ピラミッドを中心としたエジプト古代遺跡を巡る旅 5日間
今回のツアーは、エジプトで発掘調査に従事されている矢羽多万奈美さんから、ピラミッドを中心に古代エジプトについて解説していただく、ピラミッドを究める旅行です。
矢羽多さんの話は、ギザ台地の詳しい説明から自身が取り組まれている遺跡発掘秘話に至るまで興味深い内容でした。
ピラミッドを極める エジプト古代遺跡5日間
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◆1日目 2017年12月30日(土) <成田→ドバイ>
19:30 新東京国際空港(成田)第2ターミナル3階北団体カウンターにてお出迎え
19:40 エミレーツ航空Cカウンターにて搭乗券発行手続
20:00 エミレーツ航空カウンターにて各自荷物のチェックイン
21:20 66番ゲートより搭乗開始
22:00 エミレーツ航空319便(EK-319)にてドバイへ
*機内食2回+スナック、AB380-800(ABC-DEFG-HJK)
*時差 -5時間
*個人モニターで邦画11、日本語対応66の洋画
〔旅日記〕
今回のツアーは年末年始にかけて2泊5日でエジプトの古代遺跡を訪ねるいわゆる弾丸ツアーですが、31名様のご参加を賜り、添乗員の丹治と私、黒田を含めると33名のグループです。
私は1979年の7月に初めてエジプトを訪れ、当時の国営旅行社ミスールトラベルのガイドさんとクフ王のピラミッドに登り、エジプトの魅力に取りつかれてから何度もエジプトに足を運んでいますが、今回入場予定の「未完の地下室」と「ウナス王のピラミッド」は初体験です。
今回利用するアラブ首長国連邦のエミレーツ航空は、機材が新しく快適なフライトですが、ドバイの空港は広くて移動が大変です。
ドバイはかつては真珠産業が経済の柱でしたが、御木本幸吉が養殖真珠の開発に成功したことから、中継貿易に力を注いで今日の繁栄を築きました。
すなわち、『ジュベル・アリ・フリーゾーン』という名の経済特区と大型港湾、そしてエミレーツ航空の就航開始で人と物の集積地として急速に発展を遂げたのです。
◆2日目 2017年12月31日(日) <ドバイ→カイロ→メンフィス→ギザ>
4:15 (定刻4:55)ドバイ国際空港到着(第3ターミナル2階)
*降機した到着ターミナル入り口で集合、点呼、搭乗券配布
*セキュリティ検査後、電光掲示板で乗り継ぎ便搭乗ゲート確認
*乗り継ぎ便の搭乗ゲートA-7入り口にてフリータイム
*ビジネスクラスのお客様をエミレーツ航空ラウンジへご案内
*免税店でのショッピング案内、通貨はディラハム1Dh=30円
7:20 A-7ゲート入り口で再集合、エジプト入国書類記入案内
7:25 A-7ゲートより搭乗開始
8:10 エミレーツ航空927便(EK-927)にてエジプトのカイロへ
*A-7ゲートの待合室にはWCなし
*機内食1回、機材B777-300(ABC-DEFG-HJK)
10:05 エジプトのカイロ空港到着
*銀行(両替所)前で空港アテンダントの出迎え
*エジプトVISAシールを添付後、各自入国審査カウンターへ
*入国カードとパスポートを提示して入国審査
*ターンテーブルで荷物を受け取り団体通関
11:20 現地旅行会社TRIWAYS TRAVEL AGENCY.のMr.Mohamed Razekさん出迎え
*現地通貨はエジプト・ポンド1EGP=約6.33円
11:45 専用バスにてサッカラのレストランへ
*Tourist Police同乗の後、空港からサッカラへ
*車中にて米ドルから現地通貨への両替案内 USD50=EGP830
13:05~13:55 SAKKARA PALM CLUBのレストランにて昼食
*Kofta(キョフテ肉料理)/Tamiya(豆のコロッケ)を含むビュッフェ
*Morhiya soup(モロヘイヤ・スープ)
*アルコール飲料のサービスなし
13:55 バスにてミト・ラヒーナ村のメンフィスへ
