令和の「平成芭蕉」

令和の「平成芭蕉」

平成芭蕉の世界遺産

平成芭蕉の世界遺産 日本~沖縄「琉球王国のグスク及び関連遺産群」

更新日:

Pocket

沖縄のシンボル的世界遺産 琉球王国のグスクと首里城

平成芭蕉の「世界遺産への旅」

平成芭蕉の「世界遺産への旅」

沖縄の観光スポットと言えば、やはり琉球王国の首里城跡で、正殿のほかにも守礼門、園比嘉武御嶽石門(そのひゃんうたきいしもん)などが「琉球王国のグスク及び関連遺産群」として世界文化遺産に登録されました。

今回はこの世界遺産の中でも首里城と並んで重要な琉球王国最高の聖域「斎場御嶽」と久高島についてお話しします。

世界遺産認定された琉球王国最高の聖域「斎場御嶽」と久高島

御嶽と呼ばれる琉球信仰の形態

沖縄の世界遺産「斎場御嶽」

沖縄を旅行していると各地で香炉を見かけますが、これは「御嶽(うたき)」と呼ばれる琉球信仰の形態であり、神社、ガジュマルなどの木々、砂浜、湧き水、時には道沿いなどに祀られており、琉球王国時代には、いくつかの御嶽を巡って巡礼する聖地廻りとよばれる形態がありました。古くから、海のかなたに「ニライカナイ」と呼ばれる神々の国があると信じられてきた琉球では、その信仰を基盤として、独特の文化が育まれてきたのです。

その一つが「東御廻り(あがりうまーい)」と呼ばれるもので、沖縄では太陽の昇る東方のことを「あがり」と呼び、理想の世界・ニライカナイがあって、東御廻りとは、首里から見た「あがり」にあたる玉城、知念、佐敷周辺の御嶽を巡るものでした。

私もいくつかの御嶽を訪れましたが、「斎場御嶽(せーふぁーうたき)」こそは写真にも目に見えないエネルギーが写っており、真の聖域かと思われます。

沖縄にはこの斎場御嶽を含めて9つの文化遺産が「琉球王国のグスクおよび関連遺跡群」として世界遺産登録されていますが、これらは琉球王国独自の文化を象徴する遺跡群です。

グスクおよび関連遺跡群

すなわち独特のグスク(城砦)の景観やすぐれた庭園、そして精神文化を伝える御嶽や陵墓が人類共有の文化遺産として認められたのです。中でも有力な豪族であった按司(あじ)によって築かれたグスク(城砦)には、宗教的な聖地とされる拝所(うがんじゅ)もあり、琉球文化が色濃く残っています。

このグスクは按司の住居と防衛の拠点であっただけでなく、集落の中核をなしており、先祖への崇拝と祈願を通じて住民の心の拠り所でもありました。琉球にはおよそ300余りのグスクや関連遺産が残っていますが、その中でも国王の居城であった首里城跡の他、今帰仁(なきじん)城跡座喜味(ざきみ)城跡勝連(かつれん)城跡中城(なかぐすく)城跡が世界遺産に登録されています。私は小規模ながら、沖縄最古のアーチ型の城門や城壁の残る座喜味城が特に印象に残っています。

座喜味城の城壁

また、関連遺産群としては、祭祀の場であった斎場御嶽(せいふぁーうたき)園比屋武御嶽(そのひやんうたき)」の石門、陵墓の玉陵(たまうどん)、王族の庭園であった識名園(しきなえん)が登録されていますが、これらは琉球王国の生活様式や独自の信仰形態を今に伝えています。

世界遺産の斎場御嶽と聞得大君

聖域「京のはな」への入り口

御嶽は琉球の信仰における祭祀などを行う施設で「拝み山」とも呼ばれています。また斎場は「最高位」を意味することから斎場御嶽は「最高の御嶽」の意味です。琉球開闢の神アマミキヨがつくった9つの御嶽の一つとされ、琉球王国最高の聖域として位置づけられています。

巨大な二枚の岩の空間にはパワーが満ち溢れ、その奥の三庫裏(さんぐーい)には「京のはな」という最も格式の高い拝所があり、神の島とされる久高島が遥拝できます。まさに大地の「気」を感じることのできる聖域です。

