スイスを代表する世界遺産 スイスアルプス
「アルプスの少女ハイジ」の世界が広がる美しい牧草地、ユングフラウヨッホやアレッチ氷河といった雄大なスイスアルプスの自然を満喫できるのは「五月祭」以降です。
標高4158mの「ユングフラウ」はアルプスの中でも屈指の人気を誇り、ヨーロッパで最も標高の高い場所を走るユングフラウ鉄道でスイスの美しいパノラマを心ゆくまで堪能できます。
世界遺産スイスアルプスの美しい景観とメイポール
スイスアルプスは氷河による自然の造形美
ヨーロッパの美しい自然の風景と言えば、スイスアルプスの山々、氷河、湖水を連想する人も多いと思いますが、その美しい景観は、氷河時代にヨーロッパを覆っていた広大な氷河による自然の造形美です。
その景観は雪が溶けて新緑の季節を迎える5月から6月が最も輝きます。
スイスアルプス ユングフラウ-アレッチの牧草地
スイスの世界遺産「スイスアルプス ユングフラウ-アレッチ」はユーラシア大陸で最も大きな氷河地帯で、ヨーロッパ最長の氷河、深さ900mの氷、9つの4000m級の山々など、最高級の自然景観です。
かつては登山家しかその眺めは堪能できませんでしたが、現在は1912年に開通したユングフラウ鉄道でクライネ・シャイデックから一気にユングフラウヨッホ駅まで登り、トップ・オブ・ヨーロッパのパノラマを望めるようになりました。標高3454mのユングフラウヨッホ駅は、ヨーロッパで最も標高が高い鉄道駅で、観光マーケティング上のブランド名として、「トップ・オブ・ヨーロッパ Top of Europe」と呼ばれています。
しかし、スイスのこの景観はここに住む人にとっては過酷な試練を課して来ました。
すなわちスイスアルプスの美しい風景は、豊かに広がる緑の牧草地をぬきには語れませんが、この牧草地は氷河によって削り取られた跡地で、表土が極めて浅く、畑作には適さないのです。
そのため、耕地を順番に牧草地とするべく山の斜面をならし、牧草として望ましい植物の種をまき、有害な植物を根気よく取り除く、農民たちの不断の手入れが必要でした。
スイスの美しい景観とスイス人
また、長い冬の農閑期にはまともな農業ができない環境から、男は傭兵として出稼ぎに出るしかなく、ヨーロッパ各地の王や諸侯に傭兵として雇われ、同じスイス人同士で争い、血を流す歴史でした。
そして傭兵の中でもスイス兵は最後まで逃げずに戦いうという姿勢が評価され、カトリックの総本山バチカンの警備兵はカトリック信者のスイス人で構成されるようになりました。
スイス人を意味するSchweizerには「熟練乳搾り人」、「教皇の近衛兵」といった意味がありますが、これはスイスの美しい風景に隠された土地の人々の酪農と傭兵とういう背負わされた宿命があったからです。
スイスアルプスが輝く五月祭とメーデー
5月にヨーロッパを旅行すると各地で美しく飾られたポールを目にします。
これは5月柱(メイポール、マイバウム)と呼ばれ、冬の寒さと暗さを追い、夏の暖かさと明るさを呼ぶ五月祭の柱です。
長かった冬から解放され、牧草が勢いよく伸び始め、輝かしい夏を迎えようとする喜びの日が5月1日であり、この五月柱と呼ばれる木のまわりで踊ったり、競技を催したのが今日のメーデーの始まりと言われています。
私は美しい自然遺産「スイスアルプス」も印象に残っていますが、五月祭でのスイス人の春の到来を喜ぶ姿が今も忘れられません。
祝!日本の縄文文化「北海道と北東北の縄文遺跡群」が世界文化遺産登録
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私は平成芭蕉、自分の足で自分の五感を使って世界遺産を旅しています
世界遺産とは地球の成り立ちと人類の歴史によって生み出された全人類が共有すべき宝物で、その内容によって①文化遺産②自然遺産③複合遺産に分類されます。この「平成芭蕉の世界遺産」はその世界遺産についての単なる解説ではなく、私が実際に現地に赴いてその土地に生きる人たちと交流した際に感じた感動の記録です。