14:10~15:00 メンフィス博物館見学
*建物の中には体長約15mのラメセス2世の巨像が横たわる
*広場にはアラバスター(雪花石膏)製のスフィンクス像
*メンフィスは古王国時代の都で守護神であったプタハ神像が祀られていた
15:00 バスにてギザのホテルへ
16:10 ピラミッドの見えるSteigenberger Cairo Pyramids Hotelチェックイン
*Mr.Wileさんのアシストでホテルチェックイン
*ホテル滞在中の諸注意、添乗員の部屋番号、電話のかけ方等
16:30 夕食までフリータイム
20:15 新館のバンケットルームにて古代エジプト歴史講座
*テレビモニターと接続できなかったので資料に基づいて古代エジプト史を解説
21:00 GARA DINNERの夕食(ホテル内バンケット)
21:00~22:00 Gala Dinner Set Menu
*Cappuchino mushroom cream soup
*Beef medakkion with potatoes
*Caramel tart with berry sauce
22:00~23:30 DJ Music and Folklore & Belly Dance Show
0:00 New Year's Count Down
【Steigenberger Cairo Pyramids Hotel泊】
〔旅日記〕
ドバイ国際空港到着は日付が変わり、2日目となりました。
新しくオープンしたターミナルは、広くてオイルマネーの力を感じさせる設備です。
エジプト入国はVISAシールをパスポートに貼って入国審査、ターンテーブルで荷物を確認し、ポーターに荷物を託して団体通関、そしてバス乗り場へ移動。
ツーリストポリス同乗でまずは昼食場所のサッカラへ。
サッカラは今日訪れるメンフィスという古王国時代の首都(生の都)のネクロポリス(死者の町)、すなわち古代墓地で第一王朝の時代から多くのマスタバ墳が造られた地です。
マリオテーヤ運河沿いのサッカラ街道の渋滞を抜けてSAKKARA PALM CLUBに到着したのは午後1時過ぎでしたが、昼食場所としての雰囲気はまずまずでキョフテの焼き加減も良かったと思います。
昼食後に訪れたメンフィス博物館は私が初めて訪れた頃からほとんど変わっていませんが、近くにあったプタハ大神殿の遺物(プタハ神像)の解説が新たに設置されていました。
メンフィスは初めて上・下エジプトを統一したナルメル王が創始した都で、初期王朝から古王国時代にかけて王都であっただけでなく、第11王朝が王都を上エジプトのテーベ(ルクソール)に置いた以降も下エジプトの中心都市でした。
特に新王国時代のハトシェプスト女王はメンフィスにも宰相を置き、テーベと共に行政の2大拠点としました。
そのため、彼女の統治時代の痕跡も少し残っており、広場の真ん中に立つアラバスター製のスフィンクスの顔はラメセス2世ではなく、ハトシェプスト女王がモデルとも言われています。
博物館内に横たわるラメセス2世もハトシェプスト女王同様、このナイル・デルタの頂点に位置するメンフィスを重要拠点と考えていたことは、この彼の巨像からも推理できます。
生の都でありながら、ナイル川の西側に位置するのは異例ですが、上エジプトと下エジプトを分かつ「2つの国土の秤」と呼ばれ、南北に細長いエジプト全土を監視する上でも最も重要な都市のひとつであったことは間違いありません。
博物館の見学を終えた後は入り口で土産物屋を出すミト・ラヒーナ村の人たちに挨拶し、一路、ギザのホテルへ向かいました。
今晩は日本でいうところの大晦日で、キリスト教国では第33代の教皇であったサン・シルベストルSaint-Sylvestreを盛大に祝う日ですが、ここイスラム教国においてはホテルでガラ・パーティー(祝祭パーティー)です。
カウントダウンの関係で夕食は9時からと遅いので、今回は夕食前に「古代エジプト歴史ミニ講座」を設けさせていただきました。
