南米ペルーに残る世界最大のオーパーツ「ナスカとパルパの地上絵」
私が「空の旅」に関心をもつようになった契機は、若いころに聴いた東京FMの「ジェットストリーム」の冒頭、「遠い地平線が消えて、深々とした夜の闇に心を休める時…」という城達也さんの名ナレーションです。
列車やバスの車窓から移りゆく風景を眺める旅も楽しいのですが、空から眼下に展開する世界を楽しむのは航空機で旅する時代に生まれてきた私たちの特権です。
そしてこの「空の旅」でしか楽しめない代表的な観光地は、ペルーの世界遺産「ナスカの地上絵」でしょう。
世界の七不思議と聞いて、ナスカの地上絵を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?
ナスカの地上絵が描かれた時代は、飛行機のない時代です。
巨大な地上絵が、いつ頃、どうやって、何のために描かれたのか、考えるだけでもロマンがあります。
ただし、地上絵の書き方については、ある程度解明され、現在では拡大法という書き方が有力になっており、この方法で地上絵が描けることが実証されています。
この地上絵は紀元前2世紀から6世紀頃に描かれたと考えられていますが、発見されたのは、航空機が地上絵上空を飛行するようになったことがきっかけで、1939年6月22日、ナスカ台地上空を飛んでいた考古学者ポ-ル・コソックによってはじめて公表されました。
ドイツ人女史マリア・ライヒェの功績
そしてコソックの助手でナスカの地上絵研究に一生を捧げたドイツ人女史マリア・ライヒェは、地上絵を道路(パン・アメリカン・ハイウェイ)による浸食や開発計画から守るために尽力し、地上絵観測のために「ミラドール」と呼ばれる塔を建設しました。
現在、この塔に登れば地上絵の一部を見ることができますが、あまりにも巨大な絵が多く、空からでなければ全体像が把握できないため、通常は遊覧飛行による「空の旅」で眼下の巨大アートを見学します。
発見以来多くの研究者が諸説を唱えてきましたが、なぜ描かれたかについては未だに謎です。
マリア・ライヒェは平行でない地上絵の線については夏至と冬至に太陽が日没する方向に一致することを明らかにしました。
しかし、最近になってアマチュア考古学者がグーグルアースを使い、それらの線がカンボジアのアンコール・ワットで1点(対蹠点)に交わることを発見したそうです。
パラカス文化のパルパの地上絵
また、2018年5月29日に入ってきたニュースによると、南米ペルーの「ナスカの地上絵」の近くで、ドローンによる調査を行ったところ、地上絵が新たに25個以上も見つかりました。
場所は、地上絵が発見されたナスカ台地から、北に20キロ離れた町パルパで、ナスカ文化の数百年前に栄えたパラカス文化のものと見られています。
ナスカの地上絵の大半が空からしか見えないのに対し、パルパの地上絵は丘の斜面に描かれているため、地上からでも確認でき、描かれているサルや女性の踊り子などが「とても可愛いい!」と話題になりました。
ドローンならば気軽に調査ができるので、まだまだ新しい地上絵の発見がありそうです。
私はこの話を聞いて案外、世界の謎を解明するのは組織に縛られないアマチュア研究者ではないかと思います。
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私は平成芭蕉、自分の足で自分の五感を使って世界遺産を旅しています
「平成芭蕉の世界遺産」はその世界遺産についての単なる解説ではなく、私が実際に現地に赴いてその土地に生きる人たちと交流した際に感じた感動の記録です。