ここは古くは男子禁制で、琉球王国の神女組織の最高位・聞得大君(きこえのおおきみ)が就任する「お新下り(おあらおり)」の儀式が行われる場として重要な役割を果たしてきました。

琉球王国では神の声を聞くことの出来るのは女性であり、それも王の親族の女性と決まっていました。その女性が琉球王国最高神官、聞得大君だったのです。

琉球開闢の祖神が降り立った「神の島」久高島

「神の島」久高島の遙拝所

久高島へは斎場御嶽の近くにある安座真港より高速船に乗って行くことができます。久高島は沖縄本島南部の東に浮かぶ長さ4km弱の細長い島で、沖縄本島が「癒しの島」と呼ばれるのに対し、久高島は「神の島」とされ、琉球開闢の祖神が降り立った所であり、島のあちこちに聖域があります。そしてこの島の浜辺の聖なる白砂が御嶽に敷き詰められたと言われています。

この久高島の白砂と植物、そして空の色はとても美しく、心を和ませてくれますが、特に聖域のカベール岬(ハビャーン)にある「生誕の穴」と呼ばれる岩場の穴は、今までの人生、意識、観念を無くして通ると生まれ変わった気持ちになるのでお薦めです。

そして私たちは自然から様々な恩恵を授かっていることを理解し、「すべてに有難う」という感謝の念も生まれます。「地球にやさしい」と言ったコピーがありますが、私はこれまで「地球にやさしくされていた」ことに気付くべきかと思いました。

祝!日本の縄文文化「北海道と北東北の縄文遺跡群」が世界文化遺産登録

「北海道と北東北の縄文遺跡群」が世界文化遺産に登録されたことを記念して、私はみちのくを旅した芭蕉の研究本『松尾芭蕉の旅に学ぶ』と共に『縄文人からのメッセージ』というタイトルで縄文文化を語り、平成芭蕉の『令和の旅指南』シリーズ(Kindle電子本)として出版しました。人生100歳時代を楽しく旅するために縄文人の精神世界に触れていただければ幸いです。

また、日本人の心に灯をつける『日本遺産の教科書』、長生きして人生を楽しむための指南書『人生は旅行が9割』、感情の老化を防ぐ私の旅日記である『生まれ変わりの一人旅』とともにご一読下さい。

★平成芭蕉ブックス
 ①『人生は旅行が9割 令和の旅指南Ⅰ』: 長生きして人生を楽しむために 旅行の質が人生を決める
 『縄文人からのメッセージ 令和の旅指南Ⅱ』: 縄文人の精神世界に触れる 日本遺産と世界遺産の旅
 『松尾芭蕉の旅に学ぶ 令和の旅指南Ⅲ』:芭蕉に学ぶテーマ旅 「奥の深い細道」の旅
 ④『生まれ変わりの一人旅 令和の旅指南Ⅳ』: 感動を味わう一人旅のススメ
 ⑤『日本遺産の教科書 令和の旅指南』: 日本人の心に灯をつける 日本遺産ストーリーの旅

平成芭蕉「令和の旅指南」シリーズ

参考記事:世界遺産の旅における「へー、そうだったの」

★関連記事:平成芭蕉の旅のアドバイス「旅して幸せになる~令和の旅」

私は平成芭蕉、自分の足で自分の五感を使って世界遺産を旅しています

平成芭蕉の世界遺産

平成芭蕉の世界遺産

世界遺産とは地球の成り立ちと人類の歴史によって生み出された全人類が共有すべき宝物で、その内容によって①文化遺産②自然遺産③複合遺産に分類されます。この「平成芭蕉の世界遺産」はその世界遺産についての単なる解説ではなく、私が実際に現地に赴いてその土地に生きる人たちと交流した際に感じた感動の記録です。

「令和の旅」へ挑む平成芭蕉

*「平成芭蕉の旅物語」サイトマップ参照

Pocket

令和の「平成芭蕉」

令和の「平成芭蕉」

-平成芭蕉の世界遺産

Copyright© 【黒田尚嗣】平成芭蕉の旅物語 , 2024 All Rights Reserved Powered by STINGER.