夕食はセットメニューでしたが、ミュージックが騒々しく落ち着かない雰囲気でしたがカウントダウンの後に予定されていたエジプト名物のベリj-ダンスが繰り上げて年内に鑑賞できたのは幸いでした。
時差が7時間あって長い1日でしたが、明日からのツアーの安全と2018年が良い年になることを祈念して床につきました。
◆3日目 2018年1月1日(月) <ギザ>
6:00 モーニングコール
6:00~8:00 ビュッフェスタイルの朝食(ホテル内レストランOrangery)
8:00 バスにてギザ三大ピラミッドのクフ王側入り口へ
8:15 Pyramid Ticket売り場前にて矢羽多さんの出迎え
*現地旅行会社の石原さん、矢羽多さんと本日の見学ルート確認
*Ticket配布の後、手荷物検査、チケットチェックを受けてギザ台地へ
8:30~8:40 クフKhufu王ピラミッドの北側ギザ台地でブリーフィング
*古代エジプト歴史とギザ台地の成り立ち説明
*ギザ台地からははるかカイロの市街が見渡せ、砂漠に囲まれている事が実感
*キャップストーンがないため、本来の高さを示す鉄棒がある
8:45~8:55 クフ王ピラミッドの化粧石前で解説
*かつて表面は外装用の化粧岩で覆われていたが、今では全部盗まれた状態
8:55 クフ王ピラミッド東側の葬祭神殿へ移動
9:00~9:15 葬祭神殿、王妃ヘテプヘレス1世のピラミッド解説
*古王国第4王朝のクフ、ジェドエフラー、カフラー、メンカウラーの説明
9:15~9:20 カルQarの墓G7101(閉鎖中)および東側墳墓(マスタバ)群の解説
*カルは第6王朝のペピ1世に仕えた官吏で3大ピラミッドと関わった町の監督官
9:20 王妃たちのピラミッド(メリテレス、ヘヌトセン)を右手に見ながらメレサンクへ移動
9:30~9:55 メレサンクMeresankh3世の墓G7530-7540見学
*メレサンク3世はクフ王の孫でカフラー王の妻でもある
*墓の内部にはメレサンク3世の他、母のヘテプヘレス2世や娘のレリーフ
*墓南壁のレリーフには珍しい牛の屠殺場面と砥石を持つ人物が画かれている
9:55 クフカワフの墓へ移動
10:00~10:25 クフカワフKufu Kawafの墓G7130-7140見学
*内部が狭いので3グループに分けて入場
*クフカワフはクフ王の長男で母はヘヌトセン
*次男のジェドエフラーに暗殺され「王の身体の息子、大法官」として埋葬された
*墓のレリーフには母や妻、二人の息子や娘と一緒にいる姿が画かれている
10:25 イシス神殿跡を経由して太陽の船博物館へ
10:45~11:30 太陽の船博物館見学
*WC休憩の間に矢羽多さんよりDr.マークレナー発掘隊の現況説明
*1954年、クフ王のピラミッド南側ピットから解体された状態で発見された
*当初「太陽の船」と呼ばれていたが、正式名称は「第一のクフ王の船」
*1987年に発見された第二の船は2011年から日本のNPO法人により発掘開始
11:30 博物館より徒歩でクフ王のピラミッド北側へ移動
11:45~11:55 クフ王のピラミッド内部に入るためにバス車中で準備・休憩、写真タイム
12:00 矢羽多と共にクフ王ピラミッド内部見学
*カメラは持ち込み不可、携帯スマホはOK
12:00~12:30「王の玄室」見学
*入り口から上昇通路、大回廊を通って「王の玄室」へ
*1日300名まで入れるがガイドは入れないので矢羽多さんの解説は貴重
*花崗岩でできた玄室には空の棺が置かれ、2つの換気口がある
*重力軽減装置や石落とし装置等の解説
12:30 王の玄室見学後は「王妃の間」へ
*大回廊を下り、途中で約15m位の通路を腰をかがめて進む
12:45「王妃の間」見学
*通常は見学不可、「女王の間」とも呼ばれる
*王の玄室はピラミッドの中央にあるが、この部屋は中心より少しずれている
13:00「未完の地下室」見学
