ハンガリーの世界遺産 ドナウ河岸とブダ城地区、アンドラーシ通り
私は夕陽鑑賞も好きですが、太陽が沈んだ後の夜景鑑賞も大好きです。そしてヨーロッパの夜景と言えば、「ドナウの真珠」と呼ばれるハンガリーのブダペストの夜景を思い出します。
そこで、今回はハンガリーの世界遺産であるブダペストの「ドナウ河岸とブダ城地区およびアンドラシー通り」をご紹介します。
「ドナウの真珠」と呼ばれるブダペスト
「美しき青きドナウ」が流れるブダペストの街並
ヨハン・シュトラウスの「美しき青きドナウ」で知られるドナウ河が、街の中央を北から南へと流れ、ブダ側とペスト側に分けており、合わせてブダペストの街が成り立っていますが、10世紀末にマジャル人が建国したハンガリー王国の首都としての歴史を伝えるのがブダ地区、近代ハンガリーを象徴するのがペスト地区です。
もともとはブダとオーブダ、ペストの3つの街でしたが、1849年にドナウ川に「くさり橋」が架けられて合併しました。
西のブダ側は小高い丘に取り囲まれ、15世紀にマーチャーシュ1世によってルネサンス様式に改築されたブダ城(かつての王宮)や城を護る目的で建設された「漁夫の砦」などの歴史的建造物があり、東のペスト側は平らな地域で、商人の市場で賑わう経済的拠点でした。
白い石灰岩でできたとんがり帽子の尖塔が、まるでお伽の世界を連想させる「漁夫の砦」の美しい回廊からは、ドナウ川の対岸に広がるペスト地区が一望でき、町並みの中から突出するような聖イシュトバーン大聖堂や、国会議事堂の姿も眺められます。
「聖イシュトヴァーン大聖堂」は1905年に完成した豪華な大聖堂で、内部にはハンガリー建国の父・イシュトヴァーン1世の右手が展示されています。
ツィタデッラと呼ばれる城塞の残るゲッレールトの丘に登ってもこの美しい街並を一望することができ、ここからの夜景は本当に美しくうっとりします。
誇り高きマジャール人の国、ハンガリー
眼下に見えるセーチェーニ鎖橋は、ブダとペストを結んだ最初の橋で、ブダペストの象徴の一つとされる美しい橋です。
今ではハンガリー全土に延びる道路の0キロメートル地点としても重要な役割を果たしています。
このヨーロッパの中央に位置するハンガリーは、もともとウラル山脈方面から移住してきた誇り高きマジャル人の国で、東洋的な文化と西洋的な文化が交差する独特な雰囲気を持っています。
民族的にも非常に優秀で、人口に対するノーベル賞受賞者の割合は世界一と言われています。
しかし、歴史的には13世紀にモンゴル帝国の侵略で甚大な打撃を被り、14世紀以降はトルコ系のオスマン帝国に制圧されるも、17世紀後半にハプスブルク家が奪還し、バロック様式で再建されました。そして18世紀にはハプスブルク帝国のマリア・テレジアが大規模な増改築を行っていますが、また、2度の大戦においても辛酸をなめています。
マルギット島からの夜景と温泉(スパ)
特にモンゴル軍が通過した後は略奪と虐殺により街も荒廃し、時のハンガリー王ベーラ4世がブダに王宮を築き、街を再建したと伝えられています。そのベーラ4世の息女マルギットが「二度とモンゴルの襲来が来ないように」と祈りを捧げた場所がマルギット島です。
ここから眺めるブダペストの夜景は素晴らしく、かつて壊滅的に打撃を受けたことを思えば、阪神大震災で復興した神戸の夜景と重なり、感無量です。
また、ブダペストは温泉(スパ)の街としても知られることから、夕食後は夜景鑑賞と温泉入浴もお薦めです。ハンガリーの国民は日本人と同じアジア系でとても親近感があります。
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