令和の「平成芭蕉」

令和の「平成芭蕉」

平成芭蕉同行の旅

天照大神を伊勢に祀った倭姫命巡行の旅

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初代の斎王とされる倭姫命の功績を振り返る伊勢の旅 2日間

新しい令和の時代になって、さる10月22日の「即位礼正殿の儀」に続き、11月14日には国の平安や五穀豊穣を祈る「大嘗祭」が行われますが、伊勢神宮の外宮と内宮においても同日、天皇一代一度の新嘗祭となる大嘗祭当日祭が行われます。

そこで、これらの神事の基礎を創った初代の斎王とされる倭姫命の功績を振り返るべく、さる第62回式年遷宮の際に実施した倭姫命巡行の旅をご紹介します。

◆1日目    <東京→名古屋→宇治山田→二見→伊勢>

7:30 東京駅日本橋口にて集合

8:00 東京駅発 のぞみ207号にて品川、新横浜経由で名古屋へ

8:06 品川着

8:18 新横浜着

9:41 名古屋駅到着後、近鉄乗換え口へ移動

9:50 近鉄名古屋駅4番ホームにて待機

10:11 クラブツーリズム専用貸切列車「かぎろひ」乗車

10:18 近鉄名古屋駅発
*各自弁当の昼食

10:30~11:30 「かぎろひ」車中で「よくわかる伊勢神宮講座」
*多様な神社の成り立ち
*伊勢神宮と天照大神
*土産とお賽銭の話

11:48 宇治山田駅到着
*お伊勢さん観光案内人の出迎えでバスへ

11:55 バスにて二見へ

12:15 二見の賓日館駐車場到着
*お伊勢さん観光案内人の案内で二見興玉神社へ

二見の夫婦岩

二見の夫婦岩

12:20~12:40 夫婦岩のある二見興玉神社参拝(浜参宮)
*古来、伊勢神宮に参拝する者はその前に二見浦で禊を行った
*夫婦岩沖合700mの海中に鎮まる猿田彦大神の霊石「興玉神石」を拝す
*御祭神猿田彦大神のお使いとして境内に「二見蛙」の置物がある

12:45~12:55 塩結びの宿岩戸館見学
*ご主人の百木万博氏の案内で昔ながらの塩づくり現場を見学

13:00~13:45 賓日館(国指定重要文化財)見学
*伊勢神宮の賓客用休憩・宿泊施設として神宮の崇敬団体神苑会により設立*命名者は神苑会相殺・有栖川宮親王
*大広間で賓日館の会事務局長代理大倉美希氏の解説を受ける

13:50 芭蕉さんの句碑を見ながら賓日館駐車場へ

13:55 バスにて外宮へ

14:25~15:25 式年遷宮記念せんぐう館見学
*「神宮式年遷宮が伝えること」をテーマとした遷宮シアター鑑賞
*「永遠の匠たち」、「渡御御列模型」、「125社」展示解説
*学芸員による「外宮正殿原寸模型」についての解説

15:35~16:40 外宮めぐり
*豊受大神宮:天照大御神の食べ物の守護神
*多賀宮:豊受大御神の荒御魂が祀られる別宮
*土宮:外宮の土地守り神で元は土社と呼ばれた別宮
*風宮:外宮の別宮で風や雨をつかさどる神
*四至神(ミヤノメグリノカミ):外宮境界を守る外宮の所管社

16:40 外宮の北御門より神路通りを進み、月夜見宮参拝
*途中、御師で古今伝授創始者を祖に持つ東邸見学

16:45~17:05 月夜見宮参拝
*月夜見尊と月夜見尊荒御魂を祀る
*天照大御神の弟神で高河原の川の神でもある

17:00 バスにてかつての伊勢の台所河崎へ

夜の河崎

夜の河崎

17:20~17:50 伊勢河崎商人館見学
*江戸時代創業の酒問屋「小川酒店」を修復再生
*館長の西条さんによる河崎の歴史解説
*江戸時代の古文書による解説

17:50~18:30  倭姫命の教え「倭姫講座」
*「倭姫 二千年の伝言  伊勢神宮おかげ参り」
*倭姫の巡行の意義と倭姫命の教え
*倭姫命世紀という鎌倉時代の古文書について