*地下室への扉から下降通路、約5mの狭い通路を進む
*通常は入れない未完の「地下室」は深い穴があり、神秘的な洞窟の様相
*ピラミッド内でもこの場所は異常に蒸し暑い
13:10 入ってきたルートから一般観光用の入り口へ戻る
13:15 バスにて昼食レストランへ
*ピラミッド地域より市内へ
13:35~14:30 OASIS HOTELにて昼食(Bedwin Restaurant)
*Seafood Soup
*Mixed Salad
*Fillet Fish
*Ice Cream
14:30 昼食後、再びピラミッド入り口へ
14:45 Pyramid Ticket売り場前で下車、チケット配布
14:45~15:00 手荷物検査、チケットチェック後、クフ王ピラミッド前で写真タイム
15:00 バスにてピラミッド パノラマ ポイントへ
15:05~15:20 ピラミッド パノラマ ポイントで写真タイム
*クフ、カフラー、メンカウラーの3大ピラミッドを展望
15:20 バスにてスフィンクス側入り口へ移動
*途中、右手にメンカウラー王ピラミッド
15:30~16:10 スフィンクス、河岸神殿見学
*スフィンクスはアラビア語でアブル・ホール(畏怖の父)
*石灰岩の丘を掘り下げた四角い窪地の中に位置している
*左側にはカフラー王のピラミッドと河岸神殿をつなぐ参道がある
16:10 バスにてパピルスショップへ
*矢羽多さん、石原さん他のスタッフとお別れ
16:30~16:55 パピルスショップKey of Life Papyrus
*ロサンゼルスオリンピックで山下泰裕と対戦したラシュワン選手の店
*パピルス紙の作り方説明を受けた後、ショッピングタイム
16:55 バスにてギザの宿泊ホテルへ
17:20 Steigenberger Cairo Pyramids Hotel到着
18:30~ ビュッフェスタイルの夕食(ホテル内レストランOrangery)
*エジプト料理を中心に牛肉ステーキやパスタ料理
【Steigenberger Cairo Pyramids Hotel泊】
〔旅日記〕
今日は2018年1月1日の新年最初の日であると同時に本ツアーのハイライトである古王国時代のピラミッド探検の日でもあります。
クフ王のピラミッドの入り口にあるチケット売り場前で、現地で発掘調査に従事されている本日のガイド矢羽多万奈美さんに出迎えていただきました。
私が初めてピラミッドを訪れた時は非常に聞き取りにくいアラビック英語によるオシリス神話から説明が始まり、目の前のピラミッドだけでなく、多くの神様の名前に面喰いましたが、矢羽多さんはまずギザ台地から分かりやすく説明してくださいました。
特に「太陽の船博物館」での矢羽多さんが取り組まれている遺跡発掘の話は、南のディール・アル・マディーナ同様に王墓建造労働者の当時の生活を伺い知る興味深いお話でした。
実際、ピラミッドを正しく知るにはその建立された場所であるギザ台地の土地がどういう場所で、造営に携わった職人や労働者がどこに住んでいたかが重要です。
ギザも昨日訪れたメンフィスに対するネクロポリスでピラミッド・コンプレックスと呼ばれる王墓と葬祭殿が多く造営されている場所なのです。
上エジプトのテーベ(ルクソール)では王墓と葬祭殿は別々に造られましたが、その理由は死後の復活を信じるファラオが自分の遺体を荒らされないように葬祭殿は壮麗に造っても墓の建設は王家の谷に秘密裡に造営させたのでしょう。
しかし、第4王朝の初期はファラオは太陽神ラーと一体と考えられていたので、ピラミッドは王の墓であると同時に太陽神ラーの磐座(神籬)の意味もあったのではないでしょうか。
実際、クフ王の息子の一人であるジェドエフラーが「ラーの息子」を宣言してからは、王は太陽神と同一ではなくなり、太陽神ラーに仕える神官が勢力を持つようになりました。
