令和の「平成芭蕉」

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平成芭蕉のテーマ旅行

平成芭蕉のテーマ旅行〜「街道」と「高速道路」:高速道路から旧街道へ

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平成芭蕉の「高速道路」を活用した旧東海道の旅

高速道路のおかげで「観光」が充実

御油宿に残る松並木

 私の高速道路についての一番の想い出は、名神高速道路の開通間もない昭和40年に、家族旅行で西宮ICから栗東ICまでを走った記憶です。

当時は道路を利用する際に料金を支払うという感覚もなかったので、子供心にも新鮮に感じると同時に、移動の時間が短縮されたことにより、観光地での滞在時間が増えたことを実感した旅行でもありました。

それまでは未舗装の道路も多く、目的地に着いた時には疲労困憊で、満足のいく観光はできませんでした。

ちなみに「観光」の意味は、国王をはじめとする特権階級が、国を統治するために現地を調べ、将来の施策を占う大事な仕事でした。

よって、今日われわれ庶民が観光の旅に出かける際にも、「観光」本来の意味に鑑み、訪問地での滞在時間を十分にとって、その土地の自然や伝統・文化に触れ、何か新しい気付きや感動を体験するべきなのです。

その意味で高速道路の果たした役割はとても大きく、観光地への移動時間の短縮によって観光本来の体験ができ、気付きも増えたような気がします。

北村薫作『空飛ぶ馬』という小説に「小説が書かれ読まれるのは人生がただ一度であることへの抗議」という言葉があり、私はこの「小説」を「旅」に置き換えると、旅行も同様かと思います。

そこで、私は一度限りの人生に抗議する意味で、別の土地に生きる別の自分のストーリーを思い描くためにドライブに出かけるのです。

言い換えれば、自分の生きている「物語」と旅先の「物語」とが織りなす新しい「物語」を創造する体験の旅を目指しています。

ドライブでは「高速道路」と「旧街道」を意識する

さった峠から眺める富士山

そこで私のドライブ旅行は、往路には高速道路を使い、目的地で十分な観光時間をとった後、復路は一般国道や旧街道をのんびり走り、途中の宿場町に立ち寄ったりもします。

今では高速道路網が全国各地に張り巡らされており、以前より目的地には早く到達できるので、帰りにほんの少し寄り道をするのです。

人生のほんの数時間、本来の道からそれて寄り道することにより、学べることがいっぱいあります。

よって私が高速道路を走る際に心掛けていることは、高速道路でのドライブを単なる移動時間と考えるのではなく、観光要素も組み入れることです。

具体的には、事前にルート上の名所旧跡を調べ、走行中は道路標識や案内板に加えて山や川の位置、さらに高速道路の通っている地形から、旧道がどこを走っているかを類推しながら走るのです。

また、必要に応じて道中のSAやPAで旅情報を仕入れ、もちろん食事も検討します。

例えば東京から熱田神宮参拝に行くケースを考えると、往路は東名高速で一路、名古屋を目指しますが、道中は旧東海道と並走する「さった峠」付近で富士山を眺め、SAやPAでは宿場町を連想しながら走ると楽しみが増えるのです。

そして帰路には途中の音羽蒲郡ICで降りて、東海道53次の35番目の宿であった御油宿の古い街並みや東海道随一と言われる『御油の松並木』を走れば、旅の想い出も一層深まります。

御油の松並木

御油の松並木

この御油宿から赤坂宿までは、53次の中でも最も短い区間(2㎞弱)で、この地は東海道線の乗り入れに反対したために、結果的に昔の良き風情を今に残しているのです。

高速道路の旅には「五浴」を取り入れる

街道沿いの一里塚

街道沿いの一里塚

そして時間的にゆとりがあれば行基菩薩が発見したと伝えられる愛知県内有数の古湯である三谷温泉で一休みするのもお勧めです。

というのも『リラクゼーション』のテーマ旅でもご紹介した「五浴」の筆頭が温泉浴だからです。

「五浴」とは前にもお話しした通り、人間の健康上、体力回復に必要な5つの「浴」で

  • 温泉浴(日本人が好む究極のリラクゼーションで地球のエネルギーを吸収する)
  • 日光浴(適度な太陽光線を浴びることによる新陳代謝の促進)
  • 森林浴(新鮮な酸素とα波を呼ぶ森のフィトンによるリラクゼーション)
  • 海水浴(血液の成分に近いミネラルの吸収、海の潮風を浴びるだけでも効果あり)
  • イオン浴(川のせせらぎや滝のマイナスイオン効果と地球の大地に裸足で触れる)

を取り入れることにより、長時間の高速運転の疲れをとるだけでなく、健康増進とリラクゼーション効果を得ることができるのです。

そこで日頃のドライブで高速道路を走る場合には、是非ともこの五浴と旧街道を意識していただきたいと思います。

なぜなら、今日の高速道路も旧街道を考慮して造られており、SAやPAは江戸時代の宿場町のような役割を果たしていることが、高速道路と旧街道を走ることによって実感でき、単調な高速道路の移動の旅も想い出深い「観光旅行」になるからです。

2018年11月 「公益社団法人 高速道路調査会」発行
『高速道路と自動車』Voi.61 随想「観光と高速道路」掲載

高速道路調査会『高速道路と自動車』

高速道路調査会『高速道路と自動車』

<具体的な旅先>

旧東海道の御油宿…愛知県豊川市御油町にある東海道53次の35番目の宿場で、旧街道の面影を残す「御油の松並木」で有名。江戸風俗史に登場する尻尾の短い「御油猫」は、御油と赤坂の宿場駅間の短さを尻尾に例えて命名されたと言われています。

三谷温泉…約1200年前に僧行基が発見したと伝わる美白のアルカリ性単純温泉で、温泉街のシンボルである子安弘法大師像は東洋一の大きさを誇ります。

*平成芭蕉の「高速道路の旅」は公益社団法人高速道路調査会発行の『高速道路と自動車』の2018年11月号に掲載されました

『高速道路と自動車』随想「観光と高速道路」

『高速道路と自動車』随想「観光と高速道路」

 

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私は平成芭蕉、自分の足で自分の五感を使って令和時代を旅しています。

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見るべきものは見て、聞くべき話は聞いた。では旅に飽きたかと問われれば、いえいえ、視点が変わればまた新たな旅が始まるのです。平成芭蕉はまだまだ「こんな旅があった」と目からウロコのテーマ旅行にご案内します。すなわち、「ときめき」を感じる旅から人は変わり、生き方も変わり、人生も変わるのです。

「令和の旅」へ挑む平成芭蕉

*「平成芭蕉の旅物語」サイトマップ参照

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