令和の「平成芭蕉」

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平成芭蕉の世界遺産

平成芭蕉の世界遺産 イタリア~フィレンツェとメディチ家の功績

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イタリアルネッサンスの華 フィレンツェの世界遺産

平成芭蕉の「世界遺産への旅」

平成芭蕉の「世界遺産への旅」

ローマ、ミラノ、ヴェネツィアと並んでイタリア観光の人気都市であるフィレンツェは、トスカーナ地方のアルノ河畔に広がるルネサンスの中心都市で「花の都」と呼ばれ、中世の面影を今に残す魅力ある街です。

フィレンツェでも古い歴史をもつヴェッキオ橋や天才建築家ブルネレスキが手掛けたサンタ・マリア・デル・フィオーレ(花の聖母マリア)大聖堂など見るべき建造物は多いのですが、やはりメディチ家の遺産でもあるウフィツィ美術館は必見です。

ルネッサンスの栄華を伝えるイタリアの世界遺産「フィレンツェ」

フィレンツェの思い出」と映画『インフェルノ』

ヴェッキオ宮殿

チャイコフスキーの弦楽六重奏曲「フィレンツェの思い出」を鑑賞し、私もフィレンツェに思いを馳せました。この作品はチャイコフスキーが亡くなる前年に完成しているので、事実上、彼の最晩年の作品です。

彼がこの作品を手掛けたのは、歌劇「スペードの女王」を作曲するためにフィレンツェに滞在していた時のことと言われていますが、この時のフィレンツェ滞在は彼にとって7度目でした。

そのため、私は彼の「フィレンツェの思い出(Souvenir)」というタイトルには一層感慨深く感じるのです。2本のヴァイオリン、2本のヴィオラ、2本のチェロという特異な編成とやや古典的な楽曲構成、そしてほとんどイタリアっぽさを感じない曲調がこの曲の魅力です。

そして、この曲こそ晩年のチャイコフスキーが音楽に詰め込んだ、彼自身の人生における様々な情景や幸福な時間の追憶であるということを考えれば、私はこの曲にときめきを感じたのです。

私は2017年、「慈しみの特別聖年」イタリアツアーに同行した際にこの街を訪ねましたが、当時はこのフィレンツェを舞台とした映画『インフェルノ』が話題を呼んでいました。

この映画は『ダ・ヴィンチ・コード』『天使と悪魔』に続くダン・ブラウン氏の傑作で、ダンテの『神曲』に秘められた暗号を読み解きながら、ヴェッキオ宮殿を中心に花の都「フィレンツェ」を紹介していました。

ウフィツィ美術館とメディチ家

ボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」

ダヴィデ像(コピー)の立つシニョーリア広場を見下ろすヴェッキオ宮殿は、かつてのフィレンツェ共和国政庁舎で、2階の「五百人広間」の壁画はミケランジェロレオナルド・ダ・ヴィンチという2大巨匠が競作したエピソードで有名です。

このヴェッキオ宮殿と道路を挟んでウフィツィ美術館がありますが、これはメディチ家のコジモ1世が造ったトスカーナ大公国の行政庁舎(事務所)が置かれていた場所で、今はボッティチェリの『春』や『ヴィーナスの誕生』などルネッサンス美術の粋を集めた美術館です。

この美術館を訪ねるとフィレンツェを繁栄に導いたのは、やはりメディチ家の財力によるところが大であると実感できます。

ルネッサンスとメディチ家の繁栄

ミケランジェロの『最後の審判』

そのメディチ家の中でもルネッサンスの貢献者となれば、「祖国の父」と呼ばれたコジモ・デ・メディチ(通称:コジモ・イル・ヴェッキオ)と「豪華王」の異名を持つロレンツォ・デ・メディチでしょう。15世紀半ばに金融業で頭角をあらわしたコジモが市政を握ると、その後約300年間にわたってフィレンツェはメディチ家の下で繁栄したのです。

コジモは「フィレンツェのためならどんな出費も惜しまない」とブルネレスキドナテッロなど多くの芸術家のパトロンになっただけでなく、彼らの芸術以外での面倒もみた人望の厚い人物でした。ルネサンス建築の代表とされるサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂の二重構造の円蓋(クーポラ)は彼が庇護したブルネレスキの設計です。
また、ロレンツォは人間性の尊重、個人の解放というルネッサンスの神髄を実践し、「青春は素晴らしい、しかしすぐに過ぎてしまう、だから大いに今を楽しもう」という詩を残しており、その人生を楽しむ生き方が芸術家にインスピレーションを与えたと言われています。

そのロレンツォは1492年に43歳の若さで亡くなり、メディチ家の黄金時代は彼の死で終焉を迎え、以後はサヴォナローラによる虚栄の焼却が行われるなど、フィレンツェは時代の流れに翻弄され、再びこの地でルネッサンス文化が花開くことはありませんでした。

しかし、ミケランジェロをローマに、レオナルド・ダ・ヴィンチをミラノに送るというロレンツォの文化外交のおかげで、私たちはシスティーナ礼拝堂の『最後の審判』サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会の『最後の晩餐』を鑑賞することができるのです。

そこで、「花の都」フィレンツェは今でこそイタリアという国の一都市ですが、私にはやはりフィレンツェ共和国の首都というイメージが強く感じられます。

祝!日本の縄文文化「北海道と北東北の縄文遺跡群」が世界文化遺産登録

「北海道と北東北の縄文遺跡群」が世界文化遺産に登録されたことを記念して、私はみちのくを旅した芭蕉の研究本『松尾芭蕉の旅に学ぶ』と共に『縄文人からのメッセージ』というタイトルで縄文文化を語り、平成芭蕉の『令和の旅指南』シリーズ(Kindle電子本)として出版しました。人生100歳時代を楽しく旅するために縄文人の精神世界に触れていただければ幸いです。

また、日本人の心に灯をつける『日本遺産の教科書』、長生きして人生を楽しむための指南書『人生は旅行が9割』、感情の老化を防ぐ私の旅日記である『生まれ変わりの一人旅』とともにご一読下さい。

★平成芭蕉ブックス
 ①『人生は旅行が9割 令和の旅指南Ⅰ』: 長生きして人生を楽しむために 旅行の質が人生を決める
 『縄文人からのメッセージ 令和の旅指南Ⅱ』: 縄文人の精神世界に触れる 日本遺産と世界遺産の旅
 『松尾芭蕉の旅に学ぶ 令和の旅指南Ⅲ』:芭蕉に学ぶテーマ旅 「奥の深い細道」の旅
 ④『生まれ変わりの一人旅 令和の旅指南Ⅳ』: 感動を味わう一人旅のススメ
 ⑤『日本遺産の教科書 令和の旅指南』: 日本人の心に灯をつける 日本遺産ストーリーの旅

平成芭蕉「令和の旅指南」シリーズ

参考記事:世界遺産の旅における「へー、そうだったの」

★関連記事:平成芭蕉の旅のアドバイス「旅して幸せになる~令和の旅」

私は平成芭蕉、自分の足で自分の五感を使って世界遺産を旅しています

平成芭蕉の世界遺産

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世界遺産とは地球の成り立ちと人類の歴史によって生み出された全人類が共有すべき宝物で、その内容によって①文化遺産②自然遺産③複合遺産に分類されます。この「平成芭蕉の世界遺産」はその世界遺産についての単なる解説ではなく、私が実際に現地に赴いてその土地に生きる人たちと交流した際に感じた感動の記録です。

「令和の旅」へ挑む平成芭蕉

*「平成芭蕉の旅物語」サイトマップ参照

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