そして第3ピラミッドであるメンカウラーのピラミッドがクフ、カフラーのピラミッドに比較して極端に小さくなった理由は、このラー神官の勢力拡大と王権の弱体化にあるのではないかと考えます。
クフ王のピラミッド内部には壁画がない代わりに彼の子孫であるメレサンク3世やクフカーフの墓には興味深いレリーフが多く残っています。
特に弟のジェドエフラーに暗殺されたと伝わるクフカーフの家族を描いたレリーフ、メレサンク3世の像が運ばれていく様子を描いたレリーフからは死してもクフ王の威光を感じます。
(本来ならば、メレサンク3世の墓は夫であるカフラー王のそばにあるべき)
ピラミッドの内部については王の玄室は昔と変わらず、王妃の間は日本の調査機器が置かれていたのが目を引きました。
そして今回初めて訪れた地下の玄室ですが、私は埴輪のようなものを入れる場所かと推理していたのですが、思ったより広く、またこの部屋がまだ未完成であったことを考慮すると単なる保管庫でもないようで、クフ王のピラミッドは本当に謎めいています。
昼食後に訪れたスフィンクスはエジプトのシンボルであり、ファラオの偉大さを示す神聖な存在ですが、語源はギリシャ語のスピンクス(女性名詞)で、夏目漱石も著書『虞美人草』の中でスフーヒンクス(獅身女)と紹介しています。
エジプトのスフィンクスはネメスと呼ばれる頭巾を付けたファラオの頭とライオンの体を持つ王又は神を守護する存在ですが、古代ギリシャやメソポタミアでは鷲の翼を持つ怪物扱いされているのが不思議です。
スフィンクス見学後は、矢羽多さんや現地旅行会社のスタッフの方々とお別れし、パイルスのお店に立ち寄りました。
この店はロサンゼルスオリンピックで山下泰裕と対戦した柔道家ラシュワン氏がオーナーで、彼は山下が痛めていた右足を攻めなかったことから1984年の国際フェアプレー賞を受賞したエジプトの英雄です。
私はこの店でエジプト講座で使用するオシリス神話を題材とするパピルスを購入しました。
ホテル到着後は、ホテルレストランでのビュッフェでしたが、多くのエジプト料理が用意されていました。
【Steigenberger Cairo Pyramids Hotel泊】
◆4日目 2018年1月2日(火) <ギザ→ダハシュール→サッカラ→カイロ→ドバイ>
5:30 モーニングコール
6:15 Baggage Collect
6:00~7:00 朝食(ホテル内レストランOrangery)
7:00 バスにてダハシュールへ
*ロッジのご好意により部屋は午後2時まで利用可能
8:20~8:45 ダハシュールDahshur赤のピラミッド見学
*クフ王の父スネフェル王が造った真正ピラミッドとしては最古
*角度は屈折ピラミッドの上部と同じで後に造られたものより緩やか
*内部の玄室までの階段は急で内部はかなり臭い
8:50~9:00 赤のピラミッド駐車場奥のWC案内
*EGP1.00のチップが必要
9:00~9:10 屈折ピラミッド見学
*スネフェル王はメイドゥームをはじめ4つのピラミッドを造ったがその1つ
*メイドゥームのピラミッドが崩れたためか途中で屈折している
*下部の傾斜は52度、上部は43度で高さは105m
9:15 ダフシュールよりサッカラへ
9:55~10:10 ジョセル王のピラミッドコンプレックス見学
*階段ピラミッドを中心にセド祭殿、葬祭殿が残る
*柱廊を抜けてイプホテプがジョセル王のために造った階段ピラミッド見学
10:10 コブラの壁、竪穴墓を左手に見ながら周壁を超えて移動
10:15~10:25 ウナスUunaas王のピラミッド内部見学
*古王国時代のピラミッドとしては最小だが、内部にピラミッドテキストが残る
*ウナス王のカルトゥーシュが多く見られ、王の正しさを主張している
*ホルス神を中心とした神々への讃歌がヒエログリフで記載
10:30 かつてはスフィンクス参道と呼ばれた墓の道を経由して貴族の墓へ
*途中、ウセルカウ王のピラミッド、メレルカのマスタバ
*メレルカのマスタバは32もの部屋がある古王国時代最大級の墓
