神々の島バリ島の世界遺産 古来から息づく田園風景のスバック・システム  | 【黒田尚嗣】芭蕉さんの旅講座

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神々の島バリ島の世界遺産 古来から息づく田園風景のスバック・システム 

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神々の島バリ島に古来から息づく田園風景「バリ州の文化的景観」

「日が沈む聖地出雲」が文化庁の日本遺産に認定されたことから、神が創り出した地の夕日鑑賞を兼ねて出雲風土記および出雲神話ゆかりの地と宍道湖を中心とした神々のふるさとを巡って来ました。
「神の湯」と呼ばれる玉造温泉に宿泊しましたが、宍道湖に沈む夕日は美しく、湖面に指す光は神々しささえ感じさせてくれました。

私はこの夕日を見るたびにインドネシアのバリ島にある海の神を祀るタナロット寺院の夕景を思い出します。
昼食は出雲大社神門通りのLAUTという名のイタリアンレストランでとりましたが、この名前はインドネシア語で「海」を意味し、ここのオーナーも出雲の風景をバリ島に重ねたのではないかと思われます。

そこで今回はそのバリ島の世界遺産をご紹介します。
バリ島はイスラムの国インドネシアにあって独自のヒンドゥー教文化が生きている神々の島ですが、世界中から愛されているリゾート地でもあります。

バリ島の世界遺産「トリ・ヒタ・カラナの哲学を表現したスバック・システム」

バリ島のジャティルウィ棚田

バリ島のジャティルウィ棚田

美しいいビーチやリゾートホテルも魅力ですが、実はバリ島には「神と人と自然が調和することで、人々は幸福に生きることが出来る」というバリ・ヒンドゥーの哲学に基づいた素晴らしい世界遺産もあるのです。
具体的には「トリ・ヒタ・カラナの哲学を表現したスバック・システム」というバリ島の伝統的な田の水利管理組合(スバック)によって維持されてきた文化的景観です。
トリ・ヒタ・カラナとはサンスクリット語の3(トリ)喜びや繁栄(ヒタ)理由(カラナ)に由来し、神と人と自然という三者の調和を意味するバリ・ヒンドゥーの教義概念で、神がもたらす自然の恵みを受け取り、そこから供え物を作り、祈りと共に神に捧げるという神と人と自然の関係を表現しています。

この遺産はひとつの建造物ではなく、①バトゥール湖ウルン・ダヌ・バトゥール寺院 バトゥカウ山保護地区スバック(ジャティルイ村の棚田)の景観 タマン・アユン寺院 パクリサン川流域のスバック景観の5つのエリアをひとくくりにして登録され、19500ヘクタールにもおよび、バリ島の4つの県に広がっています。
特に「スバック」は9世紀頃から始まったバリ特有の水をためるダムのようなもので、ここから各水田に水を分配するという優れたシステムとなっており、ジャティルウィの棚田では素晴らしいライステラス(棚田)を見ることができます。

水を神聖視るるバリ島の世界遺産と日本の神話

バトゥール山

バトゥール山

さらに聖なる水を湛えるバトゥール湖、バトゥール湖の女神「デウィ・ダヌ」を祀るウルン・ダヌ・バトゥール寺院、聖なるバトゥカル山麓の美しい棚田の田園風景、境内を水路が囲むバリで最も麗しいタマン・アユン寺院も感動的ですが、私は最も古いスバックのパクリサン川で村人が水浴びしていた姿が印象に残っています。
バトゥール湖畔のバトゥール温泉は、バトゥール湖を眺めながらお湯に浸かれる温水プールのような温泉施設で、癒しにはもってこいでした。
バリ島では、死ぬと火葬にされ、遺灰は海に流され、霊魂は祖霊神となって天に昇り、天から降った雨水が山から川を流れて人間の住む世界を潤し、海に流れて再び天へと向かうのと同様、水も人の霊魂も三界を循環すると考えられています。
この水を神聖視するバリ人の世界観は、同じ稲作の国である日本人にも共通で、日本の神話の世界はバリの宗教観にも通じている気がしました。

 

by 【平成芭蕉こと黒田尚嗣】

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