南米ブラジルの「野生動物の楽園」パンタナール湿原 | 【黒田尚嗣】平成芭蕉の旅物語

令和の「平成芭蕉」

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平成芭蕉の世界遺産

南米ブラジルの「野生動物の楽園」パンタナール湿原

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私は平成芭蕉、自分の足で自分の五感を使って世界遺産を旅しています

平成芭蕉の世界遺産

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「平成芭蕉の世界遺産」はその世界遺産についての単なる解説ではなく、私が実際に現地に赴いてその土地に生きる人たちと交流した際に感じた感動の記録です。

*「平成芭蕉の旅物語」サイトマップ参照

平成芭蕉の「世界遺産への旅」

平成芭蕉の「世界遺産への旅」

 

地球に残された「野生動物の楽園」パンタナール自然保護地域

地球上に残る動物たちにとっての楽園はアフリカの国立公園ではなく、南米大陸のほぼ中央に位置するパンタナール湿原ではないでしょうか。パンタナールとはポルトガル語で「大湿原」を意味し、南米大陸中央部に降り注ぐ雨水の受け皿のような場所で、地球上に現存する最大の野生生態系の一つとされ、世界自然遺産に登録されています。

パンタナール湿原へのゲート

このパンタナール湿原はブラジルを中心にパラグアイ、ボリビアの3国にまたがっており、その面積は、日本の本州とほぼ同じ23万平方kmと言われています。10月頃から半年間は雨季で、多くの土地が水に浸かってしまいますが、5月頃になると水が引き、ところどころ川や池に水を残す以外は、草原へと姿を変えます。
そして、この乾季の間、パンタナール湿原は「野生動物の楽園」となり、ジャガーをはじめ、カピバラやズグロハゲコウ(トゥユユ)など多種多様の動物に出逢うことができるのです。

パンタナールのトゥユユ

パンタナールでは雨季と乾季があり、一年周期でゆるやかに水位が増減するため、数多くの種類の魚類が多数生息し、その魚が無数の鳥類や動物を惹きつけて、地球上まれに見る生物の楽園を形成しているのです。

パンタナールの景観

パンタナールと言えば湿原のみをイメージしがちですが、実際はテーブル状の台地や森、河川、湖沼群などさまざまな要素から成り立っています。そして水没しない部分の多くは牧場として利用され、インドから移入されたという毛色の白いネロリ牛が飼われています。

私は北パンタナールのポサーダ・アララスに滞在し、馬に乗ってその牧場を巡りましたが、歩いて散策するよりも遠くまで行ける上、視界が高くなるので牧場のはるか彼方まで見渡せました。雄大なパンタナールの景色を眺めながら、のんびりと馬に揺られて湿原を散歩する乗馬ツアーは、パンタナールならではの想い出に残る体験です。

パンタナールでの乗馬体験

次にパンタナールの水辺に生きるお馴染みの動物と言えば「メガネカイマン」と呼ばれるワニの一種です。大きいものになると体長が2mを越えますが、獰猛な動物ではありません。

メガネカイマン

また、パンタナール湿原を流れる川の中には、ブラジルを代表する肉食魚ピラニアの仲間「パクー」が生息しており、丸みのある体と、小魚を噛み砕く歯が生えています。そしてこのピラニアフィッシングはパンタナールでの人気のアクティビティの一つです。

ピラニアフィッシング

様々な野生動物が暮らすパンタナール大湿原ですが、頻繁に観察できる代表的な野鳥には「オニオオハシ」がいます。20cmほどもある巨大な黄色い嘴がトレードマークのオニオオハシは、ブラジルではFlying Bananaと呼ばれています。

オニオオハシのモニュメント

しかし、パンタナールのシンボルは、コウノトリの仲間であるトゥユユです。この巨大な水鳥は、首元が赤くて、広大なパンタナール湿原の中でも見つけやすく、遠くからでも観察できます。

パンタナールのシンボル「トゥユユ」

昼間の動物観察も楽しめますが、パンタナールではナイトサファリもおすすめです。昼間とは違って、夜行性の動物たちを観察できるナイトサファリは、パンタナールの不思議な生態系を違った角度から見ることができるおすすめのアクティビティで、特に大アリクイなどに遭遇できれば感動します。

ナイトサファリ

カピバラの生活は動物本来の生き方

また、愛らしいカピバラですが、パンタナールでは、湿原の中を泳ぐ野性のカピバラに会うことができます。親子で泳ぐ姿はコミカルな感じですが、天敵のワニ等が現れると、おっとりした外見にそぐわぬスピードで逃げていきます。

愛らしいカピバラ

この野生のカピバラは暑さに弱い動物ですが、観察すると一日の行動は十分な暑さ対策がなされていました。すなわち、早朝より涼しい内に川岸のスイレンの葉や果物などを探しては食べ、日中は暑さを避けるために茂みの日陰や、水の中で泳いで過ごしています。そして涼しくなった夕方に再度、食事をして、夜は地面のくぼみに草や葉っぱを引きつめて居心地を良くして気持ちよく寝ています。

日陰でくつろぐカピバラ

カピバラはネズミの一種ですが、雑食ではなく、草食動物でとても愛嬌のある顔をしています。私はこのカピバラの生活リズムこそ動物本来の生き方ではないかと思いました。

どこを見渡しても目に見えるものは水と牧草地、そしてところどころに見えるこんもりとした森と空だけですが、この何の変哲もない風景が妙に心を落ち着かせてくれます。そしてこの広々とした大自然の中で、のんびりと餌をついばんでいるカピバラの愛らしい姿や刻々と変化していく空の様子を眺めているだけで私は心が癒されました。

パンタナール湿原のカピバラ

それは、われわれ人間も動物としての本能で、本物の自然に触れたことに反応してそのように感じるのかもしれません。訪れる観光客によっては、見るべきものがないと不満を感じるかもしれませんが、私たち文明人が本物の自然と触れ合えるこの大湿原は、世界遺産の中でもとても貴重な存在だと思います。

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