濱口梧陵生誕200年プレイベント 広川町 日本遺産認定記念シンポジウム | 【黒田尚嗣】芭蕉さんの旅講座

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濱口梧陵生誕200年プレイベント 広川町 日本遺産認定記念シンポジウム

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和歌山県 広川町 日本遺産認定記念シンポジウムに参加

「紀州が生んだ偉人 濱口梧陵」平井理央さんと荒俣宏先生のトークショー

防災の日である2019年9月1日、和歌山県広川町が主催する「濱口梧陵を生んだ紀州広川の挑戦」と題した日本遺産認定記念シンポジウムにパネラーとして参加しました。

これは『稲むらの火』の物語で知られる、濱口梧陵生誕200年のプレイベントとして開催されたシンポジウムです。

広川町日本遺産認定記念シンポジウム

広川町日本遺産認定記念シンポジウム

濱口悟陵翁は海外でもその名前が広く知られていますが、私は日本においては大原美術館創立者の大原孫三郎氏などと同様に、「ノブレス・オブリージュ(貴族の義務)」を立派に果たした偉大な人物であると尊敬しています。

パネルディスカッションに先立ち、講談師の旭堂南陵氏の「稲むらの火」と題した講談と「紀州が生んだ偉人 濱口梧陵」というタイトルで、フリーアナウンサーの平井理央さんと博物学者、荒俣宏先生のトークショーが行われました。

旭堂南陵氏の講談「稲むらの火」

旭堂南陵氏の講談「稲むらの火」

旭堂南陵氏の講談では私の好きな源平合戦の話題もあり、平家と平氏の違いを再認識した次第です。

平井理央さんと荒俣宏先生の対談では、お二人と私の母校でもある慶應義塾大学の創立者、福沢諭吉と濱口梧陵の交友関係など、興味深いお話を聞かせていただきました。

濱口梧陵は、広川町と同じ日本遺産に認定された千葉県「北総4都市江戸紀行」の銚子や佐倉にゆかりがあるのです。

銚子のヤマサ醤油七代目当主でもある濱口梧陵は、佐倉にあった蘭医学の塾兼診療所「佐倉順天堂」の佐藤泰然(順天堂の創立者)に学んだ関寛斎を、経済的に支援していたのです。

当時流行していたコレラの防疫に意を注いでいた濱口梧陵は、銚子で医院を開業した関寛斎を江戸の西洋種痘所(後の東京大学医学部)にて学ばせ、銚子におけるコレラ防疫に貢献するなど、近代医学の発展にも深く関わっていたのです。

私は長らく慶應義塾大学に医学部があるのはなぜだろうと思っていましたが、荒俣先生のお話から、福沢諭吉が医学に造詣の深かった濱口梧陵の影響を強く受けていたことによるものと理解できました。

平井理央さんと荒俣宏先生の対談

平井理央さんと荒俣宏先生の対談

日本遺産を活かした広川町の観光とまちづくり

パネルディスカッションでは「日本遺産を活かした観光とまちづくり」というテーマで、和歌山大学観光学部准教授、永瀬節治先生にコーディネーターを務めていただき、パネラーとして私と荒俣宏先生西岡利記町長の3名が登壇しました。

美しい緑の山々と青い海に抱かれた風光明媚な広川町は、これまでに何度も大きな津波に見舞われるも、そのたびに力強い復興を成し遂げてきた「防災の心」が生きている町です。

シンポジウムでのパネルディスカッション

シンポジウムでのパネルディスカッション

災害の記憶を風化させないこの町の防災ストーリーは、平成30年、

「百世の安堵」~津波と復興の記憶が生きる 広川の防災遺産~

として日本遺産に登録されたのです。

日本は小さな島国ですが、歴史は古く、変化に富んだ自然に育まれた深い伝統文化を有しています。

特に広川町は濱口梧陵の物語に加えて、豊かな自然があり、健康増進に必要な五浴(海水浴・森林浴・日光浴・温泉浴・イオン浴)を満喫できる土地柄です。

しかし、土地のストーリー(物語)を理解するには次の3つの段階があります。

 ①その土地を観る(観光の原点)

  *土地の歴史・風土・伝統・慣習・地名の理解

 ②その土地の生活を知る

  *地産地消の食物、空気・水・名産を食する

 ③その土地のエネルギーに触れる

  *伝統技術を学ぶ、人と触れ合う、温泉・森林浴などの五浴体験

すなわち「ストーリー」の在り方は、頭で理解するだけでなく、体感するイメージで、その手法としては「歴史ある道」(熊野古道)を歩きながら五浴を満喫するのが一番です。

広川町の魅力について語る平成芭蕉

広川町の魅力について語る平成芭蕉

また、日本遺産の「ストーリーの旅」を楽しむには、旅立つ前に学習すればするほど、旅行中の発見や感動は大きく、旅行後の思い出も増えます。

特に人や物に対する鋭い観察眼を持ち、好奇心を抱き、言葉のメッセージだけでなく、メタメッセージ(言葉以外の態度等)を感じ取る能力を磨くことをおすすめします。

ラフカディオ・ハーンの「ラフカディオ」は母の故郷「レフカダ島」に因む

例えば、濱口梧陵を世界的に有名にした『生ける神 A LIVING GOD』の著者ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)は、ギリシャのレフカダ島の出身で、「自分には半分東洋人(アラブ)の血が流れている」と語っていたことを知れば、彼の著作も読みたくなるはずです。

実際、小泉八雲が日本文化という非西洋の文化を蔑視せずに、国籍まで変えて日本に貢献した背景には、敬愛した母の出身地であるギリシャの文化とオープンマインドの精神があったと考えられます。

そして、「生ける神」に関心が生まれれば、実際に広川町を訪ね、地元の人から話を聞きたくなり、そこで気付きがあれば、さらに広川町での体験を周囲に話したくなるのではないでしょうか。

日本遺産の「ストーリーの旅」では、このように旅行後に振り返り、自分の生まれ育った土地の物語と旅先での物語とを比較しながら、人に語ることによって旅の思い出は一層輝きを増すのです。

そして重要なことは、Look(ちらっと見る)だけではなく、資料館などでWatch(観察)& See(理解)を体験し、真なるものに触れて、その中から「防災」など、自分にとって関心のあるテーマを深めていくことが日本遺産の旅の楽しみ方です。

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by 【平成芭蕉こと黒田尚嗣】

 

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