18:30~19:00 河崎商人館で「倭姫御膳」の夕食
*宮内庁・神宮司庁ご用達の割烹「大喜」特製御膳

19:15 河崎の夜の街を散策しながらホテルへ

19:25 伊勢のホテルへチェックイン

〔旅日記〕

倭姫命

倭姫命

近鉄名古屋からはクラブツーリズム専用列車「かぎろひ」に乗車し、車中では「よくわかる伊勢神宮講座」を開催させていただきました。
日本には約12万の神社があり、伊勢の神宮も正しくは125社ありますが、私たちはその神社にどのような神様が祀られているか、思いのほか知りません。
自分がお参りする神様のことを詳しく知れば、効果的にご利益が得られ、また、神話の知識があればさらに楽しくなると思い、約1時間の車中で解説させていただきました。
伊勢に到着後は、昔からの習わしに従い、まずは二見浦の浜参宮からということで、二見興玉神社に参拝しました。
夫婦岩より霊石を拝み、途中、塩結びの宿「岩戸館」で昔ながらの塩つくり現場を見学させていただきました。
伊勢神宮の賓日館では大倉さんの解説で大広間での宴会時の出来事など興味深いお話を聞くことができました。
玄関に展示されている倭姫に別れを告げて、次は外宮に向かいました。
外宮参拝の前にせんぐう館の展示を見学。今回のモニターツアーに同行して下さるお伊勢さん観光案内人森一美さんの解説で神宮の行事や125社のことを学び、さらに学芸員による外宮正殿実物大模型についての説明を受けました。
外宮めぐりでは正宮の豊受大神宮に加えて多賀宮、土宮、風宮の別宮も参拝しました。
北門から月夜見宮への道は神路通りと呼ばれ、月夜見宮の神の月夜見尊が夜な夜な外宮へ通い給う神の通い道です。
そこで中央を避けて端を歩いて月夜見宮へ。
月夜見宮入り口近くの案内板には伊勢と松尾芭蕉のことが書かれており、芭蕉さんは生涯に6度伊勢を訪れたそうです。
尊敬する西行法師や俳諧の祖である荒木田守武禰宜ゆかりの地である伊勢は、やはり芭蕉さんにとっても憧れの地であったことと思われます。
月夜見宮参拝後は伊勢の台所と呼ばれた河崎へ。
江戸時代創業の酒問屋を改装した河崎商人館で西条館長から河崎の歴史説明を受けた後は、今回のツアーのメインテーマである「倭姫講座」です。会場が熱き心を持つ参加者にとっては少し寒すぎたようですが、皆さん熱心にメモを取られていました。
近くに夕食を取る場所がなかったことから、引き続き研修室で「倭姫御膳」を召し上がっていただきましたが、さすがに神宮司庁ご用達の「大喜」特製メニューだけあって味は申し分ありませんでした。
夕食後は夜の河崎を散策しながらホテルに戻りましたが、夜の伊勢も捨てがたい魅力があるので、今晩はホテル近くの旭湯という銭湯に浸かってから寝ることにしました。

令和時代の伊勢神宮参拝は倭姫命の伝言を聞く

◆2日目  <伊勢→宇治山田→名古屋→東京>

6:30 内宮の早朝参拝に向けてホテル出発

6:45 宇治橋駐車場到着
*宇治橋から昇る朝日を拝むために待機

7:35 冬至の前日に宇治橋に昇る朝日鑑賞

7:45 内宮の早朝参拝へ

7:45~9:00 内宮めぐり
*五十鈴川の御手洗場で清めてから参拝
*皇大神宮:皇祖神で日本全国の神々の総氏神でもある天照大御神を祀る
*御稲御倉神:神宮神田から収穫された抜穂の稲が収められる所管社
*荒祭宮:内宮第一の別宮で天照大御神の荒御魂をお祀りする
*四至神(ミヤノメグリノカミ):五丈殿の東にある宮域を守る内宮の所管社
*風日祈宮:風雨を司る神を祀る別宮で、今回は遥拝する
*大山祇神社:神路山の入り口似坐す山の守り神を祀る所管社
*子安神社:木華開耶姫神を祀る所管社で安産、厄除け、縁結びの神
*饗土橋姫神社:宇治橋を守護される神を祀る所管社

9:00~9:45 内宮前の勢乃国屋にて朝食

9:50 バスにて皇學館大學へ

10:00~10:45 皇學館大學佐川記念神道博物館見学
*神道および神社の紹介を通じ、日本の文化・歴史・信仰を伝える資料館
*皇學館大學附属の博物館施設
*住吉大社御帳台は必見
*研究開発推進センター学芸員千枝大志博士の解説

