世界遺産についての単なる解説ではなく、私が実際に現地に赴いてその土地に生きる人たちと交流した際に感じた感動の記録です。

「令和の旅」へ挑む平成芭蕉

*「平成芭蕉の旅物語」サイトマップ参照

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