10:45~11:05 テティ王ピラミッドの向いにあるカゲムニKagemniのマスタバ見学
*宰相カゲムニのマスタバ壁画は庶民の生活の様子が描かれている
11:05 右手にマリエットの家跡を見ながらバス駐車場へ
11:10 バスにてカイロ市内のれうトランへ
12:10~12:55 ナイル川の船上レストランにて昼食(Scarabee Restaurant)
*Oriental Salad
*Vegetable Tajin Rice
*Oriental Sweet
12:55 バスにてカイロ博物館へ
13:15~15:10 エジプト考古学(カイロ)博物館見学
*入り口でカメラ持ち込み確認(希望者はPhoto Ticket購入)
*手荷物検査を受けて入場
*ガイドさんの案内で主要展示物を1階から見学
*ロゼッタストーンとシャンポリオン像(ロゼッタストーンでヒエログリフ解読)
*片岩製ナルメル王のパレット(上エジプトの冠をかぶって下エジプトを征服)
*階段ピラミッドのジョセル王像(初のサッカラの階段ピラミッドを建設した王)
*10ポンド紙幣の閃緑岩カフラー王像(頭の後ろには鷹の姿でホルス神が守護)
*ハトホル女神とメンカウラー像(メンカウラー王は上エジプトの王冠)
*パピルスの巻物を持つ書記像(古代エジプトでは書記は最も高貴な職業)
*王子ラーホテプと妻ネフェルト像(ラーホテプはスネフェル王の息子で最高)
*カー・アペルの木製立像(シェイク・エル・バラド像、別名村長の像)
*クフ王の小さな像(高さ7.5㎝の小さな像が第一ピラミッドのクフ王の姿)
*メンチュヘテプ2世の像(混乱のエジプトを再統一した第11王朝のファラオ)
*ハトシェプスト女王のオシリス柱頭部(ハトシェプスト女王像で男性の表情)
*アクエンアテン像(アテンと呼ぶ太陽神だけを信仰する一神教への宗教改革)
*日輪の下で供物を捧げるアクエンアテンレリーフ(アマルナ美術の代表作)
*2階のツタンカーメン関連展示へ
*だちょうの羽のついた象牙の扇(風変わりな機能性に優れた取っ手のある扇)
*ツタンカーメンの厨子と棺
(金箔を施された4つの厨子とオシリス神の姿をした3つの棺が展示)
*ツタンカーメンのカノピス容器
(肺、胃、肝臓、腸の4つの内臓がおさめられていた)
*ツタンカーメンの黄金のマスクの部屋
(耳たぶには穴が開いていて10㎝のイヤリングがあった)
*ツタンカーメン黄金の玉座
(王宮でくつろぐツタンカーメンとその妻が描かれている)
*ツタンカーメンの等身大木造
(玄室を守るように高さ173㎝の像が2体が入り口に立っていた)
*ミイラ室前で解散し、集合まで自由見学
*ミイラ室見学者はチケットを持って入場
*ミイラ室は2つの部屋に分かれていて、第1の部屋に有名なラメセス2世のミイラ
15:10 博物館設立に貢献したフランス人考古学者マリエット像前に集合
15:15 バスにてカイロの空港へ
16:15~16:45 空港ちかくのスーパーマーケットRagab Sonsでショッピング
*エジプト・ポンド又はクレジットカード利用
17:00 カイロ空港到着
*空港アシスタントとミート
*荷物を整理した後、セキュリティ検査を受けてEKカウンターへ
*エミレーツ航空カウンターで個人チェックイン
*パスポート、Eチケットを提示して搭乗券、クレームタグ、出国カードを受領
*出国カード記入後、出国審査場へ
*出国審査、エジプト査証チェック、再度セキュリティ検査を受けてゲートへ
18:00 E-9搭乗ゲートへ
19:05 エミレーツ航空924便にてドバイへ出発
*機内食1回、機材B777-300
*時差 +2時間
〔旅日記〕
今日は早くも帰国日ですが、ピラミッドの歴史を知る上で重要なサッカラとダハシュールを訪ね、さらに古代エジプトを知る上で重要なカイロ博物館も見学します。
ダハシュールはサッカラに次ぐメンフィスのネクロポリスで、第4王朝の創始者であるスネフェル王が築いた「屈折ピラミッド」「赤のピラミッド」で有名です。
