令和の「平成芭蕉」

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平成芭蕉のテーマ旅行〜「廃墟」の旅~ポンペイ遺跡と軍艦島から学ぶ

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風景の輪廻転生 「廃墟」をテーマとした旅

人類の生活は、戦争等の人的行為によっても破壊されますが、火山噴火等の自然災害では街は廃墟となって残骸をさらします。

廃墟と化して幾年も過ぎ去った場所に立つと哀しくて風景の輪廻転生に虚しさを感じると同時に、哀しみの向こうにある人間の営みの虚しさにも襲われます。

しかし、その廃墟から学ぶことも多く、そして廃墟が再生していく姿を見れば、人間のたくましさに心も打たれます。

私にとって廃墟と言えば、イタリア南部のヴェスヴィオ火山が噴火し、火山灰に埋もれた町ポンペイを連想します。

1787年にポンペイを訪れた文豪ゲーテは

「世界にはこれまでいろいろの災禍が起こったが、後世の人々をこれほど愉快にするものは余り他に類がないだろう。こんな興味深いものはそう沢山はない」

と『イタリア紀行』に記しています。

ポンペイの遺跡と軍艦島の廃墟から学ぶ

ゲーテが興味深いと語った理由は、噴火で堆積したのは主として軽石と火山灰であったため、ポンペイの町はそっくりそのまま埋もれ、廃墟とは言え、町はまるで昨日まで人が住んでいたかのようにほとんど何もかもが古代ローマ時代の再現だからです。

ポンペイの廃墟

ポンペイの廃墟

そして、廃墟跡からは噴火当時の建造物やかつての生活をしのばせる品々が発見され、当時の日常生活を明らかにする貴重な資料として脚光を浴びています。

日本における廃墟としては、ポンペイと同様に世界遺産登録された長崎県の軍艦島(端島炭鉱)が代表です。この島は明治以降の日本近代化に多大なる貢献を果たすも、昭和40年代のエネルギー革命で石炭産業が切り捨てられたことによって廃墟となりました。

しかし、軍艦島は無人島になってからは上陸禁止であったことが幸いして、閉山当時のままの街並みが残され、日本の高度成長期の痕跡や消えゆく昭和の記憶が残る貴重な島となっています。

島民すべての家庭に「三種の神器(テレビ、洗濯機、冷蔵庫)」が揃っていましたが、緑はありませんでした。

しかし、人が去った今、島には緑が増えて、海も美しいコバルトブルーに輝いており、地球上で一番環境に優しい場所に変貌しています。

そして今や驚くべきことに年間20万人以上の人々が訪れる人気スポットとなり、世界的な観光地となっています。

軍艦島の30号棟

軍艦島の30号棟

しかし、この廃墟は単なる観光地ではなく、過去の歴史と暮らしを物語る貴重な場所であり、自然環境や資源の問題から地球全体の共存を考える場所でもあります。

すなわち、人間のたくましさと風景の輪廻転生に心を打たれるのが「廃墟」の旅です。

<具体的な旅先>

ポンペイ…多くの人の命と生活を奪ったヴェスヴィオ火山の火山灰は、くしくもローマの栄華を現代に色鮮やかに蘇らせる貴重な廃墟となっています。

軍艦島…端島炭坑の石炭はとても良質で、日本の近代化を支えましたが、主要エネルギーが石炭から石油へと移行したことにより昭和49(1974)年に閉山、島は無人となりました。

*平成芭蕉のテーマ旅行「廃墟の旅」は旅行読売2019年11月号に掲載されました

旅行読売 こんな旅がしたい「廃墟の旅」

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日本の縄文文化「北海道と北東北の縄文遺跡群」が世界文化遺産!

「北海道と北東北の縄文遺跡群」が世界文化遺産に登録されることを記念して、私はこのたび『縄文人からのメッセージ』というタイトルで令和の旅を語り、Amazonの電子本として出版しました。人生100歳時代を楽しく旅するために縄文人の精神世界に触れていただければ幸いです。日本人の心に灯をつける『日本遺産の教科書』、長生きして人生を楽しむための指南書『人生は旅行が9割』とともにご一読下さい。

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 『縄文人からのメッセージ 令和の旅指南Ⅱ』: 縄文人の精神世界に触れる 日本遺産と世界遺産の旅 

平成芭蕉ブックス『令和の旅指南』

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私は平成芭蕉、自分の足で自分の五感を使って令和時代を旅しています。

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見るべきものは見て、聞くべき話は聞いた。では旅に飽きたかと問われれば、いえいえ、視点が変わればまた新たな旅が始まるのです。平成芭蕉はまだまだ「こんな旅があった」と目からウロコのテーマ旅行にご案内します。すなわち、「ときめき」を感じる旅から人は変わり、生き方も変わり、人生も変わるのです。

「令和の旅」へ挑む平成芭蕉

*「平成芭蕉の旅物語」サイトマップ参照

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