珠玉のように美しいボヘミアの町 チェスキー・クルムロフ
ヨーロッパ有数の美しい町「チェスキー・クルムロフ」
5月から6月にかけてのヨーロッパは、花が咲き始め、新緑とのコントラストが非常に美しく、とりわけ地方の田舎町は風情があってベストシーズンを迎えます。
そのヨーロッパの地方都市の中でも最も美しい町の一つとされるのが、中欧と呼ばれるチェコ(ボヘミア)のチェスキー・クルムロフです。クルムロフ城を含む優れた建築物と歴史的文化財で知られ、チェスキーとは、チェコ語で「ボヘミアの」という意味であり、クルムロフは「川の湾曲部の湿地帯」を意味しています。
チェスキー・クルムロフ城のシンボル
チェコの首都であり、「百塔の町」と称されるプラハから南へ約250キロ、スメタナの交響詩で名高いヴルタヴァ川がS字形に曲流し、まるで2つの島のようになっている高台に城が築かれ、この町の起源となりました。
そのチェスキー・クルムロフ城のシンボルとなっている塔は、かき落とし技法であるスグラフィット(立体感を与えるための一種のだまし絵)で彩色されており、町のどこから見ても目立つ存在です。チェスキー・クルムロフは、重要な文化の中心地で、数多くのフェスティヴァルやイベントが毎年開催されています。
最もよく知られているのは、6月の夏至の週末に開催される五弁のバラの祭典(the Five-Petalled Rose Festival)で、この祭典の開催中には、町は歩行者天国になり、芸術家や地元の人々が中世の扮装をして街に繰り出し、チェスキー・クルムロフの街はさながら中世にタイムスリップした様相を呈します。
しかし、多くの日本人観光客は城と市庁舎のあるスヴォルノスティ広場を中心とした旧市街を散策するだけで立ち去るケースが多いのが残念です。
チェスキー・クルムロフのHOTEL RUZE(薔薇)
なぜならこのチェスキー・クルムロフに限りませんが、文化遺産の町は滞在してこそ本当の良さが理解でき、特にこの絵のような中世風の町は、夕暮れ時から夜にかけて昼の喧騒から開放された静寂のひとときにこそ最高に輝くのです。
とりわけお薦めはかつてイエズス会の学校であったルネッサンス風のHotel Ruze(チェコ語で「薔薇」の意)での滞在です。
このホテルの建物は、16世紀にロジェンベルク家の城主によって建てられ、正面にはイエズス会の紋章があり、当時のイエズス会教育資料も展示されています。
チェコのイエズス会教育
そのイエズス会資料によると「目に見えるものや芸術を通して人間は神と出会える」とし、美術や音楽を重視していたことがわかります。
また、この地域特有の文化も保護していたようで、ハプスブルク帝国の圧力があったにもかかわらずチェコの伝統芸術が建物の壁絵や人形劇等で残っているのはこのイエズス会教育の影響が大きいと思われます。
ホテルは3階建てで部屋から眺める景色は時間と共に変化し、ライトアップされた城や朝陽に輝くオレンジ色の街並は筆舌に尽くしがたい美しさです。
オーストリアの画家エゴン・シーレは母の故郷のこの町を好んで訪れ、風景画を何枚も描いていますが、彼ならずともスケッチしたくなるような風景や壁絵がこの町には多く存在します。
祝!日本の縄文文化「北海道と北東北の縄文遺跡群」が世界文化遺産登録
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私は平成芭蕉、自分の足で自分の五感を使って世界遺産を旅しています
世界遺産とは地球の成り立ちと人類の歴史によって生み出された全人類が共有すべき宝物で、その内容によって①文化遺産②自然遺産③複合遺産に分類されます。この「平成芭蕉の世界遺産」はその世界遺産についての単なる解説ではなく、私が実際に現地に赴いてその土地に生きる人たちと交流した際に感じた感動の記録です。