スネフェル王はダハシュール南方のメイドゥームにも真正ピラミッドの先駆となる、いわゆる「崩れピラミッド」を建造しましたが、これは彼の父フニ王が計画したものを彼が完成させたと言われています。
このピラミッドは傾斜角が51度51分と急傾斜であったために外装石が崩れ、「崩れピラミッド」と呼ばれるようになりました。
今回見学した「屈折ピラミッド」の下部の傾斜は54度31分、上部は43度20分と建設途中で傾斜角が変更されたのは、この「崩れピラミッド」が原因ともされています。
そして「赤のピラミッド」はこれらの経験を活かしたのか、最初から43度40分の角度で建造されています。
赤のピラミッドは毎回、外見だけと言いつつもガイドさんが中に入る時間をとってくれますが、少しづつですが中のアンモニア臭は薄くなっている気がしました。
ダハシュールの次はピラミッドの歴史を知る上で重要なジョセル王の階段ピラミッドの位置するサッカラへ向かいました。
サッカラ台地には第1王朝時代のマスタバ墓が多く残り、第3王朝時代になって、宰相兼建築家でもあったイムホテプがジョセル王のために階段ピラミッドを考案したと伝えられています。
この階段ピラミッドは葬祭神殿や倉庫など多くの建造物を含むコンプレックスになっていてコブラの壁など、王権を象徴するものが多いのが特徴です。
しかし、今回のサッカラの目玉は「ウナス王のピラミッド」内部に残るピラミッド・テキストと呼ばれるヒエログリフです。
このピラミッド・テキストからはウナス王がいかに死後の世界を信じていたかということと、当時はラー神よりホルス神が第一とされていたことがわかります。
すなわち、この時代はハヤブサの姿をした天空神ホルスの両目が太陽(右目)と月(左目)と考えられており、ホルスの目は古代エジプトのシンボルだったのです。
今回、追加で見学したカゲムニのマスタバ墳墓壁画は古代エジプトの庶民の生活を知るのに興味深いものです。
特に入り口正面に描かれていたワニとカバの様子からはカバの鳴き声が原因でヒクソス(異国民)と戦争になったことが連想できました。
昼食はナイル川に浮かぶ船上レストラン「スカラベ」でとりましたが、スカラベとはふんころがしで、エジプトではその姿から「太陽をつかさどる神の化身」としてあがめられていました。
昼食後は本ツアーのもう一つの目玉であるカイロ博物館です。
ガイドのRazekさんは、私のレジュメを参考に通常案内されないロゼッタストーンからアクエンアテンのアマルナ芸術まで説明してくれました。
この博物館はロンドンの大英博物館の展示と比較しながら見学すると理解が深まります。
また、ツタンカーメンの展示等を見学するとやはり古王国時代のピラミッドに加えてテーベ(ルクソール)の王家の谷にもご案内したくなりました。
博物館の見学後はまっすぐ空港に向かう予定でしたが、少し時間がありましたのでエジプトポンドを使うスーパーマーケットにも立ち寄りました。
【機中泊】
◆5日目 2018年1月3日(水) <ドバイ→成田>
0:35 ドバイ国際空港到着
*セキュリティ検査を受けて乗り継ぎ便のゲートへ移動
*ターミナルBよりAへの移動にはエルベーターと列車を利用
3:10 エミレーツ航空318(EK-318)便にて成田空港へ
*機内食2回、機材A380-800
*時差 +5時間
17:45 成田空港到着
*到着ゲートより各自で入国審査場へ
*ターンテーブルで荷物を各自受け取った後、流れ解散
〔旅日記〕
深夜0時過ぎにドバイ空港到着、列車を使う大移動で成田への帰国便に乗り継ぎました。
毎度、ドバイ空港での時間は移動に時間をとられるのであわただしく感じます。
しかし、私は搭乗開始前のわずかの時間に免税店でドバイ土産の定番「バティールのデーツ」を買って搭乗ゲートへ戻りました。
最後の帰国便はほぼ定刻にドバイを発ち、無事に成田空港に到着しました。
今回のエジプト5日間の旅はいかがでしたでしょうか?
