チェコの世界遺産 「百塔の町」プラハ歴史地区 | 【黒田尚嗣】芭蕉さんの旅講座

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チェコの世界遺産 「百塔の町」プラハ歴史地区

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『交響曲第9番(新世界より)』『スラヴ舞曲』で人気のドヴォルザーク、そして「モルダウ」で有名な組曲『わが祖国』を作曲したスメタナは、ともに19世紀にチェコが輩出した偉大な音楽家ですが、彼らゆかりの地プラハは「祖国」を感じさせる中世の街並みが残る魅力的な都です。




チェコを代表する世界遺産 魅力的な「百塔の町」プラハ

モルダウ川とプラハ城

モルダウ川とプラハ城

私はこの「祖国」という言葉に何か不思議な優しい響きを感じるのですが、それは1964年の東京オリンピックにおける女子体操競技で、当時の宿敵ロシア(旧ソビエト連邦)を倒して金メダルを獲得したプラハ出身のベラ・チャスラフスカのイメージがあるからです。
プラハはヨーロッパでも最も古い都市の1つで、モルダウ川が町の中心をゆったりと流れ、プラハ城、聖ヴィート大聖堂、中世以来のカレル橋などが有名ですが、城塞のような塔が多いことから「百塔の町」と称えられる美しい都です。
しかし、ベラ・チャスラフスカが活躍した当時のチェコスロバキアは、人間の顔をした社会主義を目指して挫折した「プラハの春」を中心とする、言わば激動の時代で、彼女は気丈にも一人、祖国を背負って戦っていたように思えたのです。
その類まれな容姿と彼女の瞳の中に秘められた孤独そうな「祖国魂」が、まだ小学生であった私の胸に焼き付いています。
また、ドヴォルザークのメロディーにも彼の気高い優しさとスラブ民族への愛、そしてベラと同様に祖国への想いが込められているように感じます。

ベラ・チャスラフスカ

プラハ、「わが祖国」は芸術の都

ドヴォルザーク記念館

音楽家のドヴォルザーク、スメタナだけでなく、作家のカフカ「ロボット」という言葉の生みの親であるカレル・チャペットなど、プラハに関係する芸術家は多く存在します。
スメタナの交響詩『わが祖国』の第2楽章「モルダウ」は、モルダウ川生成を物語に雄大な郷愁を人々に駆り立ててくれます。
しかし、スメタナも偉大ですが、私はドヴォルザークのメロディーとベラ・チャスラフスカの躍動的な動きに「祖国」を感じるので、クラシック音楽ファンにも人気のドヴォルザーク記念館と市内にあるベラのボヘミアングラスのショップを訪ねました。
市内のドヴォルザーク記念館を訪ねると、その案内書の中には次のドヴォルザークの言葉が紹介されていました。
「私のモットーは常にかくあり、またかくあらん。神、愛、そして祖国。ただこの三者のみが汝に至福をもたらす アントニン・ドヴォジャーク」
この言葉から、当時としては長距離旅行の多かったドヴォルザークは、たえず祖国を意識していたことがわかります。

カペル橋と城の丘に立つプラハ城、聖ヴィート大聖堂

カペル橋での若きプラハ市民

カペル橋での若きプラハ市民

時代が変わり、チェコとスロバキアの2か国となって、それぞれが自由主義経済の道を歩むようになり、カレル橋を行きかう人々の素顔は平穏に満ち溢れています。
このカレル橋は中世の石橋としては非常に豪壮な造りで、両端にゴシック式の塔がそびえ、欄干の上には計30人の聖人像が並んでいます。
世界遺産のプラハ歴史地区の通称「城の丘」に立つプラハ城は、世界でも最も大きい城の一つで、その広場はモーツァルトの「アマデウス」「レ・ミゼラブル」といった映画にも登場します。
プラハ城内にはいくつもの建物があり、司教座の置かれた聖ヴィート大聖堂、大統領府、美術館、博物館などがありますが、観光では王宮黄金小路も訪ねます。
特に聖ヴィート大聖堂は盛期ゴシック様式の荘厳な造りで、北側廊の三番目の礼拝堂には、アール・ヌーヴォーの画家として名高いミュシャの下絵によるステンドグラスが入っていて、神々しく感じます。
今、この広場の聖ヴィート大聖堂の前に立つと、もはや政治の弾圧に翻弄されないプラハ市民の自由な息遣いを感じると同時に、ベラ・チャスラフスカの輝くような微笑みが再び私の心の中に蘇ってきます。
ベラ・チャスラフスカさんは2016年8月30日に亡くなられましたが、「体操の花」としての気高さと祖国を愛し続けた真摯な生き方はゴッホと同様に芸術そのものです。

ベラ・チャスラフスカ

by 【平成芭蕉こと黒田尚嗣】

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