10:50 徒歩にて倭姫宮へ

倭姫宮

倭姫宮

10:50~11:20 倭姫宮参拝
*神宮では一番新しく祀られた倭姫を祭神とする別宮
*祭神の倭姫命は第11代垂仁天皇の皇女

11:20~12:00 神宮徴古館見学
*神宮の歴史と文化を伝える総合博物館
*神宮のお祭り、社殿の建築、神宝の展示

12:00~12:15 神宮農業館見学
*日本最初の産業博物館で自給自足の伝統を伝える
*「自然の産物がいかに役立つか」をテーマとする

12:20 バスにて猿田彦神社へ

12:35~12:50 猿田彦神社参拝
*主神は猿田彦大神、相殿で大田命を祀る
*事の最初に現れ、良い方向へ「おみちびき」になる神
*御神田では毎年、5月5日に豊作を祈って「御田祭」が行われる

12:50~13:00 佐瑠女神社参拝
*美女の代表であり、芸能の祖神の天宇受売命を祀る

13:00 徒歩にておはらい町の五十鈴塾へ

13:10~13:50 五十鈴塾にて「こじはん」の昼食
*農作業の合間に食べていた日本の家庭料理

13:50 昼食後はおかげ横丁へ

14:00~14:40 おかげ座 神話の館
*天照大御神が祀られる伊勢の神話体験
*民俗学者であり、旅の文化研究所所長である神埼宣武氏の監修
*日本神話の「国生み」から「天孫降臨」までのあらましを紹介

14:45~15:30 おはらい町・おかげ横丁 自由散策

15:35 内宮おかげ参道WC前で集合

15:40 バスにて月読宮へ

15:45~16:20 月読宮めぐり
*月読宮:祭神は天照大御神の弟神で夜之食国を治める神
*月読荒御魂宮:月読尊の荒御魂を祀る別宮
*伊佐奈岐宮:天照大御神・月読尊の父神を祀る別宮
*伊佐奈弥宮:天照大御神・月読尊の母神を祀る別宮
*葦原神社:倭姫が定めた五穀豊穣の神を祀る内宮の末社

16:25 バスにて近鉄宇治山田駅へ

17:40 宇治山田駅発 近鉄特急7614

18:37 近鉄名古屋着
*新幹線乗換え口へ移動

19:24 名古屋発 ひかり532号にて東京へ

20:51 新横浜着

21:03 品川着

21:10 東京着
*新幹線改札を出て解散

〔旅日記〕

伊勢神宮の日の出

伊勢神宮の日の出

外宮は日没前の夕刻に参拝しましたが、内宮はやはり日の出とともに早朝参拝がお薦めです。
特に今日は冬至の前日ということもあり、宇治橋のほぼ正面に太陽が昇ります。
6時半にホテルを出発し、6時45分には宇治橋駐車場に到着しましたが、すでに宇治橋に昇る朝日を撮影しようと行列ができていました。
7時35分には雲の間から宇治橋の正面で朝日を拝むことができ、すぐに神馬にご挨拶に行くべく、正宮に向かいました。
通常であれば8時に正宮前で神馬とご対面の予定でしたが、少予定が早まったようで、神楽殿ですれ違いました。
内宮では別宮に加えて宇治橋の守護神を祀る饗土橋姫神社等の所管社も参拝しました。
内宮前の勢乃国屋で朝食を取った後は、弊社のHPにも執筆ご協力いただいている千種清美さんお薦めの皇學館大學神道博物館へ。
学芸員の千枝博士より館内の展示説明を受け、貴重な住吉大社御帳台も見学することができました。
伊勢の神宮のみならず、日本全国の神社の概要を知ることができる貴重な博物館です。
博物館からは徒歩で倉田山の倭姫宮へ向かいましたが、これは今回のツアーのテーマである倭姫命の功績をたたえて大正12年に創建された最も新しい別宮です。
倭姫宮参拝後はお伊勢さん観光案内人の解説で神宮徴古館および神宮農業館を見学。
神宮徴古館では式年遷宮で撤下された過去の御装束神宝の実物も見事でしたが、たくましい倭姫像が印象に残りました。
続いて訪れた猿田彦神社は「道啓きの大神」として独立開業の成功をお願いする人も多く、「はじめの一歩御守」が人気の縁起物になっています。
本日の昼食は五十鈴塾で伊勢の郷土料理「こじはん」です。
昼食後は「おかげ座神話の館」で神話シアターをお楽しみいただき、見学後はおかげ横丁散策のためのフリータイム。
私は赤福本店で名物の赤福餅を食べ、五十鈴川に沿って散策しながら125社の摂社である宇治山田(うじようだ)神社へ参拝してきました。
おかげ参道前に集合して、いよいよ最後の目的地である月読宮へ。
ここは天照大御神の弟神・月読尊を祀る月読宮と月読荒御魂宮、父神・伊佐奈岐宮、母神・伊佐奈弥宮が同座しています。
月を「読む」、即ち暦を司る神様ですが夫婦円満を願う人が多く訪れます。
最後に通常は訪れない葦原神社という倭姫が定めた末社を参拝し、お伊勢さん観光案内人にまとめをしていただきました。
昨日はクラブツーリズム専用貸切列車「かぎろひ」でしたが、今日は通常の近鉄特急で名古屋に向かいます。
今回のツアーでは、とりわけ宇治橋の真上に昇る朝日は神々しく記憶に残りました。