エジプトではライセンスガイドしか案内できないので、私は補足的にこのレポートで所見を述べさせていただきましたが、私の本来の仕事は皆さまと時間を共有することによって「時の流れを物語に変える」ことです。
旅行は出発までの準備も大切ですが、帰国後に旅を振り返ることによって旅の思い出がさらに輝きを増します。
今回の旅行が素敵な物語として皆様の記憶に残り、私のこの旅日記が皆さまの写真整理等にお役に立てれば幸いです。
また、近い将来ご一緒できる日を関係者一同楽しみにしております。
平成芭蕉の「令和の旅指南」シリーズ第5弾『生まれ変わりの一人旅』
出羽三山の「生まれ変わりの旅」で、私は月山の月読命という月に願い込めましたが、今の私の課題は「月を見上げて、日々の腕立て伏せが出来るか?」ということです。『月』を自らの目標や夢と捉え、『腕立て伏せ』を日々の行動や取り組みと考え、どれだけ、自分自身の目標を見続けながら、日々行動しているのかという問いかけです。
どんなに月に祈りを込めて夢を語っても行動していなければ手にすることはできません。しかし、行動していたとしても目標や夢を見続けていなければ、目の前に現れる出来事をこなしていくだけの味気ない作業になってしまいます。
これからの将来、自分自身が目指すところ、求められることに向かっていくためには、まず「今、何をすべきか」を考えつつ、今の行動は目標にどう紐付けられるのかを自分自身に問いかける必要があります。
立ち止まっては悩み、不安になることも沢山ありますが、そんな時に私は「生まれ変わりの一人旅」で出会った人の言葉や笑顔を思い出し、その方々に恥じぬ行動をしていくことで進むべき方向へと軌道修正されていくように感じています。
どれだけ、私たちは決めた目標を見続けているのか、そして、そこに辿り着く道のりを歩めているのか。こうした疑問を抱いた時には、やはり目標を見失わず、感情を老化させないためにも「生まれ変わりの一人旅」に出て、一歩を侮ることなく、一歩を信頼して進みましょう。令和の旅指南シリーズ5冊目の『生まれ変わりの一人旅 令和の旅指南Ⅳ』では、感情の老化を防ぐ私の体験をご紹介しています。
★平成芭蕉ブックス
①『人生は旅行が9割 令和の旅指南Ⅰ』: 長生きして人生を楽しむために 旅行の質が人生を決める
②『縄文人からのメッセージ 令和の旅指南Ⅱ』: 縄文人の精神世界に触れる 日本遺産と世界遺産の旅
③『松尾芭蕉の旅に学ぶ 令和の旅指南Ⅲ』:芭蕉に学ぶテーマ旅 「奥の深い細道」の旅
④『生まれ変わりの一人旅 令和の旅指南Ⅳ』: 感動を味わう一人旅のススメ
⑤『日本遺産の教科書 令和の旅指南』: 日本人の心に灯をつける 日本遺産ストーリーの旅
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私は平成芭蕉、自分の足で自分の五感を使って旅しています。
「平成芭蕉同行の旅」では、私が実際にお客様をご案内したツアーの中でも特に印象に残っている旅をご紹介しています。