フランスの世界遺産 ヨーロッパ100名城の要塞カルカソンヌ
日本城郭協会では「日本100名城」に続く「続日本100名城」の公式ガイドブックが発行されており、城のファンにはスタンプ集めで人気を博しています。
しかし、同じ日本城郭協会が選定した「ヨーロッパ100名城」の存在はあまり知られておらず、城好きの私としては、日本の城だけでなくヨーロッパの城にも関心をもってもらいたいと思いました。
ヨーロッパ100名城がある国は35か国で、最多はイタリアとフランスですが、100名城中なんと半数以上の52城が世界遺産に登録されています。
「進撃の巨人」の舞台を彷彿させるヨーロッパ最大の城塞
そこで今回はこの52城の中でもヨーロッパ最大規模を誇るフランスの城塞カルカソンヌをご紹介したいと思います。
歴史的城塞都市カルカソンヌは古代ローマ時代に築かれた「街(シテ)の要塞」を起源とし、13世紀になって隣国スペインのアラゴン王国に対する防衛上さらなる城塞が築かれるも、17世紀に国境が定まってからは軍事上の意味を失いました。
しかし、城壁に囲まれた部分が世界遺産に登録されて以降、フランス国内ではモン・サン・ミシェルに次ぐ一大観光名所となりました。
カルカソンヌ観光では全長3㎞の城壁の内側とその外側からの眺望の2つを楽しむことができます。
この城塞への入り口はナルボンヌ門とオード門という2か所ですが、二重になった城壁内には50以上の塔やサン・ナゼール大聖堂、12世紀に建てられた歴代伯爵の城館コンタル城など見所が数多く存在します。
カルカソンヌの名前の由来
また、このカルカソンヌには名前の由来となった伝説があります。
フランク王国のカール大帝がこの城の市門前に陣を敷いて攻囲戦を行った際、当時の城主はカルカスという名の女領主でした。
攻囲が6年目に入ったとき、城内には兵糧も水もなくなりかけていましたが、カルカスは一計を案じて太らせた豚を塔から投げ落とし、これを見たカール大帝はまだ城に十分な兵糧があると考え攻囲を解いて撤退したのです。
そしてカルカスはこの勝利を祝福し、町中の鐘を鳴らさせ「カルカスが鐘を鳴らしている(Carcas sonne;カルカ・ソンヌ)」と伝わり、伝説ではこれがカルカソンヌという市の名前の由来とされています。
今日、「カルカソンヌを見ずして死ぬな」と称されるほど素晴らしい中世の景観を堪能できるのは、この機智に富んだ女領主カルカスのおかげかもしれません。
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私は平成芭蕉、自分の足で自分の五感を使って世界遺産を旅しています
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