イスラムの聖地サウジアラビアの世界遺産 ディルイーヤのトライフ地区
イスラム教の始祖ムハンマドの生まれたイスラムの聖地
2017年、世界屈指の産油国であるサウジアラビアの国王が、46年ぶりに来日、事前に持ち込まれていた専用の電動タラップで羽田空港に降り立たれました。
サウジアラビアはメッカ、メディナというイスラム2大聖地をかかえたイスラム教発祥の国で、絶対君主制を敷くサウード家が厳格なイスラム戒律に基づいた統治を行い、初代のアブドゥル・アジズ(一般にはイブン・サウードで知られる)国王の息子たちがサウード家のアラビア王国として国王の座を継いできました。来日されたサルマン国王はサウード家の6代目国王です。
現在、サウジアラビアは日本人の観光ビザ発給を停止しており、日本人にとっては世界で一番入国が難しい国で、日本人はイスラム教の人を除いて入国はできません。
しかし、そんなサウジアラビアですが、2017年9月4日~9日に行われた日本対サウジアラビアのサッカーワールドカップ予選試合の観戦ツアーに参加すれば入国できたのです。
その理由は、サッカーの公式戦では相手国サポーターの受け入れが許されているからで、サウジアラビアに関心のある人は、このサッカー公式戦の際に行かれることをおすすめします。
サウジアラビアは厳格なイスラム国家で、例えばテレビチャンネルの1番では朝から晩まで聖地メッカの映像が流されており、ホテルの部屋にいてもメッカに来ている気持ちでお祈りができるのです。
サウード王家が最初に都と定めた世界遺産のディルイーヤ
そこで、今回は親日国サウジアラビアのサウード王家が最初に都と定めたディルイーヤの遺跡についてご紹介します。
ディルイーヤはサウジアラビアの首都リャド郊外に位置し、1744年から1818年には第一次サウード王国の都が置かれ、ワッハーブ運動の拠点ともなった都市です。
ワッハーブ運動とはイスラムの多数派であるスンナ派に対抗して、アブドゥル・ワッハーブが唱えた極端な禁欲主義的原始イスラム教への復古改革運動を指します。
1740年代前半、ディルイーヤを支配していたサウード家のムハンマド・イブン・サウードは、このワッハーブに共鳴し、ワッハーブ派イスラム教の守護者として彼の宗教改革を推進、1744年、ディルイーヤを都とする第一次サウード王国(別名ワッハーブ王国)を樹立したのです。
しかし、このサウード王国がメッカやメディナといった紅海沿岸まで領土を拡大するようになると、このヘジャズ地方の宗主国であったオスマン帝国の怒りに触れ、ディルイーヤはオスマン帝国の侵攻によって廃墟と化し、王国は滅ぼされてしまったのです。
その後、サウード家はリャドに移り、現王国の基盤を整備することになったのですが、ディルイーヤのトライフ地区には当時の城壁や砦の一部が残り、サアド・ビン・サウード宮殿などの歴史的建造物が復元されています。
報道によればサルマン国王の訪日の際には、王族や政府関係者など約1000人が随行されたと言われていますが、サウジアラビア国内にはいたるところに王族の肖像画が飾られ、国民から大変敬愛されていることが実感できます。
祝!日本の縄文文化「北海道と北東北の縄文遺跡群」が世界文化遺産登録
「北海道と北東北の縄文遺跡群」が世界文化遺産に登録されたことを記念して、私はみちのくを旅した芭蕉の研究本『松尾芭蕉の旅に学ぶ』と共に『縄文人からのメッセージ』というタイトルで縄文文化を語り、平成芭蕉の『令和の旅指南』シリーズ(Kindle電子本)として出版しました。人生100歳時代を楽しく旅するために縄文人の精神世界に触れていただければ幸いです。
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私は平成芭蕉、自分の足で自分の五感を使って世界遺産を旅しています
世界遺産とは地球の成り立ちと人類の歴史によって生み出された全人類が共有すべき宝物で、その内容によって①文化遺産②自然遺産③複合遺産に分類されます。この「平成芭蕉の世界遺産」はその世界遺産についての単なる解説ではなく、私が実際に現地に赴いてその土地に生きる人たちと交流した際に感じた感動の記録です。