スペインで人気の世界遺産 バルセロナのガウディ作品群
スペインにはグラナダ、トレドなど魅力的な都市が多くありますが、特に建築好きな人にはバルセロナの世界遺産ガウディ作品群ははずせません。
特にガウディが1882年に着工したサグラダ・ファミリアは、ガウディ没後100年にあたる2026年に完成が予定されています。
細部にまで手を抜かないガウディのこだわりの作品を鑑賞してみて下さい。
スペイン旅行のおすすめ バルセロナのガウディ作品群
「兼高かおるの世界の旅」で紹介されたバルセロナ
私はブログ以外に日本旅行作家協会会員として、夕刊フジ連載の「世界遺産旅行講座」などの旅行記事を書いていますが、その協会名誉会長の兼高かおるさんが1月5日に心不全で亡くなられました。
私が海外旅行に関心を抱くきっかけを与えてくれたのは、「兼高かおる世界の旅」(TBS系)と城達也さんの「JET STREAM」(東京FM)で、特にテレビにおける海外紀行番組の先駆けであった「兼高かおる世界の旅」は、今日の私の仕事にも大いに役立っています。
まだ海外旅行が一般には自由化されていない時代(放送当初)に、世界各地の魅力を伝え、その後の海外旅行ブームの火付け役となった功績は今後も語り継がれることと思います。
番組で紹介された著名人も、ジョンFケネディ大統領(当時)や英国のチャールズ皇太子など、そそうたる顔ぶれでしたが、私は、兼高かおるさんがスペインの画家サルバドール・ダリ宅を訪問して歓迎を受けた、バルセロナの紹介番組が印象に残っています。
兼高かおるんはバルセロナの街並みだけでなく、サグラダファミリアやグエル公園などを丁寧な日本語の解説で紹介されていました。
バルセロナの世界遺産と「コピート・デ・ニエベ」
現在、バルセロナと言えば「アントニ・ガウディの作品群」という世界遺産建築で有名ですが、、私には「コピート・デ・ニエベ」という心の世界遺産も存在します。
「コピート・デ・ニエベ」とは、かつてバルセロナ動物園のマスコットとして人気を集めた白いゴリラの名前で、全身の毛が白かったことから「小さな雪片Copito de Nieve」と呼ばれていたのです。
2003年11月24日に彼が亡くなるまで、私はバルセロナを訪れるたびに会いに行っていましたが、彼は当時、バルセロナの生きた世界遺産だったのです。
しかし、バルセロナ動物園の人気者がいなくなってからは、やはりサグラダ・ファミリア(聖家族贖罪教会)で代表されるアントニ・ガウディの作品が世界の注目を集めるようになりました。19世紀末から20世紀初頭にかけてモデルニスモ(フランスではアール・ヌーヴォー)が開花したカタルーニャ地方の州都バルセロナには、「孤高の天才」と呼ばれた、アントニ・ガウディ・イ・コルネが残した数多くの建造物が点在するのです。
世界遺産にはカザ・ミラ、グエル公園、グエル邸、サグラダ・ファミリアの一部、カサ・ヴィンセンス、カサ・バトリョ、コロニア・グエル聖堂の地下聖堂の7件が登録されています。
ガウディとサグラダ・ファミリア、グエル公園
1882年にゴシック・リバイバルで建築が始まった翌年、ガウディは31歳でプロジェクトの建築主任に就任すると1926年に亡くなるまで40年以上を建築家として、また敬虔なカトリック教徒としてこのサグラダ・ファミリア教会に心身を捧げたのです。着工から140年を経た現在も建築中という前代未聞の壮大な教会で、日本人もこの建設に携わっています。
ガウディは交通事故で亡くなるまで、敬虔なキリスト教徒として生涯をかけてこの教会建築に打ち込み、「誕生のファサード」や地下聖堂等を完成させ、これが世界遺産に登録されています。
彼は自然を「偉大な書物」と考え、「美しい形は構造的に安定しており、構造は自然から学ばなければならない」という信念から、曲線と細部の装飾を多用した生物的な建築を得意としました。
教会内部には彼が設計の実験に用いた「逆さ吊り模型(フニクラ)」等の資料が展示されており、ガウディのことを知るには必見です。
ガウディの才能を見初めたのは富豪のエウゼビ・グエルで、死ぬまでパトロンとして彼を支援し、自らのグエル邸やグエル公園、コロニア・グエル教会地下聖堂などの設計も依頼しました。
特にコロニア・グエル教会地下聖堂はバルセロナ郊外にありますが、私はガウディ建築の最高傑作どと思います。
一方、グエル公園は当初、大規模な集合住宅にする予定でしたが、購入者がおらず、市に寄贈されて公園となったいわばガウディの失敗作です。
しかし、園内にはガウディの住んだ家やガウディらしい自然をモチーフとしたオブジェが随所にあり、今日では世界一夢のある公園として人気を集めています。
私はバルセロナ市街を見下ろすこの公園には、ガウディと共に「コピート・デ・ニエベ」の魂が生きているような気がするのです。
また、このグエル公園での兼高かおるさんの上品で丁寧な日本語によるナレーションも思い出されます。
日本旅行作家協会の会員としてだけでなく、私に海外文化を学ぶきっかけを与えて下さった兼高かおるさんに対して、ここに謹んでご冥福をお祈りしたいと思います。
祝!日本の縄文文化「北海道と北東北の縄文遺跡群」が世界文化遺産登録
「北海道と北東北の縄文遺跡群」が世界文化遺産に登録されたことを記念して、私はみちのくを旅した芭蕉の研究本『松尾芭蕉の旅に学ぶ』と共に『縄文人からのメッセージ』というタイトルで縄文文化を語り、平成芭蕉の『令和の旅指南』シリーズ(Kindle電子本)として出版しました。人生100歳時代を楽しく旅するために縄文人の精神世界に触れていただければ幸いです。
また、日本人の心に灯をつける『日本遺産の教科書』、長生きして人生を楽しむための指南書『人生は旅行が9割』、感情の老化を防ぐ私の旅日記である『生まれ変わりの一人旅』とともにご一読下さい。
★平成芭蕉ブックス
①『人生は旅行が9割 令和の旅指南Ⅰ』: 長生きして人生を楽しむために 旅行の質が人生を決める
②『縄文人からのメッセージ 令和の旅指南Ⅱ』: 縄文人の精神世界に触れる 日本遺産と世界遺産の旅
③『松尾芭蕉の旅に学ぶ 令和の旅指南Ⅲ』:芭蕉に学ぶテーマ旅 「奥の深い細道」の旅
④『生まれ変わりの一人旅 令和の旅指南Ⅳ』: 感動を味わう一人旅のススメ
⑤『日本遺産の教科書 令和の旅指南』: 日本人の心に灯をつける 日本遺産ストーリーの旅
★関連記事:平成芭蕉の旅のアドバイス「旅して幸せになる~令和の旅」
私は平成芭蕉、自分の足で自分の五感を使って世界遺産を旅しています
世界遺産とは地球の成り立ちと人類の歴史によって生み出された全人類が共有すべき宝物で、その内容によって①文化遺産②自然遺産③複合遺産に分類されます。この「平成芭蕉の世界遺産」はその世界遺産についての単なる解説ではなく、私が実際に現地に赴いてその土地に生きる人たちと交流した際に感じた感動の記録です。