令和の「平成芭蕉」

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平成芭蕉の旅行術

平成芭蕉の旅行術〜「奥の細道」の象潟と芭蕉さんの「心の四季」

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「奥の細道」の真の目的地は秋田の象潟

私は今、芭蕉さんの『おくのほそ道』における目的地のひとつで、松島と並び称され「八十八潟」で知られた象潟でたたずんでいます。
今から330年前、俳聖松尾芭蕉は、先人の歌枕の地である松島や象潟へと思いを馳せ、とりわけ漂泊の歌人である西行への敬愛の思いが強く、西行の500年忌にあたる年に『おくのほそ道』へと旅立ち「松島は笑うが如く、象潟はうらむが如し」と記しています。

象潟駅前に建つ「奥の細道」記念碑

象潟駅前に建つ「奥の細道」記念碑

鳥海山を望むこの象潟は、1804年の地震で隆起して「八十八潟」は消え、現在は陸地に島がある不思議な景色が広がる九十九島の名を残しています。
かつて潟に浮かんだ島々は、田植えの季節に水が張られると、海に浮かんでいるように見えて往時の面影を彷彿させてくれます。

853年に慈覚大使によって創建された古刹の蚶満寺境内には芭蕉さんの像と句碑が建てられています。

蚶満寺境内の芭蕉像

蚶満寺境内の芭蕉像

「象潟や 雨に西施が ねぶの花」

象潟はなんとも魅力的な風景で 雨にけぶる中に中国の美女「西施」が憂いに沈んで目を伏せている姿を連想させ ねむの花が淡い紅色に咲いている

『奥の細道』発表後は、象潟の知名度はさらに上がり、多くの文人墨客が芭蕉さんの旅を意識しながら蚶満寺を訪ねています。

中国四大美女の西施像

中国四大美女の西施像

鳥海山の恵み 幻想的な苔の緑と水の白とのコントラスト「元滝伏流水」

今日は鳥海山がはっきりと見ることができたので、蚶満寺参拝後は鳥海山の恵みである「元滝伏流水」を訪ねることにしました。

これは一見すると滝に見えますが、実は鳥海山麓の雪解け水が地表に湧き出た湧水で、湧水量は一日に約5万トンにも及びます。

1年中枯れることのない湧水は豊かな苔をはぐくみ、その深い緑とほとばしる水の白とのコントラストが美しく、しばし流水の音を聞きながら幻想的な雰囲気の中に包まれます。

鳥海山からの湧水「元滝伏流水」

鳥海山からの湧水「元滝伏流水」

さらに鳥海山のふもとの「奥の細道」における難所であった三崎山旧街道を歩き、芭蕉さんの作品を読み返すと、芭蕉さんは季節を感じる天才だと思いました。

それは、芭蕉さんはみちのくの自然の四季とは別に「心」に四季を持っていたからだと推察できます。

「奥の細道」三崎山旧街道

「奥の細道」三崎山旧街道

すなわち門人など「人と接する時は暖かい春の心」、俳句を詠むなど「仕事をするときは燃える夏の心」、推敲するなど「考える時は秋のような澄んだ心」そして「自分に向かう時は厳しい冬の心」を持っていたのでしょう。

平成芭蕉も季節感を感じながら「心の四季」を持って旅したいと思いました。

            【四季を感じる幻想的な元滝伏流水】

平成芭蕉メッセージ ~「旅の質」が人生を変える

「小説が書かれ読まれるのは人生がただ一度であることへの抗議」という言葉がありますが、私にとって旅することは、一度限りの人生を最大限に楽しむための創造活動なのです。そして私は、人生を楽しむために必要な「心のときめき」は、「知恵を伴う旅」を通じて得られると考えています。

そこでこの度、私はその知恵を伴う日本遺産や世界遺産の旅を紹介しつつ、平成芭蕉独自の旅の楽しみ方とテーマ旅行に関する企画アイデアノート、さらに著者が松尾芭蕉の旅から学んだ旅行術について紹介した『平成芭蕉の旅指南 人生が変わるオススメの旅 旅の質が人生を決める』と題した本を出版しました。このブログと合わせてご一読いただければ幸です。

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私は平成芭蕉、自分の足で自分の五感を使って旅をしています。

平成芭蕉のテーマ旅行

平成芭蕉の旅行術

平成芭蕉は元禄時代に生きた俳聖松尾芭蕉の旅から学んだことをお伝えします。旅とは日常から離れ、いつもと違う風、光、臭いなど五感を通じて自分を見つめ直す機会です。そしていつもと違う人に会い、いつもと違う食事をとることで、考え方や感じ方が変わります。すなわち、いい旅をすると人も変わり、生き方も変わり、人生も変わるのです。

「令和の旅」へ挑む平成芭蕉

*「平成芭蕉の旅物語」サイトマップ参照

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