令和の「平成芭蕉」

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平成芭蕉の旅語録

平成芭蕉の旅語録~奄美の自然を愛した画家「 田中一村」と奄美パーク

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日本のゴーギャン「田中一村」と奄美大島

生誕110周年を迎えた孤高の画家「田中一村」

私は南の島が好きで黒潮文化を研究していましたが、2016年、古都飛鳥保存財団の協力で沖縄から与論島、徳之島、奄美大島と「黒潮文化を訪ねる旅」で南の島旅を満喫することができました。

そして奄美大島で「田中一村記念美術館」を訪れて以来、私は彼の作品にも関心を抱くようになりました。この美術館には、亜熱帯の動植物を描き、日本画の新境地を拓いた天才画家、田中一村の幼少から晩年までの作品約80点が常設展示されており、展示室が奄美伝統の田倉をイメージした洒落た外観になっています。

田中一村は明治41(1908)年、栃木県に生まれ、奄美大島に移り住み、奄美大島で生涯を終えました。2018年には生誕110周年ということで佐川美術館において「生誕110年特別企画展」が開催されていました。

奄美を描いた画家「田中一村」

また、箱根の岡田美術館でも「奄美を愛した孤高の画家」田中一村特別展が開催され、2018年の8月24日から1か月間、田中一村の最高傑作と名高い『アダンの海辺』(個人蔵)が特別公開されました。

田中一村は、昭和33年50歳で奄美大島に移住し、紬工場で染色工として働きながら、奄美大島の自然を描き続け、独自の世界を作り上げた孤高の画家です。

奄美大島の自然をこよなく愛し、大島に生息する亜熱帯植物や鳥を鋭い観察で力強くも繊細な花鳥画に描き、南を目指したことから「日本のゴーギャン」とも呼ばれています。

若いころは神童とも呼ばれ、数々の賞を受賞しましたが、画壇からは評価されず、奄美大島で無名のまま生涯を閉じました。大島紬の染色工として働いて生計を立てながら、絵を描き続けました。絵の具を買うお金もままならず、お金が貯まっては絵を描き、なくなったらまた染色工場で働くという苦しい暮らしぶりで、ひたすらに絵のみに打ち込んだ姿はさながら修行僧のようだったと言われています。

しかし、私は田中一村の生き様と彼の画風に魅入られ、一村病にかかった状態で、今も暇を見つけては一村の作品鑑賞の旅に出ているのです。

一村が愛した奄美の景勝地「あやまる岬」

そして、田中一村記念美術館を訪ねたら、ぜひとも立ち寄っていただきたいスポットは、奄美パークに近い景勝地「あやまる岬」です。

あやまる岬は、奄美大島の最北端に位置する奄美市笠利町の北東部にあり、奄美十景、新鹿児島百景の一つに選ばれている太平洋に突き出た岬です。奄美の乙女たちは正月になると赤・青・黄色の色とりどりの糸で刺しゅうしたきれいな手毬で鞠つきをするそうですが、この岬一帯のなだらかな地形が「綾(あや)に織られた手毬」に似ていることから「アヤマル」という地名が生まれました。

この岬からは、青く広がる空と海に、緩やかにカーブを描いた水平線のパノラマが一望でき、開放感抜群、南国気分を満喫できます。近くには「ソテツジャングル」という遊歩道もあり、縄文時代から弥生時代に使われていたという貝塚跡も残っています。

東の水平線に喜界島、北はトンパラ岩を望み、岬の周りはサンゴ礁、眼下にはソテツジャングルが亜熱帯の風情を醸し出しています。

豊かな自然を大切にしてきた奄美の人々の聖地

さらには奄美での信仰が深いノロ神やユタ神の祭事が行われていた場所なので、地元の人には神聖な場所とされてきました。

田中一村ならずとも、豊かな自然を大切にしてきた奄美の人々の神聖な場所に立つと、本当に癒されます。

失敗して落ち込んでいてもこの「あやまる岬」にくると迷惑をかけた人に素直に謝罪できます。

よって失敗を恐れずチャレンジあるのみです。

古くから心が癒される神聖な絶景地には、今も昔も人を惹きつける何かが存在するのだと思います。

*「あやまる岬」のあやまるは「謝る」ではなく、「綾に織られた手毬の丸」から命名されました。

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私は平成芭蕉、自分の足で自分の五感を使って日本遺産を旅しています。

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平成芭蕉は「検索すればわかる情報」より「五感を揺さぶる情報」を提供します。旅とは日常から離れ、いつもと違う風、光、臭いなど五感を通じて自分を見つめ直す機会です。そしていつもと違う人に会い、いつもと違う食事をとることで、考え方や感じ方が変わります。すなわち、いい旅をすると人も変わり、生き方も変わり、人生も変わるのです。

「令和の旅」へ挑む平成芭蕉

*「平成芭蕉の旅物語」サイトマップ参照

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