神話の舞台の淡路島「絵島」と伊邪那美命を祀る「花窟神社」
神聖な叙述である「神話の旅」
神話は事実に関係しながらも、その背後にある深い隠された意味を含む「神聖な叙述」が起源で、神々の出現、国の誕生、文化の起源などあらゆる事象が語られています。
そこで、私は堅苦しい考察はさておき、日本における記紀万葉の神話の世界は、人類の遠い記憶を訪ねる「詩」と考え、登場する神の名前やその役割などを詮索するより、神々の活躍する物語を探求する「神話の旅」をおすすめします。
そして神話の旅を始めるのであれば、やはり神々が誕生し、その天つ神がイザナキとイザナミの夫婦神に国土づくり「国生み」を命じた物語からスタートです。
男神のイザナキと女神のイザナミは、聖なる矛で海をかき混ぜ、その矛先から滴り落ちた潮水が固まって島ができました。
「国生み」と「神生み」神話の舞台
この島がオノコロ島で、その候補地は日本各地に存在しているようですが、ある学者の見立てでは淡路島周辺の小島とされており、淡路市にある絵島もその一つとされています。
両神はこの島に天火の神カグツチの御柱を立て、左右からまわって出会いを演出し、声をかけあい、交接しながら淡路島を皮切りに八つの島(大八島)を生みました。
大八島は瀬戸内海に浮かぶ淡路島を中心に四国、隠岐、九州、壱岐、対馬、佐渡そして大倭豊秋津島(畿内一帯)と広がっており、古事記編纂の時代の世界観がうかがえます。
国生みを終えるとイザナキとイザナミは次に「神生み」を開始し、海の神オオワタツミノカミや山の神オオヤマツミノカミなどを次々に誕生させますが、火の神を出産したことが原因で、イザナミは火傷で亡くなり、黄泉の国に去ってしまいました。
日本書紀の記述からイザナミは熊野の花窟(はなのいわや)神社が葬地とされていますが、黄泉国と地上との境は東出雲町の黄泉比良坂(よもつひらさか)にあるとも伝えられています。
すなわち、神話では国土の始まりは男女の交わりとして語られ、これをモチーフとして神々が生まれて、さらに天皇の恋物語にストーリーが発展していくのです。
<具体的な旅先>
淡路島の北にある絵島…イザナキとイザナミが国生みを開始したとされるオノコロ島の候補地の一つである絵島は、周囲400mほどの小島です。
花窟神社…熊野灘に面した花窟神社には、本殿はなく、御神体は45mの高さのある巨岩ですが世界遺産にも登録されています。
*平成芭蕉のテーマ旅行「神話の旅」は旅行読売2019年1月号に掲載されました
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私は平成芭蕉、自分の足で自分の五感を使って令和時代を旅しています。
見るべきものは見て、聞くべき話は聞いた。では旅に飽きたかと問われれば、いえいえ、視点が変わればまた新たな旅が始まるのです。平成芭蕉はまだまだ「こんな旅があった」と目からウロコのテーマ旅行にご案内します。すなわち、「ときめき」を感じる旅から人は変わり、生き方も変わり、人生も変わるのです。