令和の「平成芭蕉」

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平成芭蕉の旅語録

平成芭蕉の旅語録~日本一、江戸文化を伝える岐阜の地歌舞伎

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江戸の文化を今に伝える岐阜の宝もの「地歌舞伎」

「東美濃ふれあいセンター」で子供の地歌舞伎鑑賞

子ども歌舞伎「絵本太功記」

最近は「日本遺産」関係の講演や視察が多かったのですが、今回は日本人の「心の遺産」とも言える「地歌舞伎」「東美濃ふれあいセンター」で鑑賞し、岐阜県内の代表的な芝居小屋である「白雲座」、「鳳凰座」、「かしも明治座」、「常盤座」も尋ねました。

歌舞伎と言えば、能や狂言、落語と並ぶ日本固有の伝統芸能で、ユネスコの無形文化遺産に登録されていますが、「地歌舞伎」はプロの役者が演じるいわゆる大歌舞伎と異なり、アマチュアが演じる地域のお宝的な行事です。

また、大歌舞伎では男役(立役)、女役(女形)ともにプロの男性が演じますが、地歌舞伎では男役を女性が、女役を男性、しかも大人ではなく子供が演じることもあり、地方色も感じられます。

すなわち、プロによる大歌舞伎では失われてしまった庶民の娯楽的要素が残っている点が魅力です。

私は子供の頃に神社の奉納歌舞伎として見学した記憶があり、今回訪れた芝居小屋の白雲座や常盤座ではデジャブを感じ、懐かしい時代劇の世界に浸ることができました。ともに、芝居小屋の傍に神社があって、子供の頃に親しんだ祭囃子の音も聞こえてくるようでした。

初日の東美濃ふれあいセンターでは、子供歌舞伎の『絵本太功記録 尼ケ崎閑居』を鑑賞しましたが、特に武智十兵衛光秀、母の皐月役を演じた小学4年生の名演技には大いに感銘を受けました。

地歌舞伎ならではの小銭(五円玉)を包んだ「おひねり」も用意して、「大向う」から声をかけるつもりでしたが、舞台に近い桟敷席に案内され、逆に声をかけるタイミングを逸してしまいました。

「歌舞伎ソムリエ」おくだ健太郎先生の解説と「かべす」の食事

かべす「歌舞伎十八番弁当」

しかし、今回は歌舞伎ソムリエとして有名なおくだ健太郎先生の事前解説があったので、理解も深まりました。オペラも同様ですが、やはり専門家の解説を聞き、内容を理解していないと十分に堪能できません。

また、昼食には岐阜中津川「長多喜」製の「歌舞伎十八番(おはこ)弁当 千種」という「かべす」をいただきました。

「かべす」とは菓子・弁当・寿司の頭文字をとったもので、芝居見物に適した食べやすいご当地グルメです。メニューは役名と配役が記されるといった凝りようです。

宿泊は下呂温泉「湯本館」で、夕食後は「地歌舞伎広域観光活用のための有識者・意見交換会」とかるた取りなどの親睦会が催されました。

岐阜県の宝ものはエネルギッシュな「心の遺産」地歌舞伎

芝居小屋「かしも明治座」

全国最多の保存団体が今なお活動する岐阜県は、地歌舞伎が日本一盛んな場所であり、昔ながらの芝居小屋が数多く保存され、また実際に活用されているエネルギッシュな土地柄ですが、保存会や地元の方々の話を聞けば聞くほどそれが実感できました。

私は、岐阜県で繊維に練りこむ鉱石の研究をしていたのですが、専門家の調査では、岐阜県は日本で最も多く落雷のある場所で、そのため、麦飯石下呂石のようなパワーストーンが多く存在すると言われています。

しかし、今回はこの地球のエネルギーだけでなく、この地に生活する住民の伝統文化を守るというエネルギッシュな熱い思いに触れることができて、大変嬉しく思いました。

会食後は、林羅山が有馬温泉・草津温泉とともに日本三名泉と称えた下呂の名泉に浸かりましたが、湯の温度も同様に熱いお湯でした。

東濃ひのきの産地として有名な加子母にある「かしも明治座」での昼食時には、フランスのパリで地歌舞伎を演じられた秦雅文さんから貴重な話もお伺いしましたが、地元出身でなくてもこの日本人の「心の遺産」とも呼べる地歌舞伎の保存と継承活動に尽力されている姿には大いに感銘を受けました。

最近のお客様は「何」というよりも「なぜ」に関心を寄せられていますので、地歌舞伎に関しても「誰がなぜはまったか」を語っていただくとリピーターの増加に繋がると思います。

やはり、この「地歌舞伎」という伝統芸能は岐阜県内だけでなく、日本全国、世界中にもアピールすべきだと強く感じた旅でした。

日本の縄文文化「北海道と北東北の縄文遺跡群」が世界文化遺産!

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私は平成芭蕉、自分の足で自分の五感を使って日本遺産を旅しています。

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平成芭蕉は「検索すればわかる情報」より「五感を揺さぶる情報」を提供します。旅とは日常から離れ、いつもと違う風、光、臭いなど五感を通じて自分を見つめ直す機会です。そしていつもと違う人に会い、いつもと違う食事をとることで、考え方や感じ方が変わります。すなわち、いい旅をすると人も変わり、生き方も変わり、人生も変わるのです。

「令和の旅」へ挑む平成芭蕉

*「平成芭蕉の旅物語」サイトマップ参照

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