平成芭蕉の旅語録~明治神宮鎮座百年祭奉祝イベント「ダニエル・オストの花」 | 【黒田尚嗣】平成芭蕉の旅物語

令和の「平成芭蕉」

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平成芭蕉の旅語録

平成芭蕉の旅語録~明治神宮鎮座百年祭奉祝イベント「ダニエル・オストの花」

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私は平成芭蕉、自分の足で自分の五感を使って「共感」する旅をしています。

平成芭蕉のテーマ旅行

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*「平成芭蕉の旅物語」サイトマップ参照

ダニエル・オスト氏 明治神宮奉祝の花展示会

2019年12月4日、明治神宮鎮座百年奉祝記念行事のクラブツーリズム・イベントにおいて、私は「明治神宮100年の杜の物語」と-いう題目で講演をさせていただく機会がありました。

明治神宮鎮座100年記念講演

明治神宮鎮座100年記念講演

このイベントはベルギーのフラワー・アーティストであるダニエル・オスト氏が、日本の新しい御代、「令和」の始まりを祝って明治神宮に奉祝の花を捧げた展示会でした。

明治神宮の本殿、外院東回廊、隈研吾氏設計の神宮ミュージアム入り口、そして重要文化財の宝物殿が奉納展示の場所でしたが、特に宝物殿の庭先には、多くの作品に加えてダニエル・オスト氏自らが選んだ日本の盆栽も展示されていました。

ダニエル・オスト氏は日本の文化や自然への造詣が深く、京都の町家杉本家住宅、仁和寺、東寺、金閣寺で開催された花会では高い評価を受けました。

今回は2020年に鎮座(創建)100年を迎える明治神宮の杜を背景に、ダニエル・オスト氏の花のアートを鑑賞する企画でした。

明治神宮のダニエル・オスト作品展示

明治神宮のダニエル・オスト作品展示

そして、明治神宮参集殿においてダニエル・オスト氏事務局の土屋代表が作品の見どころを解説され、私がその背景となった明治神宮の杜についてお話ししたのです。

鎮座100年を迎える「明治神宮の杜」の物語

明治神宮の「杜(もり)」は、中国古来の意味では山野に自生する落葉果樹を指しますが、日本では神社の「鎮守の杜」や「ご神木」を意味し、さらには人の手によって造成された森も含みます。

日本には、四季で表情の変わる海と山があり、神様が鎮座される荘厳な杜も全国各地にあります。この杜で養われ、培われた感性というのは、外国人がひっくり返そうと思ってもできるものではありません。

神宮ミュージアム入り口の奉祝の花

神宮ミュージアム入り口の奉祝の花

そこに気づき、関心を持って見ているのが外国人であり、彼らの方が日本に詳しかったりするのは面白いと思いますが、このイベントを機会に日本独自の森や植物に対する感性をもっと世界に広げていく必要があると感じました。

明治神宮の常磐の森は、全国から献木された約10万本を植栽した人工林で、この広大な土地は、江戸時代初期には、加藤清正の子・忠広が住んだとされる加藤家の下屋敷があり、その後、彦根藩井伊家の下屋敷として使用されていました。

その名残として、御苑地内には加藤清正が掘ったと言われる清正井(きよまさのいど)が今も澄んだ湧き水を湛え続けています。

今日、明治神宮の森は、都心部の貴重な緑地として親しまれているだけでなく、人工林が意図的に自然林化されたものとしても注目されていますが、かつては樹木がほとんどない荒れ地でした。

この中には東京都心部では通常見られないような生物も生息し続けており、動物学・昆虫学的にも非常に貴重な例となっています。

清正井のある明治神宮御苑

清正井のある明治神宮御苑

古代日本の神道では、社殿の中に神をお祀りせず、自然の造形物すなわち巨石、大木、優美な姿の山や森などに神が宿られると信じ礼拝の対象にしてきましたが、時代とともに、神様の住まいである社殿が常けられたのです。

そのため、神様となられた明治天皇をお祀りする際にも、社殿だけでなく、自然の造形物の源となる森が創られたのでしょう。

明治神宮の「杜」の造成計画と基本理念

1915(大正4)年4月、次の3名が中心となり「明治神宮造営局」が発足、「杜」の造成計画が始動しました。

  本多静六:日比谷公園の設計などで知られる林学博士

  本郷高徳:日比谷公園の設計に携わった造園家  

  上原敬二:日本の造園学の祖  

計画の中心を担った3人の基本理念は「神社の森は永遠に続くものでなければならない。それには自然林に近い状態をつくり上げること」で、彼らが森の主な木として選んだのは、カシ、シイ、クスノキなどの常緑広葉樹(照葉樹)でした。

明治神宮境内の常緑広葉樹林

明治神宮境内の常緑広葉樹林

それは、もともとこの地方に存在していたのが常緑広葉樹であり、各種の広葉樹木の混合林を再現することができれば、人手を加えなくても天然更新する「永遠の森」をつくることができると考えられたからです。

そのため、神宮の森では自然林に近い森をつくるため、350 種を超える樹種が植えられ、適者生存のやり方が取られました。

そしてほぼ100 年を経た今日、天然林相に近づきつつあるのは確かですが、本当にそうなるかどうかは、千年、万年という単位で見なければ分かりません。

明治神宮の森は、関東大震災や戦災をも乗り越えて、今の姿がありますが、日本人は古来、森に多様性を与え、森に歴史を刻みつつ、森を守り、また森に守られてきました。

鎮座100年を迎える明治神宮

鎮座100年を迎える明治神宮

令和の時代は、この命のいとおしさを無言のうちに語る森の言葉に耳を傾ける時ではないでしょうか。

人が生きる「呼吸」に必要な酸素は森が供給してくれますので、私たちが生きていくためにも「森」は大切にすべきです。

また、吸って吐くことで「呼吸」が成立するように、あらゆるアイデアも、アウトプットするだけではなくインプットしてバランスが取れるものです。

私はその考えのもと、しばしばインプットに集中するための旅に出ては、その期間に読書をしたり、情報収集したりして自身の将来の方向性を探っています。

そんな平成芭蕉にとって、都会にいながらにして新鮮な酸素と森林浴を享受し、創造エネルギーがインプットできる明治神宮の杜は、本当に有難い森だと感謝の気持ちが湧きました。

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by 【平成芭蕉こと黒田尚嗣】

 

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