初代の斎王「倭姫命」の教え

倭姫命

倭姫命

①初代の斎王は壬申の乱で伊勢神宮に戦勝祈願した天武天皇の大来皇女とされるが、伝説の時代の斎王として崇神天皇の皇女豊鋤入姫命と垂仁天皇の皇女倭姫命がいる。

②特に倭姫命は豊鋤入姫命の跡を継ぎ、天照大神の御杖代として大和国から伊賀・近江・美濃・尾張の諸国を経て伊勢の国に入り、信託により皇大神宮(内宮)を創建し、伊勢の地で天照大神を祀る最初の皇女となり、これが後の斎宮となった。

③倭姫命の教え:「黒(きたな)き心を無くして、丹(あか)き心を以ちて、清く潔(いさぎよ)く 斎(いつ)きつつしみ、左の物を右に移さず、右の物を左に移さずして、左を左とし、右を右とし、左に帰り右に廻(めぐ)る事も 万事違ふ事なくして、大神に仕え奉れ。元を元とし、本を本とする故なり。

*元(はじめ)を元として本(もと)を本とする、万事決まっていることを変えることなく、誠心をもって天神大神にお仕えする(伊勢神宮の神祭の基本)
*この倭姫命の丹(あか)き心から赤心慶福(おもてなしの精神で人の幸せを喜ぶ)という「赤福」の理念が生まれました。

平成芭蕉の「令和の旅指南」シリーズ第5弾『生まれ変わりの一人旅』

出羽三山の「生まれ変わりの旅」で、私は月山の月読命という月に願い込めましたが、今の私の課題は「月を見上げて、日々の腕立て伏せが出来るか?」ということです。『月』を自らの目標や夢と捉え、『腕立て伏せ』を日々の行動や取り組みと考え、どれだけ、自分自身の目標を見続けながら、日々行動しているのかという問いかけです。

月山頂上の月山神社

どんなに月に祈りを込めて夢を語っても行動していなければ手にすることはできません。しかし、行動していたとしても目標や夢を見続けていなければ、目の前に現れる出来事をこなしていくだけの味気ない作業になってしまいます。

これからの将来、自分自身が目指すところ、求められることに向かっていくためには、まず「今、何をすべきか」を考えつつ、今の行動は目標にどう紐付けられるのかを自分自身に問いかける必要があります。

立ち止まっては悩み、不安になることも沢山ありますが、そんな時に私は「生まれ変わりの一人旅」で出会った人の言葉や笑顔を思い出し、その方々に恥じぬ行動をしていくことで進むべき方向へと軌道修正されていくように感じています。

どれだけ、私たちは決めた目標を見続けているのか、そして、そこに辿り着く道のりを歩めているのか。こうした疑問を抱いた時には、やはり目標を見失わず、感情を老化させないためにも「生まれ変わりの一人旅」に出て、一歩を侮ることなく、一歩を信頼して進みましょう。令和の旅指南シリーズ5冊目の『生まれ変わりの一人旅 令和の旅指南Ⅳ』では、感情の老化を防ぐ私の体験をご紹介しています。

★平成芭蕉ブックス
 ①『人生は旅行が9割 令和の旅指南Ⅰ』: 長生きして人生を楽しむために 旅行の質が人生を決める
 『縄文人からのメッセージ 令和の旅指南Ⅱ』: 縄文人の精神世界に触れる 日本遺産と世界遺産の旅
 『松尾芭蕉の旅に学ぶ 令和の旅指南Ⅲ』:芭蕉に学ぶテーマ旅 「奥の深い細道」の旅
 ④『生まれ変わりの一人旅 令和の旅指南Ⅳ』: 感動を味わう一人旅のススメ
 ⑤『日本遺産の教科書 令和の旅指南』: 日本人の心に灯をつける 日本遺産ストーリーの旅

「令和の旅指南」シリーズ

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私は平成芭蕉、自分の足で自分の五感を使って旅しています。

平成芭蕉のテーマ旅行

平成芭蕉の旅語録

「平成芭蕉同行の旅」では、私が実際にお客様をご案内したツアーの中でも特に印象に残っている旅をご紹介しています。

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*「平成芭蕉の旅物語」サイトマップ参照

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