シュリーマン発掘のトロイアの考古遺跡
語学習得には毎日の継続的学習が必要ですが、18か国語を自在に操ったとされるドイツ人シュリーマンの6週間語学独習法は、「声を出して読み、訳さずに作文を書いては暗唱する」という繰り返し学習法でした。
この毎日コツコツと学ぶ姿勢は、何事にも一貫して取り組むシュリーマンの生きる姿勢そのもので、この信念が神話上の都市とされていたトルコの世界遺産「トロイアの考古遺跡」発掘に繋がったのでしょう。
古代都市トロイは、ホメロスの叙事詩「イリアス」では海の近くにあるように描かれていますが、トロイアの遺跡は実際には海からかなり離れた場所にあります。
シュリーマンは1870年から本格的な発掘調査を行い、その地層の違いから、トロイアが紀元前3000年から何世紀にもわたって何回か都市が建設されてきたことを発見しました。
そして彼は、一番深い地層の部分を第一市と名付け、第2市では「プリアモス(トロイ最後の王)の財宝」を発掘し、第七市までを見極めました。
1882年からはドイツの若手考古学者ヴィルヘルム・デルプフェルトも加わって更に発掘が進み、シュリーマン亡きあとはデルプフェルトによって、ここがホメロスの「イリアス」に描かれたトロイアであることが立証されました。
トロイア戦争と「トロイアの木馬」
トロイア戦争はトロイアの王子パリスがスパルタ王メネラオスの妃で絶世の美女ヘレネを奪ったことから始まり、メネラオスの兄アガメムノンを大将にギリシャ軍がトロイア軍を攻撃した戦いです。
そしてなかなか陥落できなかったトロイアを破るためにギリシャ軍のオデュッセウスが考えた策が「トロイアの木馬」作戦だったのです。
現在では紀元前3000年から500年頃までの9層(9都市)の遺構が確認されており、遺跡の入り口にはトロイア戦争の「トロイアの木馬」にちなんだ巨大な木馬が建っています。
このトロイア遺跡発掘は後の考古学発展に大きな影響を与えましたが、当初、シュリーマンは考古学の専門家に相談することなく、不適切な発掘を進めたため、大切な遺跡に損傷を与えた面も指摘されています。
ホメロスの叙事詩では壮大な都市に描かれていたトロイアの遺跡ですが、今日でも遺跡の中は乾燥した地面と硬い石壁だらけで、地図や解説書を見ながら歩いても知識がないと良く分からない遺跡です。
そこで有名なトロイア遺跡ですが『徒然草』第52段の「仁和寺にある法師」の教訓から、私たちだけでなくシュリーマンにも「先達(案内者)」が必要だったと思わせる遺跡です。
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